時価総額推移を国別や企業別に調べる方法と日本株式市場の立ち位置とは?

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

日本円でお給料をもらい、日本円で生活し、日本の株式で資産運用をしている人は非常に多いと思います。

これは日本に生まれて日本で育っているのですから当たり前と言えば当たり前でしょう。

しかし、国内株式で日々売買を繰り返している方々は

  1. 日本の株式市場がどれくらいの時価総額を持っているのか
  2. ここ何年かの時価総額推移はどのようなものか
  3. 世界の株式市場と比較してどれくらいの大きさか

といったことを知った上で行っていますか?

この記事では国別や企業別に時価総額推移を調べる方法をご紹介し、さらに上記についても述べました。

  1. 時価総額推移の調べ方が知りたい
  2. 自分がどのような立ち位置で資産運用をしているのか知りたい

といった方はぜひご参考下さい。

    

時価総額推移を調べる方法とは

時価総額とは株式投資の世界で「株の価値を示すもの」として知られています。

社会における位置づけは企業によって様々ですが、数字としては時価総額が大きいほど価値が高いというわけです。

時価総額の順位は業界順位となりますし、どちらの方が大きな会社なのか知りたければ時価総額で比較することになります。

ちなみに時価総額は

  • 時価総額=発行済み株式数 × 株価

で表されるので、単純に株価だけで比較はできません。

企業が成長してたくさん株式を発行できれば、株価が小さくても大企業と呼ばれるようになります。

このように時価総額は企業単位で語られることが多いのですが、実は

  1. 東証一部や二部など市場別
  2. 日本や米国など国別

の大きさを測る基準にもなるんです。

以下に、それぞれの調べ方を記載しておきますのでご参考ください。

企業別時価総額の調べ方

企業別の時価総額は

  1. 証券会社のアプリ
  2. 株式関連の総合情報サイト

などで調べることが可能です。

例えば私が使っている楽天証券のアプリであれば・・・

スマホアプリを立ち上げてから検索タブを開き、調べたい企業の銘柄名や銘柄コードを入れれば時価総額が参照できます。

どの媒体で調べたかによっても違いますが、時価総額の単位は「百万円」が多いですね。

例えばトヨタ自動車であれば約25,000,000百万円なので、25兆円ということになります。

総合情報サイトで調べる場合も同様に、検索窓に企業名や銘柄コードを入れるだけです。

おすすめのサイトは「株探」で、時価総額だけでなく

  1. 株価推移
  2. 銘柄ニュース
  3. 業績など決算内容

まで調べることができますよ。

個別企業のニュース欄には決算内容を示した資料もあるので、それを遡っていくことで発行済み株式数の推移も知ることが可能です。

その時期のおおよその株価とかけ合わせれば企業の時価総額が決算時期ごとでどう変化していったかもわかります。

国別時価総額の調べ方

次に国別の時価総額を調べる方法です。

国別時価総額順位に関しては以下のサイトに掲載されていました。

参照リンク:GLOBAL NOTE|国別時価総額順位

ただし更新頻度は少なそうで、後述するように現時点でも日本と香港の順位は入れ替わっています。

日本以外の国に関する時価総額推移をタイムリーに知りたい場合は、外国の証券取引所が公表しているデータを英語のまま閲覧するしかないでしょう。

個人的には、入れ替わりがあればニュースでも取り上げられるのでそこまでする必要もないとは思いますが。

もう少し詳細な推移が知りたい場合、国内の情報媒体が定期的に取り上げている情報を活用します。

例えば、

世界の株式市場における時価総額推移

参照リンク:野村資本市場研究所

こんな感じで一定期間における時価総額推移を参照可能です。

国別時価総額の推移は、日本の立ち位置を知るためにも定期的に確認していきましょう。

ちなみに日本の株式市場における時価総額推移は、JPX(日本取引所グループ)が提供しているデータをエクセルで無料閲覧できます。

こちらには時価総額推移が市場別の内訳つきで載っているので、国内株式市場がどんな経緯を辿ってきたのかが確認可能です。

そこまで頻繁に確認しなくても良いデータだと思いますが、毎月末に更新されるので興味がある方はご参考下さい。

参照リンク:JPX|時価総額推移

日本株式市場の時価総額推移

ここからは日本の株式市場における立ち位置を時価総額推移から考えていきます。

JPXが公表しているデータを参照した結果、2020年1月末時点の国内株式市場の時価総額は657兆1088億7百万円でした。

この内訳は

  1. 東証一部:633兆7261億11百万円
  2. 東証二部:7兆5439億20百万円
  3. マザーズ:5兆9873億70百万円
  4. JASDAQ合計:9兆8137億31百万円
  5. その他:376億72百万円

となっています。

内訳を見てわかるように東証一部のみで国内株式市場における時価総額のほとんどを賄っていて、なおかつそのほとんどを大型株(上位100銘柄)が占めているというわけですね。

大型株の業績がどれほど国内株式市場に大きなインパクトがあるかが、この時価総額比率からもわかると思います。

ちなみに、この657兆円という時価総額に国内株式市場が成長するまでどのような推移だったのでしょうか。

少し遡って時価総額データを参照してみると

  1. 1949年:約1532億円
  2. 1980年:約77兆円
  3. 2000年:約360兆円
  4. 2009年:約300兆円

という数字でした。

物価が違うとはいえ70年前には1500億ほどだった時価総額が、大暴落などを乗り越えながら成長してきたのですね。

昔は現代のようにネット証券もなかったですが、株式で長期運用する重要性を感じます。

世界の株式市場と日本を比較

さて、そんな日本の株式市場ですが世界水準ではどのような立ち位置なのでしょうか。

ここからは世界各国の時価総額と比較していきますので、単位は米ドルになります。

2020年2月時点で知られている国別時価総額の上位は

  1. 米国
  2. 中国
  3. 香港
  4. 日本

というランキングが知られていますよね。

ちなみに2014年頃までは日本が2位でしたが、円安などの影響もあり中国に抜かれてしまいました。

また2019年4月までは日本が3位でしたが香港に追い抜かれた経緯があります。

ただ、世界全体における株式市場の時価総額を浮動株調整後の規模で見ると大きく順位が変わるというデータもあるようです。

浮動株調整とは株式市場に出回ることのない固定株を抜いて考えるという意味で、実質的な時価総額規模を知ることが出来ます。

外部参照リンク:わたしのインデックス|世界各国の時価総額

このデータを参照した結果、全世界における株式市場の時価総額規模は50.4兆ドルで主な内訳は・・・

国別時価総額の割合

  1. 米国:55.6%
  2. 日本:7.7%
  3. 英国:5.0%
  4. 中国:3.9%

となっていました。

日本が二番手ではありますが、

  1. 半分以上の割合を米国株が占めている
  2. 日本は1割にも満たない時価総額規模
  3. 2位以下の順位変動があってもおかしくはない

と感じます。

長い株式市場の歴史の中ではバブル期の日本が米国と張り合う時期もありましたが、現状ではとてもそのような立ち位置ではないですね。

日本株だけでは世界経済の恩恵を受けられない可能性

日本の株式市場は成長してきたとはいえ、一般的に知られている時価総額順位でも浮動株ベースの順位でもそこまで大きな存在ではなさそうです。

非常に残念ではありますが、金利動向などを考えても国力が弱いのかもしれません。

もし日本の国力が本当に弱い(下がっている)とすれば、国内株式のみで資産運用を行っていくことそのものがリスクと言えそうです。

短期売買(投機)が他人の何倍も上手であれば良いのでしょうが、日本円で貰った給料を日本株式だけで資産運用しても世界経済の恩恵を大きく受けられない可能性はあります。

そのうえ1缶100円にも満たなかったコーヒーに130円出さなければ飲めないほど、国内の物価がじわりじわりと上がっていては余計に苦しいですよね。

結局は世界各国の株式に分散しながら長期的に運用を継続していくことが求められると思います。

最も割合の高い米国株に絞って運用している方もいるくらいですし、日本円の定期預金しか持っていない状態であれば全世界株式や先進国株式の運用比率をガンガン高めても良いのではないでしょうか。

お子さんの年齢にもよりますが運用者の年齢が40代くらいまでであればリスクも取れるでしょうし、長期的な運用を始めるなら早いに越したことはありません。

手っ取り早くできるのはインデックス連動商品に継続投資することで、そのためにiDecoやつみたてNISAがあるのではないかとも思います。

インデックス連動商品の長期運用を組み合わせつつ、日本株で短期売買を楽しむスタイルは実現しやすく

  1. 短期売買をやりたいという自分の希望
  2. 世界の時価総額成長の恩恵を受ける方法

が両立できるでしょう。

長期投資を続ける自信がないという方もいらっしゃるでしょうが、いきなり毎月10万ずつ積み立てるわけではなく

  1. 掛け捨て保険を極力減らす
  2. 生活レベルを落とさずに出費を減らせるサービスを活用する
  3. 収入を増やす

など基本的なことを行いながら無理のない範囲で始めることが重要です。

投資を長期継続するということはそういうことで、多少生活が変化しても対応できる範疇でなければなりません。

ネット銀行の無料振込みサービスや自動スイープ機能などを組み合わせれば、自分が忘れても長期運用は継続されます。

むしろ自動化システムを構築して10年くらい忘れてしまった方が都合良いかもしれないですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は時価総額推移の調べ方を企業別及び国別で紹介し、その方法を使って国内株式市場の立ち位置を考えました。

株式市場の時価総額比率は、世界経済が成長した時の恩恵をどれくらい受けられるかに関わってくるでしょう。

現状では米国株式市場の割合がダントツで多く、日本はそこまで大きな存在ではないように思えます。

そういった意味では日本の個別株だけで資産運用をすることは怖いことなのかもしれませんね。

例えばインデックス投資も組み合わせるなど、長期運用に適した商品を上手に活用しながら世界中の株式に投資していきたいものです。

インデックス投資であれば株式以外の資産クラスにも簡単にアプローチできますし、本当の分散投資もやりやすいでしょう。

個別株だけに没頭するのではなく、つみたてNISAやiDeCoも無理のない範囲で行ってみてはいかがでしょうか。

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