押し目を見極める3つの重要ポイントを意識して下げた時に買う

    

押し目を見極めて利益を出したい!

順張り投資家はこんなことを常に考えていると思います。しかし、結論を言ってしまうと「その上昇トレンド株が押し目になるか」は誰にもわかりません。まずここをしっかりと理解しないと、押し目を疑ったのにサポートを割り込んでしまったケースで落胆してしまいます。

上昇中の下げを100回拾って全て成功することは不可能なので、大前提として「そうなる可能性が高いケースを探っていく」という視点が大切ではないでしょうか。したがって、押し目から再上昇しやすい特徴を意識することが「押し目を見極める」ことになるでしょう。

この記事ではそういった押し目を見極めるための3ポイントを述べてみました。順張りで頑張りたいという方はぜひご参考ください。

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押し目を見極める3ポイントとは

押し目見極めを述べる際に知っておきたい株価の特性に「株価は一直線には上がらない」というものがあります。これは「いくら上昇トレンドと言ってもほぼ必ず上げたり下げたりを繰り返しながら最終的に高値を更新していく」という特徴です。

稀に一直線上に上がっていく株もあるのですが、その場合は上昇角度に気を付けながらさっと乗っていくことが求められます。

急騰型とじわじわ型

こういった例外はあるものの、基本的にはどの上昇トレンド銘柄もジグザグを繰り返しながら上昇していくわけですね(厳密には直線型も細かく上下していますが!)。

したがって上昇トレンド株で利益を出すためには

  1. 一度下げたタイミングで買って高値更新を狙う「押し目売買」
  2. 高値更新タイミングで買う「ブレイク売買」

が選択肢になりやすいと思います。今回はこのうちの押し目売買についてのお話であり、株価が下がった時に買うスタンスと解釈してください。

なぜ株価が上昇しているのか

上記を念頭におきながら押し目を見極める際にどのようなことを意識すべきでしょうか。1点目は「なぜ株価が動いているのか(上がっているのか)」を考えることです。

前述のように押し目は株価が下がったタイミングですから、そこで買うことに抵抗というか恐怖を感じる方もいると思います。

特に初心者さんは割と怖いのではないかと考えていて、これが「地合いが勢いよく上がっている時(その銘柄に元気があふれている時)に買いたくなってしまう」ということにつながっているはずです。

しかし、地合いが一定期間にわたって良ければ大丈夫でしょうが、良い時と悪い時が交互にくるような時期では「高い時に買って安くなった時に売らされる」ということがとても多くなりますよね。

株は基本的に安い時に買って高い時に売りたいので、みんなが手を出す時には手を出さず株価が下がっている時に手を出すことを考えます。ただし、ここで大事なのは「株価が上がっている理由」です。

例えば好決算を見越して買いが入っている株があったとしましょう。決算月は9月、現在は7月です。その後は7月から2か月間かけてぐんぐん株価が上がっている状況でしたが、9月の決算発表日の少し前に株価が下がり始めてしまったらどうでしょうか。

決算月と押し目の見極め

個人的にはここで手を出すのは危ないと思います。なぜならこの株は「良い決算発表がなされるだろう」という思惑で上がっているので「逆に決算発表で出尽くし下げ」となる可能性が高いからです。

サプライズ決算によってまた上がり始める可能性もありますが、発表前に下げ始めたということは基本的に「決算ゴールを回避するための利食い売り」が出ていると解釈するので手は出しづらいでしょう。

しかしこれが8月中の下げだったら押し目の可能性がありますよね。なぜなら決算発表は9月であり、もう1か月かけて上昇継続となる可能性があるからです。要するに大事なことは「株価上昇要因の思惑が消えていないかどうか」で、ここを軸に押し目を見極めていくわけですね。

もちろん市場が思うほど決算内容が良くない可能性が裏で出ているというケースもあり得ますが、そのリスクを回避したいならチャートではなく色々なサイトの開示情報を調べていくだけです。

押し目と聞くとテクニカル分析のことばかり考えてしまいますが、その銘柄がなぜ上昇しているのかを考えると「その要因に沿って押し目を見極める意識」が出てくるのではないかと考えます。

基本的なテクニカル要素

先ほどテクニカル分析という言葉が出てきましたが、やはり押し目の見極めと深い関わりがあります。ただ、すごく難しいテクニカル分析をするというよりかはトレンド継続を判断するために言われている基本的な考え方を知っておけばそれで良いような気もします。

例えば上昇トレンドを判断するために・・・というかチャートを見たときに上昇トレンドだなと感じるためには安値高値が切り下がってはいけません。これはダウ理論でも言われていることで、トレンド継続は安値高値が切り上がることで行われるからです。逆に言えば

  1. 前回安値より株価が下がる
  2. 前回高値を超えられず下がり始める

ということが頻発しているチャートは値動きが弱まっている可能性があるので押し目からは遠のきます。

また、押し目を見極めるということは株価が下がった時に買われるかを考えることにもなるので、「出来高が増え続けている状況」が好ましいでしょう。

出来高で押し目を見極め

株価が上昇しているのに出来高が上がり続けている状況は「株価が高値でも買う人がいる」ということです。出来高が急増する中で大陰線引けした場合は様子見したほうが良いかもしれませんが、基本的には出来高増加傾向は良い徴候だと思います。

出来高があまり増えなくなってきたケースは市場としても「そろそろ高値は買えない」と考えられている可能性があるので慎重に押し目を見極めたいですね。

業種別トレンド

押し目見極めのポイント3点目は「業種別トレンド」です。これは毎回言えることではないのですが、株式市場から一過性に注目されている状況が業種別に表れていることはあります。例えば2021年は

業種別指数で押し目見極め

  1. 2月から7月はゴム
  2. 8月から9月半ばまでは海運株

がとても強く、これらの業種に構成されている中大型株を保有しているだけでかなり儲かりました。何らかの理由で特定業種に資金が供給されている状況は定期的に訪れ、そういったケースでは少し株価が下がるだけでも買いがすかさず入りやすいです。

押し目の見極めにはこういった業種単位でのトレンドも重要で、全体を見まわした時にこの業種にしか資金がきていないと感じられるケースではとりあえず拾ってみる意識が大事でしょう。ちなみに業種別トレンドに気づくための方法はシンプルに

  1. 業種別指数を見ること
  2. 業種別ランキング

を日々観察し続けることですね。地合いが悪い時ほどこれらをしてあげることで一極集中の資金流入に気づきやすいと感じます。業種別の強トレンドを意識すれば

  1. リスト内で優先して拾う銘柄が決まりやすい
  2. 実際にトレンドがきていれば容易に押し目となり高値更新してくれる

というメリットが出てくるので覚えておくとよいでしょう。

まとめ

今回は押し目を見極めるための3ポイントを述べました。大前提として押し目を完全に見極めることなど不可能ですが、

  1. 株価が上がる理由
  2. 基本的なテクニカル分析(安値高値と出来高推移)
  3. 業種別トレンド

などは判断基準として大事ではないかと考えます。経験的には材料が出ていてチャートもきれいかつ市場のトレンドとしても注目されているケースでは押し目を入れながら上昇継続することが多いイメージです。

やはり株以下が少しでも下がったら欲しいと感じる人がいなければ押し目にはならないので、こういったことを意識したいですね。皆さんも経験的にこういった状況だと押し目から再上昇しやすいというものがあればぜひ意識してみてはいかがでしょうか。何も考えず押し目を見極めるよりずっと成功率が上がると思いますよ。

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