入金投資法とは?時間効率を上げて1億円稼ぐシミュレーション

    

入金投資法とは株において最も堅実な戦略のひとつですが、資産が大きくなるまでとにかく時間がかかりますよね。そのため入金投資法を進めるにあたって必要となるのは「時間効率を高めること」ではないでしょうか。そこでこの記事では

  1. 入金投資法とはそもそもどのようなものか
  2. 時間効率を上げるために欠かせない3つのコツ
  3. 1億円到達までのシミュレーション
  4. 具体的にどのような株式を買えば良いのか
  5. 入金投資法の注意点

などをまとめました。

入金投資法はインカムゲイン投資と色濃く関係するお話であり、長期投資家の議論によってある程度正しい方向性が固まっているものだと考えています。ものすごく大きなリターンを生めないまでも、時間をかければ確実に1億円に近づける堅実な方法です。これから時間をかけて資産形成していこうと考えている方はぜひご参考ください。

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入金投資法に欠かせない3つのポイントとは

まず入金投資法について簡単に説明しておきます。入金投資法とは「あらかじめ用意した元手だけでなく継続的に入金を繰り返しながら株を買い続ける」という株の世界ではかなりベーシックな戦略です。入金投資法において最大の武器となるのは複利効果で、

  1. まとまった元手と継続入金できる仕組みを作る
  2. 用意した元手で株を買う
  3. 最初に買った株から配当金をもらう
  4. もらった配当金に新規入金したお金を合わせてまた新しい株を買う
  5. 今までの株と新しい株からもらった配当金に新規入金分を合わせてまた新しい株を買う
  6. これを続けられる限り休まず繰り返し続ける

という手順で続ければ続けるほどお金を生んでくれる株が増え、資産増加スピードもどんどん上がっていきます。

もちろん自分の生活を守れる分だけのお金は別口座に取っておかなければなりませんよ。その状態で「全資金を一定以上の利回りを生み出せる株式に換え続けることでお金がお金を生み出す状況を少しずつ作り上げる」というのが目的ですね。コンセプトとしては

  1. 初期段階は入金を毎月繰り返すことで資産を増やしていく
  2. 中盤以降は利回りによる複利運用で増やす

という流れになっていて、運用額が増えるほど利回りによる影響が大きくなります。ただし最低でも資産増加スピードに勢いがつくまでは継続的にお金を入れ続けないといけないため、入金投資法に適しているのは

  1. 元手がしっかりとあって安定的な収入も持っている
  2. 夫婦共働きでまとまった世帯収入を持っている

といった兼業投資家です。当てはまる人が比較的多くて取り組みやすい非常に王道の投資方法ですが、実際に大きな資産形成ができるまでには個人もしくは世帯年収の高さがとても大事になってくるでしょう。まぁ年収は高ければ高いほど良いのですが、

  1. 住宅ローンや自動車ローンの有無
  2. 固定費の大小

など置かれている状況にもよるので、できる限り抑えられる支出は抑えることなど時間効率を高める工夫も必要です。

ある程度の元手

というわけでここからは時間効率を高めるために重要な3つのポイントを述べていきます。最初に述べておきたいのは「なるべく大きな元手を用意して始める」ということです。要はスタートの位置をなるべく高くすれば達成年数も減るということですね。

例えば入金投資法で1億円を目指すにあたって100万円から始めるのと1000万円から始めるのでは達成年数に大きな差が生じることでしょう。ただし、併せて考えておきたいのは「大きな元手を使って株を買えば変動金額も大きくなる」ということです。

よく退職金をもっと増やそうと60歳を過ぎてから株式投資を始めましたという方がいらっしゃいますが、あれはとても危険な行為だと思います。しっかりと勉強をしてからゆっくりマイペースに始められれば良いのですが、大体の方は一気に自分の元手を使ってしまうわけです。

20歳代や30歳代であれば使いたくてもお金がないので少しずつ失敗を繰り返しながらやり方を覚え、年齢が上がるにつれて

  1. 株の正しい買い方
  2. 買って良い株とダメな株の知識
  3. ある程度のまとまったお金

が揃っていくのが普通ですからね。

入金投資法の時間効率を高めるという意味では大きな元手が必要ですが、買い方の方向性が定まるまでは小さく始めていくことも必要でしょう。

一定以上の利回りを複利で回す

入金投資法において最大の武器は複利だと冒頭で述べましたが、一定以上の利回りで複利効果を発揮しないと時間効率をうまく高められません。一般的に株の配当利回りが高いと言われるラインは3%ですので、基本的にはこれ以上のラインを目指す必要があります。

ちなみに配当利回りは条件指定してスクリーニングをかけることもできますし、気になる銘柄の個別ページを覗けばあっという間に調べることができますよ。配当金目当てで買う場合は必ず一定以上の利回りを達成しているか意識しましょう。

ただし配当金をもらう際は一般的に20.315%という税金が差し引かれた金額が入金されますので、利回り計算もそれを考慮しなければなりません。簡単に言えば配当利回りに0.8をかけてあげれば税引き後の実質利回りが概算できます。

配当金にかかる税金は課税方式を総合課税にすれば所得に応じた税率になるので、年収と配当額によっては節税できる可能性があるでしょう。そこまで所得が高くないという方はこういった節税対策を取ることで時間効率を高められるので、こういったことも知っておくべきですね。

その他にも利回り関連で時間効率を上げるための工夫としては「増配」と「相対利回り」を意識することが挙げられます。増配とは「配当金を増額すること」で、一般的には保有している会社の

  1. 事業利益向上
  2. 配当性向(事業利益のうちどれくらい投資家に配当還元するか)

によって決定されるでしょう。例えば配当性向30%と明言している会社が

  1. 1株あたりの利益:100円
  2. 1株あたりの配当金:20円

という状況だったらあと10%は増配余地があると推測できるわけです。会社としてもそう考えるのが普通ですし、投資家が増配発表を狙って保有してもおかしくありません。この増配という要素で配当株を考えた場合に大事なのは

  1. 増配余地が残されている
  2. 直近実績として増配することが多い
  3. なるべく増配額(増配ペース)が高い

といったことが挙げられます。

一方、相対利回りとは「現在株価と予定配当金から計算した相対的な利回りのこと」です。例えば配当金が100株で1万円もらえる会社があったとして現在株価が

  1. 1万円:相対利回り1%
  2. 5000円:相対利回り2%

というように変化しますよね。したがって保有したいと考えている株はなるべく値下がり時期に買うようにすることで相対利回りを上げることができるわけです。

以上、利回りベースで時間効率を高めるためには

  1. 税引き後の配当利回りが3%以上
  2. 増配余地があって実績も申し分ない
  3. 暴落して相対利回りが高くなっている

といったことを意識します。

入金力を上げること

入金投資法は入金し続けなければ成り立たないので、とにかく入金力を上げることが大事です。入金力というのは

  1. 本業収入が高い
  2. 副収入を持っている
  3. 支出が少ない(特に固定費)
  4. これらが安定している

といったことを指していて、端的に言えば毎月5万円を証券口座に入れられるのか10万円や20万円でも問題ないのかということですよね。入金力が上がればそれだけ入金投資法の時間効率を高めることができるわけで、

  1. 本業収入を増やす
  2. 副収入を作る
  3. 節約をする

こういったことが大切です。ただ本業収入を増やすということは

  1. 経営者に年収アップの交渉をする
  2. より高い年収を得られるように転職する

など多少のリスクを取らない限りすぐにできることではないので、一般的には副収入と節約が重視されるでしょう。個人的なおすすめは固定費を節約するという方法ですね。例えばですが

  1. 家賃が安い物件に引っ越す
  2. 実家暮らしをする
  3. 車を売ってローンや自動車保険を削る
  4. スマホ代を削る
  5. 無駄な保険を解約する
  6. 光熱費を削る

など一般的に言われることが多く費用対効果が高いものから取り組めばそれで良いでしょう。

すごい熱量が高いケースでは野菜の芯を食べて生活したとか穴あき靴下をはいて暮らしたなど聞きますが、個人的なコツとしては生活の質や満足度は落とさないよう工夫するということがあります。今までより極端に生活の質を落としてしまうと

  1. 過度のストレスで継続できない
  2. 周囲に迷惑を掛ける
  3. 不健康になり結果的に大きなお金がかかる

という可能性が出てくるので無理は禁物でしょう。まずは固定費から節約を始めて、

  1. 不要なものを売って株の軍資金にする
  2. 車は本当に必要か、もっと安い車で十分か検討する
  3. 小さく暮らせて満足度も高まる生活を意識する

などできる範囲で取り組めばそれで良いかと思います。

入金投資法で1億円シミュレーション

入金投資法のコツを述べ終わりましたので、ここからは1億円を達成するまでの簡単なシミュレーションを行います。最初にお見せするのは

  1. 300万円を入金なしで3%運用
  2. 300万円を毎月10万円入金で3%運用

です。この比較をすることで入金すると将来的にどれくらい大きな差がつくか実感できるので、まずはここから見ていきましょう。では早速結果からどうぞ。

入金投資法の比較

結論的には入金なしの場合は50年経過してもたかだか1200万円にしかなっていませんが、入金しながら複利運用することで1億5000万円まで膨れ上がることがわかります。元本を増やしているのだから当たり前と感じるかもしれませんが、このシミュレーションで見てもらいたいのは

  1. 少しずつ資産増加額が上昇している(複利効果)
  2. 最初は入金分に助けられるが徐々に利回りメインにシフトしていく

といった点です。右図の赤ラインは1億円を示していて、そこに到達するまでに運用開始から40年ほどかかっています。しかし、そこから10年でさらに5000万円増えていることから複利のすごさが感じ取れるでしょう。40年という時間はかなり長く感じるでしょうが、

  1. 運用開始6年で資産1000万円に到達
  2. 運用開始17年で資産3000万円に到達
  3. 運用開始25年で資産5000万円に到達

という推移なので10年や20年でそこそこ良い資産額にはできますね。資産3000万円にもなれば年間で100万円近いお金が入ってくる計算で、時間効率を上げてなるべく早くこのラインまで到達したいところでしょう。20代から始めれば定年前にはちょっとした自分年金が出来上がるので夢があります。

また、後述するように適切な株に対して入金投資法を行えば

  1. 増配による利回りアップで目標達成が早まる
  2. キャピタルゲインにより目標達成が早まる

ということもあり得る・・・というかずっと利回り3%固定など現実的にあり得ません。したがって1億円の目標達成まで必ず40年かかるというわけではないです。

より現実的なシミュレーション

上記のケースは少し難しいかもしれないという方のためにもう少しミニマムなシミュレーションも載せておきます。こちらはスケールダウンしていることもあり、目標としては1億円を目指さず3000万円を目指すこととします。お見せするシミュレーションの条件は

  1. 元手300万円の毎月5万円入金で3%運用
  2. 元手100万円の毎月5万円入金で3%運用

の2つです。では結果からいきましょう。

入金投資法の現実的な比較

結論的には元手300万円の毎月5万円で3%運用をすると27年ほどで資産3000万円に到達します。先ほどのシミュレーションでは資産5000万円に到達していましたが、やはり入金力を落とすと時間効率がガクッと落ちますね。それでも若い人が現実的なラインで入金投資法を続けると定年までに年間100万円が入る金融資産を築けることがわかるので、これはこれで良いシミュレーション結果でしょう。

一方、元手100万円の毎月5万円を3%運用した場合だと資産3000万円を達成するまでに30年かかるようです。元手100万円のケースより3年ほど目標達成までに時間がかかっていて、スタート地点が低いと時間効率が下がることがわかります。

思うに、入金投資法を続けるにあたっての最大の敵は環境変化ではないでしょうか。入金を10年や20年続ける間に結婚をしたりお子さんが生まれたりするわけですよね。場合によっては大学への進学費用が必要だったりと入金力に変化が生じてもおかしくありません。だからこそ

  1. スタート地点をなるべく高く(元手を大きく)
  2. 積み上げスピードを速く(入金力を高める)
  3. 時間効率を上げて目標達成を素早く

が大事になってきます。シミュレーションは単なる机上の空論なので、あくまで自分の置かれている状況や理想とする人生の流れをふまえて計画を練っていきたいところですね。

余裕がある人向けのシミュレーション

ここまでのシミュレーション条件よりもっと余裕があるよという方のために元手1000万円で毎月20万円を3%運用するとどうなるかも見ておきましょう。では早速結果からどうぞ。

余裕がある人の入金投資法シミュレーション結果

結論的には運用開始から24年で資産1億円に到達していて、一番最初にお見せした「元手300万円を毎月10万円入金で3%運用」のケースが25年で資産5000万円達成したことを考えると倍以上のペースで進んでいることになります。

やはり入金投資法はスタート位置と入金力が物を言う投資手法であり、余裕があればあるほどスピード感が出てくるということですね。

入金投資法の注意点

ここまで複数のシミュレーション結果を見ていただきましたが、これらは全て入金と複利運用のみをシミュレーションしたものです。先ほど机上の空論の述べたのは、実際の運用だと「保有している株式価値の変動」という要素がここに加わるからです。

要するに保有している株式の価値が上がればシミュレーション結果より早く増えるし、逆に減ればリターンが下がるということになります。個人的にはここ10年ほどの日本株を見ているとリターンが減る心配はなかったと感じますが、今後もそうなるとは限りません。

とはいえ元々が割安水準である日本株がバブル高値を超え始めたという状況を考えると、ここから先も青天井のような状況になる可能性も十分に考えられるでしょうね。株式価値の変動は日本株の指数状況に大きく左右される要素なのでなんとも言えませんが、誰にも将来はわからないので淡々と株を買い続けるしか道はありません。

元手や入金したお金はどんな株式に換えるべきか

では入金投資法ではどのような株を淡々と買い続けるべきなのでしょうか。カテゴリーで考えるなら

  1. 大型の優良高配当株
  2. 中型の優良高配当株

というイメージです。ここまで述べてきたように入金投資法では株式そのものの利回りが大事ですから、なるべく

  1. 継続的に配当金を捻出できるだけの事業基盤を持っている
  2. 倒産の心配がなく買い付けてきた時間が無駄にならない
  3. 一定以上の利回りを確保できていて今後も続きそう

といった株式に目をつけていきたいところです。ちなみに中型株の目安は時価総額が数千億以上というイメージで、理由はこのくらいの時価総額になれば「ある程度の地位を確立しているだけでなく知名度や事業の成長性および安定性が確保できるから」ですね。

また、優良高配当株の候補としては

  1. 大型株:NTT・KDDI・オリックス・伊藤忠・三菱商事・INPEX・積水ハウス・大和ハウス・三菱UFJフィナンシャル・キャノン・東京海上HD・小松製作所など
  2. 中型株:ヒューリック・全国保証・ディップ・サムティ・兼松エレクトロニクス・ジェイエイシーリクルートメント・タマホーム・コメダHD・SBIホールディングスなど

が挙げられます。これらはあくまで例ですが、大きく株価が下がった時期に狙うとキャピタルゲインとインカムゲインどちらも狙える銘柄だと考えて良いでしょう。

分散銘柄数について

最後に分散銘柄数についてですが、目安としては数銘柄から始まって最終的に20銘柄くらいで良いのではないかと思います。入金投資法で数億円を運用している方は100銘柄以上を運用しているという話も聞くのですがあまり増やし過ぎても時間効率が落ちるとも言われていますし、特に中型株が成長性を発揮したときの旨みが減るでしょう。

前述のように銘柄選定は基本的に倒産の心配がなく安定して増配を続けているものになるので、したがって見るべきは

  1. 自己資本比率・有利子負債・余剰資金・インタレストカバレッジレシオなど財務および返済能力などの指標
  2. キャッシュフロー関連や売上高営業利益率、ROEなどの収益性指標や事業効率
  3. 直近の増配実績と配当性向など増配力と配当政策への姿勢

などが主な情報になります。ここに割安性指標があればなお良いですが、時価総額が大きくなると自然とPERは小さくなるのでこれらを意識しつつ優先的に買うべき銘柄を考えながら分散すれば良いです(ある程度は業種も分散した方が良い)。

1銘柄が10%値動きすることは普通にありますが、500万円保有していればポートフォリオには50万円の影響で1000万円保有なら100万円の値動きです。このあたりをイメージしながら1銘柄に入れるお金を考え、銘柄ごとの期待値で変動させましょう。

ちなみにキャピタルゲインとのバランスを考えたポートフォリオを目指したいということであれば小型株を入れても良いですが、割合としては10%までに留めた方が良いでしょうね。なぜなら入金投資法は

  1. 初期段階は入金力で資産を増やす
  2. 中盤以降は利回りによる複利運用で増やす

というのがコンセプトでありキャピタルゲインありきで考えていないからです。

先ほどのシミュレーションを見ればわかるようにインカムゲインの複利効果だけでも十分増えるので、キャピタルゲインはあくまでボーナス程度の要素として無理に狙う必要はないでしょう。もちろんキャピタルゲインが狙えることに越したことはないのですが、中型株を組み込んでいるのでその中で満足のいくキャピタルゲインが生まれる可能性も十分にありますので。

まとめ

今回は入金投資法とはどのようなものか述べ、継続する上で重要な3ポイントにも触れました。とにかく一定以上の利回りを意識しながら元手と入金額を大きくすることが効率的ですが、弾みがつくまでは継続し続けることが最難関ですよね。

長く続ければそれだけ環境変化も出てくるので、個人的な要素をこなしながら入金投資を続けましょう。今回のシミュレーション結果では20から40年という時間を使って1億円を達成しましたが、適切な銘柄を選択すれば増配やキャピタルゲインによってスピードが速まる可能性は高いです。

銘柄分散しないことは良くないもののあまり分散しすぎても逆効果なので、まずは自分なりに投資候補を調べ上げる所から始めてはいかがでしょうか。入金投資法は売買テクニックより入金力・継続力・正しい投資先の選定が重要なので自分のペースで楽しみましょう。