日経平均連動型ETFを毎年100万ずつ買い続けたシミュレーション結果

    

個別株投資は自分自身の判断によって売買を行う代わりに「市場平均を超えるパフォーマンス」を得られる可能性があります。

このメリットを狙って指数そっちのけで個別株を売買する方は多いですが、逆に指数パフォーマンスどころか大きな損失を出している個人投資家も本当に多いです。

その多くの場合は小型新興株の値動きに耐えられずに損切りさせられたというケースだと考えられ、毎年お金を減らして自己嫌悪という方もいらっしゃるでしょう。そういった方々に考えてみてもらいたいのは指数パフォーマンスでは本当に満足できないのかということです。

この記事では指数パフォーマンスに沿った投資を検証するため、毎年100万円を日経平均株価に投資したらどうなるのかをシミュレーションしてみました。

メリットやデメリットを含めて色々と考察してみましたので、個別株に資産をズタボロにされたという方はぜひご参考下さい。

日経平均株価連動ETFに毎年100万投資してみたらどうなるのか

今回の検証では日経平均株価に連動するETF1銘柄のみを売買対象として毎年100万円を積立て続けたらどうなるかをシミュレーションしています。具体的には銘柄コード1321のNF日経225というETFを対象に、

  1. 毎年の始値で100万円分一括購入
  2. データは2016年から2020年までの5年間を使用

とした場合の各年における

  1. 平均取得単価
  2. 年率リターン
  3. 平均リターン
  4. 資産総額と積立金額の差額(実質リターン金額)

などを表にまとめました。ちなみにNF日経225というETFの月足チャートは・・・

日経225ETFの月足チャート

このような推移になっています。当然ながら下げる期間もあればぐいぐい上がる期間もあることがわかりますが、今回の検証では単純に始値と終値でリターンを取ってきているので年内推移はあまり関係ないですね。

また、その年の始値で投資するといっても100万円が株価で割り切れないことがほとんどなので、そういった場合は四捨五入切り上げで追加購入する株数を決めています。合計の積立総額は表中に記載しているのでそちらをご参照下さい。

ちなみにETFには配当金や信託報酬というものがありますが、ややこしくなるので今回の検証では無視しました。おそらくそちらの数字より単純なキャピタルゲインのリターンが最終パフォーマンスに大きく影響するので、大まかな検証結果としては問題ないと思います。

では前置きが終わったところで気になる結果表を見てみましょう。

毎年100万円日経225に積立投資

まず単純な株価推移からですが、2016年の始値19300円から2020年の終値28340円にかけて約46.8%も上昇していることがわかりますね。これだけでも直近5年間においては日経平均株価に投資するだけでそれなりのリターンが得られたことが容易に想像できます。

この検証では5年間で502万3230円を積立て、最終的にはそれが671万6580円になりました。5年間の平均リターンとしては年率9.19%ですが、保有総額を度重ねる入金によってかさ増しすると最終的な差額は169万3350円まで膨れる結果になったわけですね。

今回の検証でこういったリターン結果となったのは、毎年50株前後を追加購入して複利的にリターンを積み増しできたことがポイントではないでしょうか。

また、日経平均株価はアベノミクスからかなりの上昇率を見せてきましたので、検証期間を直近10年や15年にするとより大きなリターンが得られているはずです。したがって、この10年や15年の間に投資を始め日経平均株価にだけ資金投入をしていたという方は大きな資産を築くことができたと言えるでしょう。

毎年100万円を一括購入するメリット

今回の検証で用いた手法は毎年の始値で一括購入をしていますが、このメリットは「やることが明確かつ年内は何もする必要がない」ということです。通常の売買であれば欲しい銘柄を最適な買いタイミングで購入するために色々と考える必要がありますが、この方法では大発会に成行注文を入れるだけなので非常にシンプルですよね。

また、その年に株式市場に何が起ころうとも行動する必要はなく、株式市場が長期スパンで持ち上がれば確実に自分の資産もそれ相応に持ち上がります。一度購入したETFは長期保有し続けるだけなので損切りもありませんし、多くの個人投資家が気にする機会損失もありません。

後述するデメリットや注意点を容認できるのであれば長い目で見たときにメリットは大きいはずです。

デメリットや注意点

今回の検証方法のデメリットや注意点としては

  1. ちゃんと同じ金額を同じ時期に投入し続けられるか
  2. 年内の推移を気にせず持っていられるか
  3. 年々保有金額が大きくなるので変動額も拡大する

といったことが挙げられるでしょう。

まず自分にとって毎年100万円を投入し続けるということがどれくらいの難易度なのかはとても大事です。仮にあなたの年収が300万円程度で、家賃・光熱費・通信費・食費などを人並みに払わなければならないならかなりきつい条件かもしれません。

そういった場合は自分にとってどれくらいの大きさであれば定期的に資金を投入できそうか考え、無理なく続けられる範囲で調整した方が良いでしょう。

ただし、無理なく資金投入を続けられたとしても年内の株価推移を気にしてしまうと

  1. 大きな含み損が怖くなり売ってしまう
  2. 大きな含み益に目がくらみ売ってしまう

ということになりかねません。

また、例えば2018年のように大きくリターンが悪化した直後も気にせず追加購入できるかという要素も出てきてしまうので、なるべくなら年内の株価推移は見ない方針がおすすめです。

極端な話、再びどこかのタイミングでリーマンショックのような低迷期がやってくるとも限りません。そういった時期には今回の検証結果とは逆に資産が大きく目減りすることになるので、なるべくメンタルを一定に保つためにも運用していることは忘れた方が良いのです。

ちなみにこの「資産変動を確認しない」という方針を取ることは保有額が大きくなってきた際にも効果を発揮しますし、長期保有することで株式市場とともに少しずつ資産が成長する感覚も味わえるようになります。

投資の要諦を抑えていないとどんな手法でも成功できない

今回NF日経225という日経平均株価に連動したETFに毎年100万円積立投資してみたらどうなるかを検証しました。こんなことを最後の最後で言ってしまい元も子もないのですが、2021年の日経平均株価が30年ぶりにバブル以来の高値を達成していることを考えれば今回の検証結果に利益が出ていて当然でしょう。

私がこの記事で本当に述べたいことはそんな出来レースの検証結果ではなく、今までの経験から個人的に感じている投資の要諦部分になります。それは

  1. どのような手法でも良い時期と悪い時期がある
  2. 色々な面で辛抱強くいられるかどうか
  3. 自分で考えて行えるか

といった要素です。

例えば今回の話だと日経平均株価が上がれば儲かるし下がれば儲かりません。当たり前のことですがこれを忘れて良い部分だけイメージしてしまう方も多い印象があります。この根拠はSNSにおける

  1. 指数が良い時期ほどインデックス投資が注目を浴びるのに
  2. 指数が悪い時期にはほとんど注目を浴びない

といった風潮です。インデックス投資は私も行っていますが、これは10年20年の長期目線なので指数状況が良い今のうちに始めるということではないように思います。

かなり昔からインデックス投資を行っている人が「やっていて良かった!」と言うのはわかりますが、最近始めたような人が始めていない人を馬鹿にするのはおかしいですよね。株式市場には良い時期も悪い時期もあって、市場で売買を続ける以上どちらも経験することになります。

特に大切なのは市場環境が悪い時にどう考えることができるかであって、おそらく指数状況が悪い時にやめてしまう人も多いことでしょう。

辛抱強くいられるかというのは今回の検証手法に限ったことではなく個別株でも同様です。

  1. 買い時まで粘り強く待つことができるか
  2. つらい時期も我慢して継続できるか
  3. 短期売買に適した時期まで資金を温存できるか

など多くの場面で求められる投資家の能力だと思います。

また、投資は自分で考えて行う所に面白さがありますよね。例えば今回のETF積立手法であれば積立月をずらすのはどうでしょうか。検証では1月始値と12月終値を採用しましたが、

  1. 過去の傾向として最も株価が低くなりやすい時期はどの月か
  2. その傾向を掴んだ場合、その月に一括購入したらリターンは上がるか

といったことを調べると良さそうです。その他にも一括購入時のコスト削減のためには

  1. まず1日信用を使い必要株数を購入する
  2. そのあとすぐ現引きする

といった手順を取り入れたら良さそうですよね。これは約定金額によって1日信用の手数料が無料化されることと現引き手数料無料という仕組みを活用してリターンを上げています。例えばこのように「より良い方法はないか自分で考えてみること」は重要な要素でしょう。

投資や投機の方法はその人によって様々ですが、

  1. 悪い時期も想定しながら色々な面で粘り強くなること
  2. より良い結果が得られるように自分で考えること

を忘れずにいたいものですね。

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