株価と業績は必ず相関しないことを利用した中期スイングの考え方

    

株式投資の世界で注目される銘柄とは一体どんなものでしょうか。

業績が何年も上昇し続けている会社?それとも赤字から黒字に転換するような会社?それとも結局はバイオ株やゲーム株のような一過性に大きな値幅が出る会社?

結論的にはどれも正解だと思います。

なぜならば結局の所、株の世界で注目される銘柄は「みんなに注目される銘柄」というのが答えだからです。

要は人気がある株、これこそが注目され株価が上がりやすいんですよね。

いやいや注目されるから人気があるんでしょって思いますか?そりゃそうなんですけど、株の世界では

  1. 必ずしも業績と株価が相関しない
  2. 必ずしも理由があって人気が出るわけではない

というのがミソかなと感じます。

この記事ではそういった内容を含め、業績と株価が相関しないことを利用した中期スイングの考え方について述べてみました。

    

株の世界で「注目」とはどんな意味か

そもそも株の世界で「この銘柄は注目されているね」とはどんな意味でしょうか。

これはSNSでたくさんつぶやかれているとかそういったことではなく、出来高がたくさんついているという意味ではないでしょうか。

出来高は売る人と買う人の注文がぶつかればその数だけカウントされます。

つまり出来高がたくさんついたということは「その銘柄を売買した人がたくさんいた」とか「たくさん売買をした存在が確認された」ということであり、言い換えれば誰かしらが目をつけていることを示唆するわけです。

ではこの出来高がたくさんついている銘柄はどんな属性を持つのか?

これは一概に「業績が良いから」いうわけではありません。

  1. みんなが食いつくような材料が出た
  2. 季節性が関係していた
  3. 指数の構成銘柄の入れ替え時期であった

など色々な理由が考えられ、時にはよくわからないのに出来高がたくさんついたなんて場合もあります。

巷では原因不明で出来高が急増した場合には「怪しい」なんて考えられていて、むしろ魅力が増す面もあるでしょう。

業績が良くてもむしろ下げている銘柄は幾度となく見てきましたし、月足レベルでは上昇を続けていても日足レベルでは何ヶ月も下落している銘柄もあるのでその人の時間軸や買うタイミングによっては大きな含み損となることも十分に考えられます。

このように株の「注目度」とは必ずしも理由があるわけでも、業績にきちんと相関しているわけでもありません。

業績と株価は相関しない

株価と業績は必ずしも相関しません。したがって好業績だからといって延々と日足が右肩上がりになるわけではないです。

これは前述のように買うタイミングによっては報われないことも意味しますが、逆に言えば業績が良い株でも下げてくれることがあるということでもあります。

好業績株が価格を下げる理由は色々あるでしょうが、中でも一番狙いたいのは「理由もなく下げた時」です。

例えば「なんだか割高な気がする」とか「地合いが悪かったから」とか「他に注目される株が出てきたから」とかですね。

その会社の業績は変わらず良くて、何も状況は変わっていないはずなのになぜか下げるわけです。

個人的にはこういった下げ方をした場合には絶対に狙うようにしています。

といってもそれは数週間とかのスパンではなく、もっと長い中期的な感覚ですね。

何ヶ月でもヘビのように監視を続け、

  1. 業績が問題なく成長を続けているか
  2. 株価が下降トレンドに転換したか
  3. その下降トレンドから転換するような出来高がつき始めたか

をチェックして株価が安くなったところで買うわけです。

ちなみに出来高がついても必ずトレンド転換するかはわからないので、自分が買ったところより想定外に下げたら一度切ってまた同じような状況で買い直します。

下げずに横ばいもしくは急上昇を始めたらホールドして、さらに中期的に監視です。

一概には言えないでしょうが、個人的には業績が変わらず伸びていればどこかの決算で注目されるか、もしくは何かしらの材料で出来高がつくかってイメージがあります。

こういった中期スイングの考え方は「業績が継続的に向上=株価が継続的に右肩上がり」ではないからこそできる考え方ですよね。

ただし、理由もなく株価が下げたと思っていたのに業績停滞を先見的に表していたというケースは要注意です。

だからこそ中期的な監視期間にも決算をチェックして、好決算が出ているかと株価が反対方向に向かっているかを確かめます。

決算レポートにはアナリスト達が「今後は厳しい」とか好き勝手書いているかと思いますが、とりあえずそれは無視して大丈夫です。

業績と株価が相関しなかった例

では実際に株価と業績が相関しなかった例を見てみましょう。

今回ご紹介するのはバリューコマースです。

バリューコマースは業績が何年も増益傾向で、しかも収益性も財務面もしっかりしている優良企業ですよね。

バックにはZホールディングスという強力な存在もいますし、会社としてかなりしっかりしている部類ではないでしょうか。

しかし、株価の動きを見てみると・・・

このように半年間も下げ続ける時期が過去3回ほどにあるんですよね。

その度に底打っては大きく反発して高値更新を繰り返しているので中期スイングに持ってこいの銘柄だと認識しています。

半年間も監視を続けなければいけないので根気はいりますが、V字回復することが多いのでそれだけの価値はあるでしょう。

ちなみにバリューコマースの週足や月足は・・・

バリューコマースの月足

このようになっていて、半年以上の下げがあっても大局は上昇トレンドなので気持ち的にも狙いやすいですね。

バリューコマースは長期的なトレンドが崩れない例ですが、IPO株の場合は業績が良くても上場直後から下げ続けるケースもあります。

ブリッジインターナショナルの週足

こちらのブリッジインターナショナルという会社は1年ほど下げ続けたあとに底打って、その後は急激な勢いで高値更新となりました。

IPO前から増益が続く会社だろうとこういった株価推移はあり得るので、業績が良いのに下がっている会社には注目して中期スイングすべきですね。

超絶材料で注目された株でも同じ事ができるか

ところで株の世界では好業績でなくとも注目されて株価が上がることがあります。

例えばバイオ株のような赤字企業でも「世界初の薬が完成するかも!?」なんて材料が出れば株価はぐんぐん上がるわけです。

ただ、そういった超絶材料を持っているバイオ株でも平気で株価が半分とかになるのが怖いところですよね。

こういった場合、前述の好業績株と同じように拾って良いのでしょうか?

個人的な答えとしては「No」です。

なぜなら材料の思惑で株価を上げたことと好業績を背景に上げたことは本質的に違うかなーと感じるから。

思惑で株価を上げた場合には投機的な側面が強いので、強い時期に乗って勢いがなくなったらさっさと次に移る方が効率も良いし成功率も高いと思います。

ゲーム株を見てると旬な時期がこないと株価の桁が違ったりしますよね。逆に言えば旬がくれば短期的に株価が倍増するので、それが強みなのかなと。弱い株を弱い時期に無理して持つ必要はないでしょう。

まとめ

今回は株価と業績が必ずしも相関しないことを利用して中期スイングをする考え方について述べました。

株価は色々な要因で動き、時に優良株でも長い期間をかけて大きく下げることがあります。

業績が変わらずしっかりしているのに下げている時は監視を行い、出来高急増局面を見逃さないようにしましょう。

トレンド転換すれば大きな利益が中期的に狙えますし、業績という後ろ盾もあります。

ただし業績に先行して株価が下げているケースには注意し、しっかりと株価だけでなく通期予想の進捗率なども確認したいところです。