大型株の定義とは?あなたの知らない特徴や小型株にはないメリットを解説!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資の世界では上場銘柄を

  1. 大型株
  2. 中型株
  3. 小型株

という名称で区分分けをしています。

これらはあるルールのもと東証が区別したものですが、単に呼び名が違うだけではありません。

大型株から小型株までそれぞれに特徴があり、その特性を理解した上で付き合っていく必要があります。

この記事ではそういった

  1. 大型株と小型株の分け方
  2. 特徴やそれぞれの違い
  3. 大型株の銘柄一覧表を作る方法
  4. おすすめの大型株

についてお話しました。

身近な企業から触った結果、大型株から売買を始めた初心者さんもいらっしゃると思います。ぜひご参考ください。

    

大型株の定義とは

大型株とは一般的に

  1. 時価総額
  2. 発行済み株式数(流動性)

を考慮して株を区分する考え方のことです。

具体的には「TOPIXを補完する規模別株価指数の算出において、東証一部に上場している時価総額と流動性が高い上位100銘柄」を大型株と定義しています。

また、そこから

  1. 上位400銘柄を中型株
  2. それ以外を小型株

と定義しているので合わせて覚えておくと良いでしょう。

大型株の定義は基本的に上述のものですが、この他に発行済み株式数で区分している考え方もあり、

  1. 2億株以上:大型株
  2. 6000万~2億株未満:中型株
  3. それ以下:小型株

としているケースもあります。

大型株の定義は東京証券取引所が定めたものですが、個人投資家の中では曖昧に「有名企業で時価総額が大きそうな企業」を総じて大型株と認識している風潮もあるでしょう。

ちなみに、最近では真の流動性という意味で「浮動株ベース」の新しい区分をしようという考え方も強まっています。

この背景は「浮動株は実質的に市場に出回る株なので、こちらの方が実情の流動性に近い」と考えられるからです。

また、流動性は日々変化するものなので毎年10月に規模別株価指数の構成を見直して銘柄の入れ替えを行っていることも有名ですね。

例えばTOPIXに連動した成績を目指すファンドではこういったことを加味して該当銘柄に買いを入れているため、10月の大引けでは大型株の商いが活発化することが風物詩となっています。

大型株は

  1. TOPIX100
  2. TOPIX Core30
  3. Large70

といった指数の算出に活用されている銘柄なので、こちらも知っておくと良いです。

よくわからないなという方は

  1. 大型株は時価総額が上位100番目までに入れるほど大きい
  2. 各セクター内を代表するような大企業である
  3. 日々活発に売買が行われていて、出来高も多い

といった点だけは覚えておきましょう。

大型株の特徴とは

ここからは大型株にフォーカスして、もう少し詳しく特徴を見ていきましょう。

機関投資家主体の売買状況

大型株は国内を代表するような企業が揃っていて、日々たくさんの投資家に売買されています。

例えば国内自動車メーカー最大手のトヨタ自動車におけるある日の売買状況は

  1. 時価総額:25兆
  2. 出来高:500万株超え
  3. 売買代金の総額:400億円

という状況です。

数字を見てもわかるように、これは個人投資家が寄せ集まって作った売買状況ではないですよね。

いわゆる機関投資家という株式売買を仕事としているプロが主体となって作り上げている状況です。

例えば大型株の板ひとつ取ってきても新興銘柄とは少し違った状況になります。

大型株の板つき

ひとつの価格に数千株や数万株が置かれていることはザラにあって、例えば株価を100円持ち上げるだけでも相当に大きなお金が必要ですよね。

時価総額が小さい小型株でも同じといえば同じですが、その傾向はさらに大きいわけです。

個人投資家では到底値動きを牛耳ることは出来ませんので、その日に主体となっている値動きがどのようなものなのかを感じ取って同じ方向に売買する必要があるでしょう。

ちなみに、この「板が厚い」という状況はそれだけ十分な浮動株が出回っているということですよね。

国内の様々な投資家が有名企業の株を保有していて、それが板に注文として出てくるからこそ売り板も買い板も活況となるわけです。

大型株が機関投資家主体の売買かつ流動性が大きいと言われるのは、板を見れば一目瞭然ですね。

注目している投資家が多い

Twitterなどを見ていると大型株に関するつぶやきは少なく、小型株と比較して関心が低いように思えます。

しかし、大型株が全く注目されていないわけではないです。

なぜならば

  1. その業種を代表する企業が多い
  2. 時価総額や株価が大きい日経平均構成銘柄は市場に与えるインパクトも大きい
  3. 国内経済の状況は大型株の決算状況から考察される
  4. 何十年も前から知られている老舗企業も多い
  5. 発行済み株式数が多く関わる人も多い

といったことが言えるからです。

中でも大型株の業績は国内経済の状況を占うもので、例えば

  1. 今の時期は半導体が強いな
  2. 内需系より外需系が強いな
  3. 為替の影響を受けている企業が多いな
  4. あの出来事の影響は限定的だったな
  5. 震災時からだいぶ経済は回復したな

など色々な考え方ができますよね。

また、大企業ほど関わる人は多くコンセンサス予想を出してくる証券アナリストも多いでしょう。

個人投資家としても新聞など様々な媒体から情報を取り入れやすいので、注目する機会が多いと思います。

ちなみに経験豊富な個人投資家には、ずっと同じ大型株を追って「この銘柄のこういった状況を狙う」と値動きの癖を熟知している人もいますね。

その流動性や信用売り状況から、空売りは大型株のみで行うといった方もいらっしゃるようです。

他にも高配当株投資を大型株で行うなど多種多様な角度で注目されています。

業績が成熟している

大型株はかなり時価総額が大きくなっていて、企業として成熟しているという見方があります。

ゆえに業績伸び率は数%程度が当たり前という企業も多いですね。

長い目で見れば5年前や10年前より20%増益しているのかもしれませんが、小型株のように業績が短期で何倍にも伸びることは

  1. 何か画期的な商品が出る
  2. 合併して大きくなる

などがない限り稀でしょう。

したがって、成長株というよりは大体の企業価値を考えて割安な時期を狙うというイメージかもしれません。

ボラテリティ(価格変動率)も小型株に比べて小さめですが、感覚的には以前より大きくなっているような気がします。

また、業績の安定性は継続的な株主還元策にもつながるので、

  1. 安定配当
  2. 株主優待

といったメリットもあるでしょう。

大型株の中には安定して配当利回り3%を維持している企業もあり、高配当株投資もやりやすいです。

高配当利回りは安定した業績あってこそですね。

ただし、いくら安定しているとは言っても不景気の煽りによって業績は落ち込みます。

そういった状況でも配当利回りを維持してくれる企業かどうかも銘柄選定では大事でしょう。

大型株と小型株の違いで大きいものとは

大型株と小型株の違いとしてどのようなものが挙げられるでしょうか。

指数からの影響度合い

一番大きいものとしては指数からの影響を受けやすいかどうかがあるでしょう。

前述の通り大型株はTOPIXや日経平均株価を構成する要素です。

したがって日経平均株価などの指数が上がれば大型株もそれに追随する値動きとなります。

これは長期的には指数から大きく離れたパフォーマンスにはならないというメリットでもあり、デメリットでもあるでしょう。

しかし、小型株はTOPIXや日経平均株価など大型株や東証一部主体で構成される指数とは違った値動きになる可能性があります。

例えば、日経平均株価が急騰してもマザーズや東証二部などに上場している新興小型株は無風ということもザラです。

それどころかマザーズ指数は下降トレンドが継続されて、大型株は上がって小型株が下がる二極化相場もあり得ますね。

小型株は個人投資家主体なので、そういったケースでは個人の損益状況が悲惨なことになっていると予想できます。

逆に、大型株より小型株に資金流入しているケースや、特定材料のおかげで一部の小型株が絶好調ということもあるでしょう。

小型株は材料への反応が強く、一過性でも強い値動きを見せてくれるポテンシャルがあるわけです。

そこが個人投資家からの人気を得ている秘密ではあるのですが、急騰からの急落で苦しめている側面も忘れてはいけません。

短期売買の方向性

前述の話で言えば、個人的に指数を見ながら短期売買の方向性を立てやすいのは大型株です。

例えばスイングトレードをしたい場合、日経平均株価が上げ基調な期間を狙って大型株を売買すれば利益を取りやすいですよね。

もちろん一部の値がさ株だけ上がっているような状況は避けたいので、連日の

  1. 値上がり銘柄数
  2. リスト全体の気配値

を見る必要はあります。

その結果として全体的に上げ基調である晴れ日が続いていると思えば、大型株の売買は非常に有効です。

また、小型株のようにドカーンと上げることは少ない反面、慣れれば同じ銘柄とずっと付き合っていける良さもありますね。

例えば私の大型株リストにはソニーの名前がもう何年も載っています。

ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、ここ数年のソニーは中々面白い話題が多かったですよね。

デイでもスイングでも中長期でも楽しめた銘柄だったと思います。

大型株の固定リストを作成して定期的に監視していたからこそその値動きの中に入れたということを覚えておいて下さい。

中には任天堂やファーストリテなど大型値がさ株が好きな人もいるでしょうし、好みはそれぞれです。

大型株はずーっと昔から上場していておそらくこれからも残り続けるであろう重鎮達ですから、今のうちに追っていきたい銘柄やセクターを決めても良いでしょう。

長く追う大型株を作れば癖も捉えやすく、今後その感覚が役立つこともあるはずです。

その点、小型株はある時期から株価が10分の1になってしまう逆テンバガー銘柄も多いので、長く追いづらいですね。

大型株の銘柄一覧表を作る方法

さて、そんな大型株ですが実は簡単に銘柄リストを作成可能です。

やり方は証券会社のアプリに搭載された銘柄スクリーニング機能を使うだけ。

例えば楽天証券であればスマホアプリのスーパースクリーナーを開いて・・・

大型株の一覧表を作る

規模を大型株のみに絞るだけです。

中にはETFも含まれているので、除外したい場合はETFのタブを外してください。

検索結果のページ右上には「一括登録」もあるので、そのままリスト化することができます。

大型高配当株に長期投資するなら指数高値は避ける

大型株をリスト化したあと、実際に買いたい銘柄が見つかったとしましょう。

そういった銘柄はすぐに保有したくなってしまいがちですが、なるべく日経平均などの指数が高値圏にいる時期に保有することは避けます。

例えば、日経平均株価の2000円刻みの節目に注目してみましょう。

大型株の買い時

日経平均株価は節目で戦うことが多く、

  1. 到達しては下げる
  2. 下げてはまた戻る
  3. 突破したら同じことを繰り返す

といった特徴がありますよね。

したがって高値到達では注意が必要で、大体の場合は節目到達からの押し目を狙う方が効率的です。

もし下降トレンドであれば、指数が下げ止まって上昇に転じ始めたタイミングが買い時になります。

もちろん下げ止まったように見えて安値更新することも考えられますが、その時は潔く損切りをするだけですね。

大型高配当株を割安に買って長期保有したい場合は損切りしないこともあるでしょうが、それにしても基本的に高値圏で買うことは避けましょう。

大型株の売買は「指数の状況を見ながら高値圏の売買は避ける」という意識を持つだけで

  1. 含み損が減る
  2. 含み益が増える

という効果があるはずです。

大型株が向いている人とおすすめ銘柄とは

ここまで大型株について色々と述べてきましたが、大型株の売買をおすすめする方は

  1. 小型株のような派手な値動きは好まない
  2. 適度に上がって適度に下がる方が良い
  3. いつでも好きなだけ買えて好きなだけ売れる銘柄が良い
  4. 高配当株や優待投資に興味がある
  5. 長期的に値動きを追って銘柄の癖で儲けたい
  6. 得体の知れない銘柄には触りたくない
  7. 身近な企業で売買をしたい

などの考えを持つ方です。

特に、小型株の理解不能な値動きに疲れた方はおすすめですね。

大型株は値動きがないわけではないですが、小型株のような動きは少ないでしょう。

ちなみに買い推奨ということではありませんが、大型株の中でも人気があって長期的に追っていく面白さがあるおすすめ銘柄は

  1. セブン&アイホールディングス
  2. アサヒグループホールディングス
  3. リクルートホールディングス
  4. ソニー
  5. 伊藤忠商事
  6. KDDI
  7. ソフトバンクグループ

などですね。

セブン&アイホールディングスは地味な値動きであるものの、ここ最近はボックス形成をしやすい特性があると思います。

年単位で同じ価格帯を推移していたこともあり、長期的に追って定期的に儲けられました。

アサヒグループホールディングスはビール会社で有名で、一種の季節性があるでしょう。

夏前に活況しやすい特性があるので定期的に監視します。

リクルートホールディングスは好業績・高収益・高財務が揃った実力企業なので、どこまで株価が伸びるか長期的に追っていく面白さがありますね。

ソニーは華麗な復活劇の最中なだけでなく、定期的に話題になる銘柄です。

スマホ事業の黒字化や物言う大株主騒動など興味深い話題が多く、値動きも読みやすいでしょう。

伊藤忠商事は商社株の中でも大手で、傘下にファミリーマートを置くなど有力企業と言えます。

話題にも事欠かず、業績も増益基調が続いているので長期的に追っていきたいところです。

KDDIは大手携帯キャリアとして有名で5G関連銘柄でもあります。

また、昨今では携帯事業以外の柱を育成していて、単なる携帯会社から脱皮しようという流れもあるでしょう。

長期的に追っていくと面白い銘柄ではないでしょうか。

ソフトバンクグループも大手キャリアとして有名でしたが、子会社を切り離して一体なんの会社かわからなくなってしまった面白い銘柄です。

いわば投機事業がメインとなっているようですが、その話題によって賛否両論があります。

経営者と投資家のどちらが正しかったのか長期的に追っていきたい銘柄でしょう。

まとめ

いかがでしたか?今回は大型株について解説し、小型株との違いや特徴についてお話しました。

大型株の一覧表は誰でも簡単に作れますので、ぜひ一度顔ぶれを眺めてみてください。

また、リスト化して値動きを追っていくと「この銘柄はいつもこんな流れを繰り返しているな」という銘柄も出てきますよ。

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がありますのでご参考ください。それではまた!