株は上がる前に下がる!この過程にはとてもシンプルな理由があった!

    

株は上がる前に下がるという考えを持ったことがありますか?ヒトや動物がジャンプする前に膝を曲げてかがむように、株価もまた跳ねる前には一度下がる必要があるのではないでしょうか。株の売買をやり始めの方はいまいちピンとこないかもしれませんが、ここにはちゃんとした理屈があってそれは未来永劫変わらないものだとも思います。この記事ではそういった

  1. 株価が上がる前に下がる理由
  2. 下がる際の呼ばれ方やそれぞれの意義

について私見を述べました。おそらく読者さんの売買経験にも合致するお話があるはずなのでぜひご参考下さい。万が一そんな経験はないという方がいらっしゃれば、その際は今後意識していただければと思います。

    

株は上がる前に下がる説

まず述べておきたいのは株価には「波動(はどう)」と呼ばれる性質があるということです。例えば・・・

こんな感じでどんなに順調に上がっている株であっても必ずくねくねとした値動きになっています。これはまず間違いなくある株価の特性で、これを見ただけでも「株価は上がる前に下がる」とか「株価は上げ下げを繰り返しながら進んでいく」ということが言えるでしょう。

波動論として非常に有名なのはエリオット波動という考え方で・・・

このような図は波動の基本形としてとても有名なものです。簡単に言えば上昇する際の株価は

  1. 上昇3波と下降2波で形成される
  2. それぞれの波もまた上昇5波と下降3波で構成されている

というものですね。このテクニカル分析というか自然界の物理法則に精通している方は

  1. 上げ下げにかかるおおよその時間
  2. 上げ下げの値幅目安
  3. 波動の終焉と開始

がわかってしまうというのだから驚きです。まぁエリオット波動は一朝一夕で身につくものではないでしょうが、株価は上がる前に下がるということを知るためには最適な教材になると思います。ちなみに私は勉強しましたがまったく精通できませんでした^^

少し話が脱線しましたがエリオット波動で述べられているような株価の上げ下げは確かにあって、これがなくては上昇も短命に終わるとは考えています。

下がる時期の名称と意義

前述のジグザグで見たように、株価が上昇していく過程でも下がる時期というのはあります。そしてこの時期の名称もいくつかあって、それぞれにちゃんと意義があるんですよね。

例えば「押し目」なんて呼ばれているものはその代表的なものでしょう。押し目とはいわゆる上昇過程の細かな下げを指すことが多く、個人的にはこの下げ期間では

  1. うまく上昇に乗れた投資家の利食い売りとそれを買う動き
  2. 割高感を狙った空売りとその撤退

などが行われているのではないかと考えています。上昇過程では適度に売りが挟まれた方が過熱感を収えることに加え健全な信用取組みになりやすくなるでしょう。

次に「ふるい落とし」と呼ばれる下げ期間について。これは一瞬だけドカッと下げて戻す細かなケースもあればある程度の期間をかけて特徴的なチャート形状を描くケースもあります。例えば・・・

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こんな感じでダブルボトムと呼ばれる谷底を2回描いた後に上がるものは有名です。この期間では

  1. 新規で入ったものの株価が動かないので売る
  2. 利益が乗っているがもう上がらないと思った人が売る

という側面があって、

  1. 上昇初期段階
  2. ある程度上昇してきた中腹部分

などのタイミングでそこそこの下げ幅を持って行われることが多いイメージがあります。売りがある程度出た段階で上がり始めることも多く、売りたい人に時間をかけて売らせた直後だからこそ強い上昇を見せてくれるわけです。

こういった株価内部の需給調整という意味の値動きはまだあります。株価が上がる前に下がるパターンとは少し違うかもしれませんがヨコヨコとした値動きも同じような意味合いがあるでしょう。例えば・・・

こんな感じで移動平均線の上まできたあとに値を保つパターンも内部的に需給調整をしているのだと思います。図では中期線の上でも長期線の上でもヨコヨコ推移をしていますよね。この間に需給調整がうまくいけば再び本来あるべき方向に値が進んでいくのかなとそういう解釈です。

株価はなぜ上がる前に下がるのか

ここまでのお話で需給調整という言葉が何度も出てきましたが、これは一体どういうことなのでしょうか。簡単に言えば「売りたい人よりも買いたい人の方が多くいる状況を保つ」ということではないかなと思います。

シンプルに考えてみてほしいのですが、株価がより高く上がっていくためには「現在価格より高くてもいいから買いたい」という考えを持った人がたくさんいてもらう必要がありますよね。仮に現在株価が1000円とするならば

  1. 1010円でも買いますよ(指値1010円)
  2. いやいや1050円でも買いますよ(指値1050円)
  3. 1050円が定着したので1070円じゃなきゃ買えないかな(指値1070円)

といった感じでその株が高くても欲しいという人がいる限り株価は現在価格よりも上に指値されていくわけです。

この状況を作るためには定期的に株価を下げて「もう売っちゃおうかな」とすぐ考えてしまう人をあぶり出さなくてはならないのでしょう。そういった人達が売ってくれれば上値は軽くなりより高く昇っていき、最終的に振り返ると冒頭でお見せしたようなきれいなジグザグが出来上がっているという流れです。

そう考えると私たち振り回される個人投資家側からすると上がると考えている株は売ってはいけないのでしょうね。上がっている株も下がっている株もなんでもかんでもすぐ売ってしまうと売らされる状況が増えて大きな利益も取り逃してしまいそうです。

でも世間では利益が乗っている銘柄はともかく

  1. 含み損になったらすぐ売らないといけない
  2. 間違ったと感じたらすぐ損切り
  3. 正しいのはいつでも市場の値動き

なんて言われますから、どこまで自分の判断を信じて含み損を持っていても良いのか難しいですよね。

ちなみに株価は上がれば上がるほど利食いしたい(売りたい)という人が増えやすいとも思うので、

  1. 銘柄ごとの業績や思惑に応じて目指せる時価総額の限界はある
  2. 高値になるほどしっかりと売りが出ないと需給も整いづらい

かもしれません。これも難しいですが、自分が売り時を考える際にはこういったことを客観的に考える必要はありますね。

まとめ

今回は「株価は上がる前に下がる」という内容について私見を述べました。ただ上がっている株を適当に眺めただけでも必ず下げる期間があって、その期間には需給調整という意味合いが込められています。

買いたい人が多い状況が続く限り株価は上がるので、なるべくその期間を長くするために適度な下げ期間は必要なのでしょうね。自分がその調整期間で売らされないよう気をつけたいところです。いかんせんその判断は難しいとも思いますが、銘柄の置かれている状況と時価総額を加味して判断していきたいですね。

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