株価の動きはとても複雑で、予想しようと思っても中々できないものです。時にはストップ高からストップ安になるなど・・・本当にわからないよなぁと感じます。
長期的には業績や企業そのものの価値に収束していくのでしょうが、投機的に株の売買をしているという方は日々悪戦苦闘しているはずです。
個人的には株価がこんなにもわけのわからない動きをする要因として「複数の思惑が絡み合っているから」という点を考えていて、この記事ではそういった内容を述べてみました。
よくよく考えれば当たり前ではあるのですが、初心者さんはぜひご参考いただければと思います。
株価の動きは誰にもわからない
まず株価の動きが全くわからないと感じる例を挙げますが、代表的なのは決算後の値動きでしょう。
好決算だったのに翌営業日に急落したなんてパターンはあるあるで、前日にあれだけ喜んだのにがっかりなんて経験をしたことがある方も多いはず。
この原因としては市場からの過剰な期待感があると考えられ、簡単に言えばそれに応えられなかったらいくら好決算でも下げてしまうというわけです。
とはいえ、市場の期待に応えられた数字だったのかは翌営業日がこなければわからないわけで、値動きを見たあとに「これだけ良い数字でもダメなのか-・・・」となることもあります。
また、逆に悪決算だった場合にも「思ったより悪くないじゃん」という理由で爆騰するなんてケースもあって、決算後の値動きは本当にわからないものですよね。
こういった決算後の値動きが荒れるのは時価総額が低い銘柄に多いとは思いますが、いずれにせよ中々予想できるものではありません。
株価には複数の思惑が絡み合っている
決算後の値動きがわからないのは「市場がどう捉えるかわからない」という点もありますが、大事なことはそれぞれの銘柄が持っている思惑は決算予想だけではないということでしょう。
例えば
- 赤字企業であっても業界が注目するような商品開発をしていれば将来的な業績が期待される
- 普段はそんなに目立つ企業ではないが手厚い株主優待と配当還元を行っているので権利確定前は活発化する
など業績以外の思惑があってもおかしくはないです。特に前者はバイオ株やゲーム株が代表的ですね。
治験結果やゲームソフトの売上推移にセールスランキングなどそちらの思惑が強ければ決算に関係なく株価が上がるというケースもあり得るので、大事なことは視野を広く持って事前に考えられる思惑を調べておくということでしょう。
まぁセルランが良いだろうという思惑で動いてもいざセルランが出れば下げるんですけどね!ぐわっはっは!
思惑は良いもの悪いものどちらもある
色々な銘柄が色々な思惑を持っていますが、全てが良いというわけでも悪いというわけでもありません。
例えば2020年11月時点における空運セクターにはどのような思惑があるか考えてみましょう。
上記はANAホールディングスの日足チャートですが、コロナショック後の長い下落期間に加えて最近では大きく上下にブレる値動きを見せています。
この背景に潜む悪い思惑としては、
- 年始から続く新型コロナウィルスの感染拡大で業績がガタ落ちで、これからも続くだろう
- 第3波の懸念によって飛行機に乗る人は少ないだろう
- 社債発行や新卒採用の縮小などの材料から資金繰りの苦しさが感じられる
といったことが主なものです。続いて良い思惑ですが、
- 海外でワクチン関連のニュースが出始めているので、コロナデメリット銘柄に資金が戻る可能性
- 経済が正常化して業績が戻るのであればバリュー株と考えられる
といった感じですかね。
例えばこのように良い思惑と悪い思惑を両方並べてみて、さてどちらの勢力が強そうかというのが最終的な判断になります。思惑が強い方向へ株価が引っ張られるとするならば、自分も同じ方向へポジションすれば良いわけですからね。
この空運セクターの例ではやはりコロナの思惑が強すぎるので、とりあえず弱含みと考えつつ
- 感染者数の推移
- 国や自治体の動き
を見ていく流れが個人的な判断です。
思惑は少なくシンプルな方が良い
ここまでの内容では
- 株価の動きは中々わからない
- その背景には複数の思惑が絡み合っている
- 思惑は良いもの悪いものが混在している
ということを述べました。
ただ、この記事で伝えたいことは株価の動きをなるべくわかりやすいものとして捉えるためには
- 思惑はなるべく少なくて強いものが良い
- 自分が取りたいポジション方向だけに思惑がある方が良い
ということです。私は思惑がたくさんあるから値動きが複雑になって、良いもの悪いものあるからぐちゃぐちゃしちゃうのではないかと思っています。
そのため、理想的には強いポジティブ材料がひとつだけあれば良くて、懸念材料となるものが見当たらなければあとはチャート上の過熱感だけの問題なのかなと。
現実的には良い思惑だけあるような銘柄を少しの過熱感もなく買うのは難しいのかもしれませんが、それでも色々な思惑が複雑に絡み合っている銘柄を選択肢にするよりかはマシでしょう。
自分の固定リスト内の銘柄は思惑がきれいさっぱりしているものを集め、市場全体が落ち込んでいる時期に買っていくという作戦が個人的にはおすすめです。
個別要因で下げていないということがミソで、良い思惑しか見当たらないような銘柄はあとで株価を戻しやすいと思います。
まとめ
今回は株価の動きがわからない理由として複数の思惑が絡み合っているというものを挙げました。
色々と能書きを垂れてみたものの、結論として株価の動きなどわからないですよね。それでもより自分にとって良い値動きをしてくれそうなものを選んでいくためには、なるべく複雑に思惑が絡み合っていないきれいな銘柄をリスト内に集めた方が良いと思います。
良いものと悪いものが混在しているとそれだけ株価もぶれやすいので、素直な動きをしてくれそうな銘柄はしっかり監視していきましょう。
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