株資産1000万円が最難関の理由と道のりシミュレーション

    

とりあえず株で資産1000万円を作りたいと考える方は多いようです。確かに心理的にも区切りの良い数字ですし、仮に100万円を元手に始めたのであればちょうど10倍という状況なので達成感もありますよね。ただ個人的にはこの株資産1000万円が割と難関だよねと感じていて、むしろ多くの方にとって最難関と言って良いのではとも思います。

この記事では

  1. なぜ株資産1000万円が難関なのか
  2. 株資産1000万円への道のりはどうするべきか

といったことを述べました。これから目指すつもりでこの記事を読んでいるという方はぜひご参考下さい。

<関連記事>

株で資産1000万円は誰にでも可能か

最初に大前提として述べておきますが、既に現金1000万円を持っているような方が株で資産1000万目指すというのはめちゃくちゃ簡単です。なぜなら証券会社に口座開設をしてそっくりそのまま株を買えば良いだけだからですね。

今回のお話はそうではなく

  1. 元手となるお金も100万程度しかない
  2. 投資をせず自力で1000万円貯めることが果てしなく難しい

といった方を想定しています。正直言うと、医者・商社・証券・銀行のような年収が高い部類の職業に就いていればものの5年や10年で簡単に株資産1000万円は達成してしまうでしょうね。だから今回はそういった方は想定せずに一般的な年収(例えば400万円とか?)を思い浮かべながら書いていますのでご了承下さい。

前置きが終わったところでなぜ最初の1000万円が難しいのか述べていきますが、理由は

  1. 銘柄探しから売買タイミングまで自分のスタイルやテンプレートがない
  2. どういった銘柄で、どういった状況でリスクを取るべきかわからない
  3. 短期で狙うなら小型株にある程度の資金を集中する必要がある
  4. 短期で狙うなら入金も必須になってくる

といったことが挙げられます。

自分のスタイルやテンプレートがない

株で資産を築く際に最初の1000万円が難関となる最大の理由が「スタイルやテンプレがない」ということです。

私が考えるに、おそらく1000万円を作るのも1億円を作るのも流動性などの障害がない限りは同じ工程の繰り返しになります。そのテンプレートのようなものの優位性や利益率が高ければ高いほど資産増加スピードも速くなり、短期的に1000万円に到達できるという考え方です。

例えば私は暴落買いをひとつの手法にしていますが、暴落局面はそうそうくるものではありませんよね。想定としては細かなものを入れてやっと年に数回のレベルですし、本当に大きなものは数年に一度です。したがって

  1. 暴落買いはかなり勝率が良い手法ではあるもののキャッシュフローとしてはかなり悪い部類
  2. 資産増加を早めるなら違う手法も確立すべき

という考え方が妥当になります。

株を始めたての頃というのは例えばこのようなことが何もわからず、わかっていてもその他に頼れるような手法がありません。そのため手法とはいかないまでも自分に合う型が見つかるまでは資産成長スピードはかなり遅いのではないかと感じるわけです。ただし、逆に言うと自分に合うやり方に出会えれば、そこからはやることが明確になるので楽しく資産が増やせると思います。

リスクを取る局面がわからない

最初の株資産1000万円が難関となる2つ目の理由は「リスクを取るべき局面がわからない」という点です。株の世界にはリスクオンやリスクオフといった言葉があります。リスクオンでは積極的に売買をして、リスクオフでは売買をなるべく控えて守りの姿勢を貫くという意味ですね。

これらは一般的に地合い(株式市場が置かれている環境)の善し悪しを説明する際に出てくる言葉ですが、それとは別に自分の監視銘柄の状況にも言える事でしょう。例えば自分が配当株を狙って投資する場合はどうでしょうか。

配当株では利回りが重視されるので「配当は変化せずに株価が下がっている状況」が絶好の買い場です。したがって株価が下がっている状況こそリスクを取って大きく買うことが求められますが、株を始めたての頃は下がっている株に手を出しづらいと感じるでしょう。

また、将来的に配当金が下がってしまう可能性をなるべく排除するためには

  1. 業績推移や財務状況をチェックする
  2. 株主還元への意欲や配当方針を調べる
  3. 業界が置かれている状況を考える

といったことが必要ですが、これも最初は中々難しく感じるものですよね。

ただ、短期的に資産を増やすためにはスタート地点が遠ければ遠いほど(資金が小さければ小さいほど)ほぼ必ずどこかでそれなりのリスクを取る必要が出てきます。

誤解のないように言っておきますが、普段はむしろリスクを排除して期待値が高いと感じる場面だけリスクを積極的に取るイメージです。そういったここぞという場面がわかるかどうかは1000万円への道のりが変わってくるのではないでしょうか。

小型株にある程度の資金を集中する必要あり

例えば数年~10年といった短期間で株資産1000万円を達成したいのであれば、小型株に資金集中するとスピード感が出やすくなります。ちなみに小型株というのは企業価値を表す時価総額が数百億円以下程度の株のことですね。

時価総額が小さいほど企業規模や業績の伸び代が出やすく、時には会社の時価総額以上の利益案件が材料として出ることもあります。そういったケースでは株価が急騰することがほとんどなので、うまくそういった銘柄に資金を入れられれば大きく株資産1000万円に近づくでしょう。

ただ、これは誰もが出来ることではないと思います。実は小型株の株価が急騰しやすいということは急落しやすいという意味でもあって、実際に・・・

小型株の乱高下

小型株の株価というものはこのように乱高下することが日常茶飯事です。例えば自分が100万円の資金を入れたタイミングから

  1. 株価が倍:200万円の価値になる
  2. 株価が半分:50万円の価値になる

ということですのでこういった売買をするには胆力が求められるでしょう。また、それだけでなくリスクを大きく伴う売買は勝てる見込みの方が高いのか普段よりさらにしっかりと精査する必要が出てきます。

こういったことは初心者さんにとってハードルが高いのに、短期間で大きく資産を増やすには小型株売買がある程度必要というのは酷なものですよね。

短期間で達成したいなら入金投資法も必須

例えばあなたの投資資金が100万円で、それを1000万円にしたいという場合は何度も売買を繰り返して10倍にする必要があります。これは売買益だけで達成できたらとてもすごいことですが、確実に資産を積み上げていきたいならコツコツと入金投資していく方が無難でしょう。

例えば元手100万円、年利5%、毎月5万円入金投資とした場合はこのようなイメージで資産が積み上がります。

年利5%の入金5万円

特徴としては

  1. 最初の5年くらいはほぼ入金投資分で資産を増やす
  2. 7年を過ぎ500万までくると徐々に利益も大きくなり始める
  3. 株資産1000万円は11年目で達成、継続した場合は15年目で1500万円も達成

という感じですね。毎月5万円だと年間60万円の入金投資になりますが、15年経過すれば年間100万円貯金したことと同等の効力になります(15年 × 100万円 = 1500万円)。

ただしこれは短期間で株資産1000万円を達成したと言えるか微妙なので、もう少し設定をいじって元手100万円、年利8%、毎月7万円入金とリターンをシビアにしてみると・・・

年利8%の入金7万円

こんな感じでおよそ7~8年で株資産1000万円を達成する計算となりました。ちなみにこの計算なら15年で2500万円も達成する見通しになりますね。数字だけで考えればこの計画は魅力的に感じますが・・・さてこれが多くの人にとって現実的かという問題はあるでしょう。

まず短期的に株資産1000万円を達成するためには毎月7万円を入金投資しなければなりませんが、年収400万円の方は毎月の手取りが大体20万円ほどとボーナスが年2回もらえるといった感じですよね。毎月7万円を投資に回すためにはかなり節約した生活を送らないと厳しいと思います。

ラインとしては「絶対に無理!」というほどではないにせよ、それなりに頑張って家賃や光熱費などの固定費を圧縮しつつ食費なども最低限に抑えたいところでしょう。

ちなみに入金投資をせず完全なるキャピタルゲインだけで株資産1000万円を達成したいという場合を簡単にシミュレーションしてみますと・・・

株で資産1000万を入金ありで達成

このような推移になります。上記は保有から株価が2倍・1.5倍・1.25倍になったケースを想定していて、税引きを考慮しつつそれを繰り返した場合にどうなるかを一覧表にしたものです。

例えば一番左の表では株価2倍になったら利食いをして次の銘柄でまた2倍を狙うということを繰り返しています。単純計算上では4回目のダブルバガ-達成で株資産1000万円に到達することができ、言い換えれば株価倍になりそうな銘柄を4回見つけられれば・・・というところでしょうか。

ダブルバガ-の難易度が高いと感じるのであれば株価1.5倍でも構いません。達成銘柄数は増えますが、真ん中の表によると7回1.5倍を繰り返せば株資産1000万を達成できます。それでも難しいという場合は、一番右側の表にあるように株価1.25倍を13回でも良いですね。

入金投資をせずに短期的な目標達成を狙う場合は、こういった値上がり目安を想定回数行う方法もありかもしれません。ただし、注意点として

  1. 毎回フルインベストメントする想定である
  2. 株価が短期間で倍になる銘柄は小型株が多い
  3. 損失を想定しておらず、握った現物は離さない

といった状況になってしまうことが挙げられます。

株資産1000万円シミュレーションでわかること

ここまで株資産1000万円が最難関である理由と簡単なシミュレーションを述べてきました。まず入金を考慮したシミュレーションからわかることは「年利10%を達成できるように最初の数年で型を創ること」が最も大事だということです。

年利と入金を積み上げる方法は複利が要になりますが、前述の表を見てわかるように最初は大きな利益が望めません。これは複利の仕組みから考えても当然なので、まずは入金キャッシュフローと年利5~10%を安定的に得られる方法を考えることが優先になってきます。

特にネックになるのが年利5~10%を得る手法ですが、配当株である程度カバーしつつ年間10万円の利益を目指すところから始めてはいかがでしょうか。年間10万円は資金100万円の10%ですから、最初はこのレベルを達成できれば全く問題ないと思います。翌年は11万円、その次は12万ちょっと・・・という風に資金成長に伴って年間利益額を重ねていける方法を最初の数年で見つけることに注力すると5年目以降がぐっと楽になりますよね。

次に入金なしのキャピタルゲインだけで株資産1000万円を達成するシミュレーションについてですが、これは狙う時価総額と材料の種類を限定して同じ事を繰り返す戦略が良いと考えます。

例えば過去の傾向を調べた結果として「時価総額300億円までの銘柄が業績の上方修正を出すと株価が上がりやすい」という仮説を立てたのであれば、まずは該当する銘柄だけピックアップしていく(もしくは狙う時価総額と業績伸び率でスクリーニングをかけてあらかじめピックアップしておく)わけです。

また、もしサブ的な条件もあれば「PBRは1.0倍を割り込んでいた方が良い」など追加で組み込みつつ、実際に追跡調査した結果を考察します。仮説は正しそうだとなれば実際に該当銘柄を買っていき、想定する利益率になったところで利食いをするという流れです。

文章にすると簡単に聞こえますが、リサーチには相当時間がかかると思います。リサーチ時間が無駄になることもたくさんあるので根気が必要ですが、小型株で儲けている人はこういったことをしているので日々の気づきは大切にしたいですね。

まとめ

今回は株資産1000万円が最難関な理由や道のりシミュレーションを行いました。資産を増加し始める際は何かしらのきっかけが必要です。入金するかしないかは自由ですが、いずれにせよ核となる売買手法は欲しいところですね。

ちなみに値上がり率20%程度なら比較的時価総額が大きな銘柄でも問題なく達成できるレベルなので、小型株が怖いという場合は時価総額のこだわりを捨てて手堅い利益を狙っていく方向性でも良いと思います。ぜひご自身のリスク許容度にあった銘柄で1000万円を達成してみて下さいね。