株式市場には毎日多くの急騰銘柄が生まれています。中にはストップ高のような派手さはないものの何日にもわたって続騰する銘柄もありますよね。
ストップ高になるとかなり注目度が高まりますが、適度に陽線をつけながら継続的に上がっていく銘柄も最終的に儲かりやすかったなんて経験もありました。
こういった短期間で急騰する株は投資家にとってかなり魅力的ではありますが、タイミングが悪いと逆にしっぺ返しの下げをくらってしまいます。
上がっている株だから乗ったのに自分が買ったら調整下げをしたなんてパターンですね。
株は注目度が高まればある程度売られてしまうので、これは仕方ないのですが非常にやるせない。
原因ははっきりしていて、「乗るのが遅かった」というものです。
それならば「まだ注目されていない期間に乗ればいいじゃないか」ということで考えたいのが「急騰銘柄の関連株を探す」という作戦でしょう。
急騰銘柄に連れ高する関連株を探す
「急騰銘柄の関連銘柄ってなんですか?」という方のために簡単に解説しておくと、要するにその銘柄と関連深い銘柄を探すという意味です。
例えばトヨタ自動車の決算発表がすこぶる良くて、ある時期から急騰が続いているとしましょう。
この状況の主役はもちろん天下のトヨタ自動車ですが、よくよく考えてみるとトヨタ製の自動車は色々な会社の手助けがあって完成されていますよね。
自動車を完成させるのに使われている部品は数万個とも言われていて、その細かな部品やシステムを供給する会社を「サプライヤー」と呼びます。
サプライヤーの例としてはタイヤやホイールのようなものだけでなく
- 照明
- エンジン
- ブレーキ
- ばね
- シャーシ
- ボディ
- シート類
など見た目でわかるものから内部的な部品まで様々です。
トヨタ自動車の業績がすこぶる良いということは販売台数が伸びているということであり、販売台数が伸びているということはこれらの部品もそれだけたくさん必要ですよね。
したがってこれらの部品を供給している会社の売上高も上がっている可能性が高く、それらの会社はトヨタ自動車の関連銘柄として株価が上がりやすいというわけです。
具体的には
- 小糸製作所:自動車用照明で首位かつトヨタ系5割を誇る
- デンソー:トヨタ系部品最大手でエンジンや駆動系、熱機器などを提供
- 曙ブレーキ:トヨタ自動車が大株主のブレーキ会社
- サンコール:トヨタやホンダ向けにばねやリングを製造
- アイシン精機:トヨタ向け部品の大手でATやシャーシ・ボディなどを提供
- 共和レザー:トヨタ系の合成樹脂製品や内装用レザー大手
といった銘柄が注目されるのかなと思います。
今回はトヨタ自動車を例に挙げましたが、同じようなことを日々の急騰銘柄でも考えていくということが大事です。
家具メーカーでもハウスメーカーでも同じように
- 業績が良い会社に部品を供給している会社はどこだろう
- この会社は自社で全て製造している会社なのかな
と考えていけば関連銘柄に出会える可能性は高まります。
関連度合いは銘柄によって違う
関連銘柄を探すにあたって考えたいことは「急騰銘柄とどの程度関連しているのか」ということです。
再びトヨタ自動車を例に説明すると、自動車用部品はトヨタ自動車を頂点としたピラミッド構造だと言われています。
サプライヤーの中にも一次部品会社と二次部品会社に分かれていて、供給量が多く関係が薄れては困る会社ほど一次部品メーカーとして資本提携などで関係性を深めているイメージです。
自動車そのものの作りを考えても部品それぞれの割合は千差万別でしょうし、こういったことがトヨタ自動車との関連性に影響してくると思います。
この差は業績への影響度合い、ひいては株価への影響度合いも変わってくるはずなので関連銘柄を探す際には重要な観点でしょう。
時価総額も値動きに影響する
ただし、いくら資本業務提携を行っていて関連性が深いとしても時価総額が大きすぎては値動きも小さくなります。
例えば、いくらトヨタ自動車の調子が良いからといってデンソーの株価がストップ高にはならないわけです。
デンソーの時価総額は数兆円規模ですから、5%や10%の値上がりはあってもなかなかストップ高にはなりません。
また、会社が大きいということはそれだけトヨタ自動車以外の会社ともつながりがありそうですし、それ以外の事業を行っている可能性もありますよね。
関連銘柄として大きな値上がりを狙うのであれば時価総額の小さな株が好ましく、うまく先回りできた時の恩恵も大きくなります。
関連銘柄として考えやすい例
急騰して話題になっている銘柄の関連株として考えやすい例はどんなものでしょうか。
一般的なものを挙げるならば
- 同業他社
- 同じテーマ
- 資本業務提携(大株主)
などですね。
例えば全国的に台風が猛威を振るった年に考えやすいのはホームセンターの売上高上昇です。
台風によって自宅や敷地内のどこかが壊れたり、もしくはそれを防ぐための商品が売れたりするのは想像しやすい状況ですよね。
あるホームセンター関連株が思惑として先行株高になれば、他の同業他社も買われるかもしれないので監視しておいた方が良いと思います。
また、社会的にテレワークやリモート関連株への注目が高まったという場合も同様ですね。
同じ事業内容は難しくても、テレワークをするにあたって必要な
- システムそのもの
- ネット環境整備
- ノウハウや技術派遣
など多岐に渡って注目テーマ内で物色される可能性はあります。
その他には上記の解説にも出てきたように資本業務提携をして関係が深い会社になっていたり、大株主に名前が挙がっている会社も注目されやすいですね。
そうでなくても公式ホームページ内の主要取引先欄で紹介されていたり、過去に業務提携の材料が出ていれば物色対象となり得ます。
あとは四季報欄で紹介されていることもあるので、日頃からコメントを読んでなんとなくでも記憶しておくと良いですね。
四季報オンラインで有料会員になっていれば直接検索もできるので、余裕があればそういった機能を使って効率的に探すのも良いでしょう。
まとめ
今回は急騰銘柄を見たら関連株を考えようという内容をお伝えしました。
急騰銘柄はすでに上がっているから急騰銘柄なのであって、高値圏で乗るのは少々勇気がいります。
その点、関連銘柄に先回りする考え方はワンテンポ先に買える可能性があるので多少はリスクが下がるでしょう。
見立て通りに株価が反応しない可能性もありますが、先回りできたときの恩恵も大きいので機会があれば実践してみてくださいね。
コツは記事中で述べたように会社の事業内容や商品の作りから探っていくことで、それぞれの業界でどんな特徴がありそうか考えてみましょう。
大株主などの情報も役立つのでこれを機会に注目してみてはいかがでしょうか。
<関連記事>