どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資の世界には
- 個別株投資
- インデックス(指数)投資
というふたつの考え方があります。
個別株投資とはトヨタ自動車や任天堂といった単体企業の株式を売買する考え方で、インデックスは日経平均株価やTOPIXといった指数に連動する値動きを持つ商品に投資することです。
「個人投資家が株式投資をするならどちらがおすすめか」という話は賛否両論で、この点は自分自身で考えなくてはなりません。
そこでこの記事では
- 個別株とインデックス投資の特徴を比較
- 個別株が「難しい」、「やめとけ」と言われる理由
- 個別株の選び方のコツ
についてお話しました。
どちらもメリットとデメリットがありますので、ご自身でよく考えて投資方針を決めましょう。
個別株の特徴とは
まずは個別株の特徴についてです。
メリットとデメリットについて分けて考えていきましょう。
最大のメリットとは自分の考えが反映できること
個別株のメリットはなんと言っても「自分の采配によって良くも悪くもできること」でしょう。
例えば日経平均株価が軟調な時期でも上手に銘柄選択をして高い利益を得ている人は一定数いますよね。
多くの個人投資家は指数の状況が悪ければパフォーマンスが下がるわけですが、
- 独自の目線でポートフォリオを組み替える
- 強いセクターやテーマを攻める
といった投資行動によって危機を乗り越えられる良さが個別株にはあります。
また、インデックス投資には選択肢がそれほどありませんが個別株には4000銘柄前後の企業が用意されていますよね。
これだけ企業が上場していれば
- 指数と逆行して上昇トレンドとなっている銘柄
- 指数の下げ幅より強い銘柄
もあるので場合によってはよりリスクを下げられるケースもあるでしょう。
売買ルールが確立されている方にとっても、買い条件に合致する株を探すという観点においてやりやすいと思います。
ちなみに個別株を現物で長期保有すれば
- 配当金
- 株主優待
などのインカムゲインもあるので、こういった点も個人投資家にとっては魅力でしょう。
デメリットは個人投資家ならではの悩み
一方で個別株のデメリットにはどんなものがあるでしょうか。
最大のデメリットは
- 個人投資家では集中投資になりがち
- 資金配分や組み換えに経験値が必要
といった点でしょう。
例えば株価2000円前後の銘柄は珍しくありませんが、そういった銘柄に対して
- 2回に分けて購入したい
- 5銘柄に分散したい
といった場合はそれなりの資金が必要となってきます。
具体的な数字としては、
- 1銘柄あたりの保有金額:40万円
- 合計の保有金額:200万円(40万 × 5銘柄)
となり、投資初心者さんでも最初から数百万の運用を始める状況です。
仮にこの状況からポートフォリオが10%値下がりした場合には20万円の含み損となるわけですが、これはサラリーマンの月給に近い数字ですよね。
初心者さんがいきなり月給に近い値を失ったらかなりショックでしょうし、かといって1銘柄への集中投資はもっと危険です。
個別株では1回あたりの購入金額が大きいので、
- それなりの資金が必要
- 少資金では集中投資になりがち
といったデメリットがあります。
また、「どの個別株を買うのか」という点も経験値が必要ですし、「ポートフォリオ内をどう入れ替えていくか」も一朝一夕では身につきません。
5銘柄あれば5つの企業におけるそれぞれの事情を個別に把握しなくてはなりませんし、それだけ手間もかかります。
インデックス投資の特徴とは
ではインデックス投資にはどういった特徴があるのでしょうか。
こちらもメリットとデメリットに分けて述べていきます。
メリットは少資金や分散投資が手軽にできること
インデックス投資の強みは
- どんな資金額でも取り組みやすい
- 分散投資が手軽にできる
という点です。
例えば日経225に連動するような上場型投資信託であれば2万円前後から売買が可能ですし、TOPIXや米国株に連動した投資信託であっても500円から始めることができます。
今やワンコインからインデックス投資ができる時代になっているので、初心者さんにとってもハードルが低くなっている現状です。
また、株式のインデックスだけ考えても「それひとつで数百~数千銘柄に投資している」という状況で、個別株の集中投資よりボラティリティは小さくなりやすいでしょう。
分散投資という意味では
- 債権などアセットクラスの分散
- 日本、米国、先進国、新興国など地域の分散
- 積立による時間の分散
ということもやりやすいので兼業投資家でもじっくりと取りかかれます。
大型株の決算内容や世界経済の様子に為替など気にするものはありますが、それは個別株も同様です。
投機的な売買をするなら別ですが、インデックス投資は初心者さんでも比較的取り組みやすいものだと思います。
デメリットは地合いの影響を回避できないこと
インデックス投資の最大のデメリットは「地合いの影響を回避できない」ということです。
そもそも指数に連動することを目的に運用されているので、地合いが大きく悪化すればそっくりそのままパフォーマンスに影響するのは当たり前でしょう。
また、インデックスに組み込まれている銘柄の中に気に入らないものがあっても、自分で組み替えることはできません。
市場全体を見れば良い決算内容なのに、
- 時価総額が大きい(時価総額比重が大きい)
- 株価が大きい(値がさ株)
といった企業の影響で軟調な推移となることもあります。
またマイナーなETFでは流動性が足りず、一気にさばきたいと思っても買ってくれる人が少なくて全部売り切れないこともあるでしょう。
コスト面ではETFの売買手数料を無料化する流れがありましたが、投資信託では
- 信託報酬
- 監査費用
- 維持管理費用
など持っているだけでかかってくるお金が存在するケースも。
個別株は現物で保有していれば売買手数料以外に必要になるものはないですし、場合によっては配当金や優待がもらえます。
個別株はやめとけと言われる理由
ここまで個別株とインデックス投資の特徴を述べてきましたが、個人投資家は個別株を選ぶケースが圧倒的に多いと思います。
個別株の方が値動き的にも銘柄背景的にも変化が大きくて楽しいですし、そもそも長期投資を行う層が少ないのでこれは仕方ないでしょう。
ただし「個別株はやめとけ」という意見もあるので、ここではその理由の例をご紹介します。
機関投資家には勝てない
個別株では個人投資家が自分で考えて銘柄を選び、自分の判断で売り買いをしなければなりません。
要は機関投資家と同じ事をしなさいというわけですが、中々厳しい現実がありますよね。
職人さんや有資格者の方は想像しやすいかと思いますが、
- 素人が自分と同じ仕事をした場合、どうなりそうか
- 自分と同じようにその仕事で生計を立てられそうか
ということを考えると良いかもしれません。
中にはセンスを発揮する人もいるでしょうが、そもそも基礎知識が少ないので大体はうまくいかないことが多そうです。
教えてくれる先生がいれば上達も早いでしょうが、独学となるとなお時間がかかります。
自分の本業に置き換えたときに感じることは、株の世界でも機関投資家が同じことを考えている可能性がありますよね。
また、個人投資家はどうしても機関投資家に比べて
- 資金が少ない
- 経験値が少ない
という立場なので市場では弱者となるでしょう。
少資金で株式市場に投げ出され、プロと同じ土俵で戦うことは思ったより怖いことです。
ボラティリティの大きさに耐えられない
個人投資家が好きな個別株は時価総額が小さくて値動きが激しい新興小型株です。
そういった個別株では、わずか数ヶ月で株価が倍になるケースも珍しくないので当たれば一気にお金が増えます。
そういった一種の投機性を魅力と感じる個人投資家は多く、初心者ということを忘れて数百万円も買うケースが後を絶ちません。
しかし数ヶ月で株価が倍になるということは、反対に数ヶ月で株価が半分にもなり得るということですよね。
こういったボラティリティの大きさを忘れて個別株にのめり込むケースは多く、上下の動きに耐えられない方は非常に多いでしょう。
結果的には下げたタイミングで投げ売りをして「もう株なんてやらない」というパターンは非常に多いと思います。
ちなみにその大きな値動きを生み出しているのは機関投資家で、個人投資家は食い物にされているのが現状ではないでしょうか。
個別株をリサーチする時間がない
個別株を買うには根拠が必要です。
- 社会で問題となっていること
- 直近で話題になった事象
- 将来的に想定できる出来事
などを考え、それに関連する個別株を見つけるにはそれなりのリサーチをしなければなりません。
また、一度出てきた材料を覚えておき将来的な関連材料と統合していくことも大事でしょう。
この作業は中々大変ですし、情報をまとめるのも時間がかかります。
個人投資家の多くは兼業なので、仕事が終わった夜間や休日に行う必要が出てきますよね。
しかし子育てをしている世代は忙しいでしょうし、仕事で疲れて寝てしまうという方もいるでしょう。
好きなことに時間を割きたい方も多く、個別株のために注力するのは意外にも大変なことです。
結果的には誰もが手に入れられる情報を選択し、そこから適当に銘柄を決めて売買している方がほとんどではないですか?
私も最初はそうでしたが、それではあまりうまくいかないと感じました。
個別株をリサーチするという考え方自体を持っていない方もいるので、だったら個別株はやめとけという意見も頷けます。
インデックス投資のリターンを超えられない人が多い
個別株をやる最大の意義はインデックス投資のパフォーマンスを超えることです。
日本株であれば日経平均株価やTOPIXの年間上昇(下落)率を上回ることが目標で、皆さんそれを目指して個別株の売買をしています。
- 指数が年率5%上昇した時に7%の上昇率だった
- 指数が年率-5%下落したのに-2%の下落に抑えた
という状況を実現できるのであれば個別株をやる意味は大きいでしょう。
ただし個人投資家の中にインデックス投資を上回るリターンを得られる方は少ないのが現状なので、これも個別株はやめとけと言われる理由のひとつだと思います。
インデックス投資に負けてしまう理由としては
- 短期売買でガチャガチャやって逆に首を絞める
- 持っておけば利益が伸びたのに早売りしてしまう
というものが代表的です。
個別株とインデックス投資どっちが難しいのか
結論的にはインデックス投資より個別株の方が難しいと思います。
もちろんこれは「指数の方が値動きを読みやすい」とかそういった意味ではありません。
例えば個人投資家の中には前述のように「個別株を調べたくてもそんな時間がない」という人は多いわけです。
かといって子育てを放棄したり現状の生活リズムを無理に変えるわけにもいかないので、個別株投資をやること自体が難しい側面はあるでしょう。
個別株を一度保有したら日々変化がないか考えなければならず、仕事と並行して値動きにも耐えなければなりません。
そういったことが難しいのであれば、最初からインデックス投資をコツコツと続けた方が息の長い投資生活が送れると思います。
もちろんインデックス投資も大きな値動きが生じることはあるのですが、少しずつ買うという仕組み上は長期目線が持ちやすいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は個別株とインデックス投資の違いについてお話しました。
個別株は選択肢が多く、自分の裁量で売買できることが最大の特徴です。
また、インデックス投資は手軽に分散投資ができて、兼業さんでも手間なく長期投資できる特徴があります。
どちらもメリットとデメリットがあるので、自分に合っている方を選んでみてはいかがでしょうか。
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