どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資をやる上で日々の値動きを必ず追わなくてはならないものがありますが、なんのことだかわかりますか?
それは
- 日経平均株価
- TOPIX
- JPX400
- マザーズ指数
といった地合いを表す指数です。
これらは各々定義が異なりますが、株式市場全体の状態を教えてくれる重要な指標です。
この記事では上記の指標について解説しています。株式投資の基礎知識としてそれぞれの定義や特徴を知っておきましょう。
日経平均株価
日経平均株価とは
- 日本経済新聞社が東証一部に上場する銘柄から225銘柄を選出
- みなし額面に修正した株価を合計して除数で割る
という手順で算出される指数のことです。
主な特徴としては
- 幅広い業種の代表企業が構成銘柄として組み込まれている
- 国内株式市場の状態を表す最も代表的なもの
- 時価総額ではなく株価の大きさに影響を受けやすい
- 別名「日経225」
- 日経平均株価の構成銘柄は業績が良く、安定した企業
- 円安円高の影響を受けやすい
ということが挙げられます。
みなし額面とは
株式会社を設立して株式を発行したときの1株あたりの値段を「額面」と呼びます。
額面の価格は銘柄ごとにばらばらで、しかも現在は額面制度そのものが廃止されています。
そこで、日経平均株価を算出するために
- 額面があったと「みなす」
- 額面は全ての銘柄が50円だと「みなす」
という意味合いで「みなし額面」という概念ができました。みなすための計算式は
- 株価 × (50円 ÷ みなし額面) = 換算額
とされています。簡単に言えば、本来の額面の50円分を株価にかけてあげているんですね。
この計算式からわかることは日経平均株価の計算に用いられる総和は時価総額ではなく株価の影響が大きいということです。
株価が大きい値がさ株ほど換算額が大きくなるので、値動きが日経平均に与える影響は大きいのがポイント。
一般に株式投資の資産価値は時価総額、言い換えると1株あたりの資産価値が重要視されますよね。
しかし日経平均株価はそういった企業価値ではなく株価の大きさ(桁数)で大きく左右されるので一概に国内大企業の状態を表しているとは言えません。
日経平均株価は、国内株式市場の地合いを表すメイン観察対象であることに変わりありませんが、特性を理解した上で付き合っていきましょう。
除数とは
みなし額面により換算された銘柄達は合算され「除数」で割られることとなります。
このときの除数とは銘柄入れ替え時の影響などを除外するための係数のことです。
日経平均構成銘柄の組み換えは毎年10月に定期的に行われますが、その際に株価が大きく違う銘柄が組み込まれることも少なくありません。
そこで入れ替わった銘柄の株価が、古い銘柄の株価に対してどのくらいの変化があったのかを除数で調整しているというわけですね。
このように、日経平均は見なし額面と除数により調整されながら、幅広い銘柄の値動き(特に値がさ株の値動き)に影響を受けていると考えられます。
TOPIX
TOPIXとはTokyo Stock Price Indexの略で、
- 全ての東証一部上場銘柄を対象としている
- 時価総額に着目して算出(加重平均)
- 値がさ株ではなく時価総額上位銘柄の影響が大きい
- 1968年1月4日の時価総額を100ポイントとして指数化
- TOPIXの中でも銘柄区分を7つに分類
- 時価総額で算出しているので実質的な国内株式市場の価値を表す
という特徴があります。
日経平均とTOPIXの違い
初心者さんがつまづくポイントとして日経平均とTOPIXの違いがわからないというものがあります。
日経平均とTOPIXの違いは
というもの。特に株価なのか時価総額なのかという点は重要でしょう。
時価総額は株式投資における本質的な価値を表しています。
そのためTOPIXでは本来の市場価値を表していると考えられ、日経平均とはまた違った角度から市場の状態を測ることができます。
どちらも重要な意味合いがあり、日々監視すべきものです。
監視の際には
- 両者の値動きが同じ方向性にあるか
- 値がさ株のみ調子が良い見かけの地合いの良さになっていないか
- 時価総額上位銘柄以外の状況はどうか
といったことに着目しながら全体を見渡す姿勢が大切ですね。
ちなみに時価総額は「加重平均」で求められています。
加重平均とは基準日時点での時価総額に対してどのくらい変化したかを表す方式のこと。
TOPIXやマザーズ指数は時価総額加重平均型で算出されているので「ポイント」という単位になっています。
JPX400
JPX400とは2014年1月から新しく公表が始まった指数で、
- 日本取引所グループ(JPX)と日本経済新聞社が東証上場銘柄から400銘柄を選出
- 選出基準に効率的な資本活用やグローバル視点などを設けている
- 直近3年に赤字や債務超過がなく、安定した業績を持つ優良銘柄群
- 外国人投資家からの資金流入が見込める
- 時価総額に着目して算出
- 時価総額上位銘柄の影響が大きい
という特徴があります。
JPX400と外国人投資家
JPX400は選定基準に
- 時価総額
- 直近3年の平均ROE(株主資本利益率)
- 直近3年の赤字や債務超過がない
というものがあるため外国人投資家の好む銘柄群となっています。
また、
- 日経平均よりかなり多い銘柄数を選定
- 日経平均の「値がさ株の影響を受けやすい」というデメリットを克服
という側面からも非常に好感できる指数となっています。
外国人投資家や年金基金から資金流入を得ることは株価が上昇するために大事なポイント。
JPX400ができたことで日経平均の中でもさらに良い銘柄も絞り込みやすくなったと考えられますね。
ただし、JPX400の選定基準における業績面は直近3年という短い期間のお話です。
より将来的に安定した銘柄を選定する場合には直近5年以上の業績を考慮したり、将来的な予想を考えていくことも重要でしょう。
マザーズ指数
マザーズ指数とはマザーズ市場全体の値動きを表すもので、
- マザーズ市場に上場している全ての銘柄を対象とする
- 時価総額に着目して算出(加重平均)
- 値がさ株ではなく時価総額上位銘柄の影響が大きい
- 個人投資家の売買動向の間接的指標となりやすい
- 内需株が多く円安円高の影響を受けづらい
- 日経平均と資金流入が逆行しやすい
という特徴があります。ちなみにマザーズ市場と同様にジャスダック市場にもジャスダック指数というものが存在しています。
マザーズ指数と個人投資家
マザーズ市場に上場している銘柄の特徴として時価総額の小ささがあります。
- 発行済み株式数や浮動株の少なさ
- 板の薄さ
- 主に個人投資家が売買主体となっている
といった特徴を持つマザーズ市場の状態を時価総額ベースで表しているマザーズ指数もまた個人投資家の売買動向を表していると考えられます。
個人投資家の売買状況を表す指標として「信用評価損益率」がありますが、あれもマザーズ指数の調子が悪い(下落基調)のときに悪化する傾向があります。
マザーズ市場は7割方個人投資家主体の売買高と言われているので、マザーズ指数の状態が個人投資家の苦しさや楽観度を教えてくれるとも考えられますね。
株式投資における指数の意味
株式投資ではここまで解説してきた指数の値動きを追っていくことで市場の状態を測ることが可能です。
それぞれの指数はそれぞれ違った定義や特徴によって様々なものを表して、いわば市場を指数で分割して観察しているとも言えます。
そのためどれが良いとか悪いとかの話ではなく、どれも監視していくことで全体の状況がわかってくると考える事が重要です。
例えば
- 日経平均は調子が良いのにTOPIXが振るわないので、日経平均寄与率が高い銘柄には資金が向かっているが全体に資金が行き届いているわけではない
- 日経平均やTOPIXは調子が良いがマザーズ指数は振るわないので、個人投資家は苦しいときだな
- 日経平均の調子は悪いがマザーズ指数は上昇基調なので、円高が関係しているのかもしれない。他の大型内需株も見てみよう。
といった具合に国内市場を指数で分けて考えていくことでどこにアプローチすれば良いのかが見えてきます。
いま資金がきている指数に連動した市場の中で、さらに強い銘柄や業種はどこかな?と考えていくと指数から個別銘柄に自然とピントが合ってきます。
どれかひとつだけ見るのではなく、広い視野を持って全体を見渡す意識が重要ですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は株式投資における重要な指数の定義や特徴を解説しました。
指数の意味合いを知ることでどこに資金がきているのか、どんな銘柄を買えばいいのかわかることも多いです。
指数を観察しつつ、個別銘柄にピントを合わせられるようになるとなお良いですね。
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それではまた!