押し目待ちに押し目なしが示す驚愕の市場心理はこれ

    

押し目待ちに押し目なしの意味をご存じでしょうか。この投資格言は少しでも安く買いたいという投資家の心理を表すもので、簡単に言えば「安く買おうと待っても相場の勢いが強すぎると下がってこないですよ」ということです。ではどうして相場の勢いが強いと押し目がこないのでしょうか?

この記事では押し目待ちに押し目なしが示す値動き特性や市場心理に加え実例チャートも掲載しました。また、大相場の初押し場面についても言及し、その特徴から考えた買いポイントも述べています。

押し目を待ったのにうまくいかなかったという経験をお持ちの方はぜひご参考ください。この投資格言は相場の本質的な心理を捉えていると感じます。

<関連記事>

押し目待ちに押し目なし

「押し目待ちに押し目なし」とは冒頭で述べたように「あまりに強い値動きでは押し目がこない」という意味です。この原理を理解するためには押し目のメカニズムを考える必要があるでしょう。

そもそも押し目の根本的な源泉というのは「上昇トレンドの中で出てくる利食い売り」です。株価1000円だったものが1か月で2000円になった場合、その途中経過の中で「そろそろ利食い売りをしようかな」と考える人も多いわけですよね。

ある人は株価1200円で売り始め、ある人は1500円で売り始める。そういった途中経過の利食い売りが株価のジグザグを生み出し、上昇トレンドではそれらの利食い売りを少しずつこなしながら上がるということです。しかし、誰もがまだまだ上がるだろうなと感じるほど強い相場では誰もががっちりと握っていて誰も売らないでしょう。

なぜならまだ上がるとみんなが考えているからです。シンプルに誰も売ろうとも思わないほど強いので押し目の源泉そのものが極端に少ないわけですね。したがってそういったケースでは押し目はできない。これが押し目待ちに押し目なしという状況です。

ではこういった通常の上昇トレンドと押し目待ちに押し目なしをチャートに置き換えるならどうなるかを見てみましょう。例えばこんなチャートはどうでしょうか。

押し目待ちに押し目なし

上段チャートは通常の上昇トレンド、そして下段チャートは押し目待ちに押し目なしの状況です。ちなみにどちらも小型株なのですが、ポイントとしては

  1. 通常の上昇トレンドでは少し上がるとすぐに利食い売りが出ているが、押し目待ちに押し目なし状態だとほとんど出ていない
  2. 押し目待ちに押し目なしでもジグザグはあるが、既に株価が2倍3倍になっている段階である

といったことが挙げられます。小型株を売買しているのは主に個人投資家ですので、通常はすぐに売りたがる人が湧いて出ますよね。しかし下段チャートのように誰もが上がると考えている状況では滅多に売られず、特に長期線を上抜いた直後のような上昇初期段階では利食い売りが皆無です。

その証拠に5日線を一度も割り込まずに一気に株価が吹き上がっていて、ここで「何円まで落ちてきたら買おう」なんて考えていても無駄でしょう。株価が大きく上がって初めて売られていますが、それでも25日線にすら触れないのは明らかな力強さの表れです。

ちなみに押し目待ちに押し目なしの状況は中期的な上昇パターン以外にもあると感じます。例えばこのようなチャートはどうでしょうか。

押し目待ちに押し目なしで急騰

出来高を一気に増やしながらあっという間に高値にすっ飛んだこのチャート。先ほどと同じように5日線からあまり離れず上がっていますが、陽線と高値引けの多さも際立っています。これh言い換えると朝一に寄り付いてから大引けまで買われる流れが多いということです。

特に中盤の2000円台前半から3000円台に進む部分は特徴的で、大陽線が4連続しています。その後は高値でもみ合いつつも継続的に買われてさらにもう一段階上がっていますので、まさに押し目待ちに押し目なしの状況ですね。

押し目待ちに押し目なしはこういった急騰株でも見られるものですが、いったいどこで買えば良いのでしょうか。最近思うのは利食い売りが押し目の源泉ということを考えると、やはり上がっている真っ只中がベストタイミングなのでしょう。なぜなら今まで売られなかった株が下げ始めると一気に売られる可能性があるからです。

急騰株は崩れたら戻りも早いので押し目どころか全戻しになる可能性もあるわけで、したがって「急騰株は怖くても急騰期間中に手を出さなければならない」という考え方になります。上がり始めにいち早く気づき、上がっている理由を調べ、良いと思ったらすぐに買う。そしてうまく吹き上げたらみんなと一緒に売ることが投機売買の鉄則と言えそうです。

こういった勢いが強いチャートでは「何円まで下がったら買おう」と待っても報われないことも多く、最終的にはしびれを切らして高値で買いを出すことにもなりかねません。そういった動き始めが遅い人達が買う時期というのは早く買いを出していた人達が利食い売りをし始める頃に重なりやすいです。

判断が遅い人は利食い売りに巻き込まれ結果的に高値掴みとなります。とすればどうせ買うなら早く買ったほうが良いわけで、そのためには常に底値から大きく動いた株に気を配ることが大事ではないでしょうか。

この考え方は急落した優良株リストを作り、リバウンドを観察する流れに似ています。下から上がり始めるほど、そして買い始めが早いほど

  1. 取れる上値が大きい
  2. 売りの柔軟性も上がる

というメリットが生まれるので投機は早く乗った者勝ちですね。

初押しは買い、初戻りは売り

ところで、いくら押し目待ちに押し目なしと言っても大相場の場合はどうしても一過性に下げが入らざるを得ません。例えばこの記事を書いている時期にはこんなチャートがありました。

初押しは買い、初戻りは売り

この銘柄はグローバルウェイという会社で安値からなんと40倍になりました。一見すると何度も押し目局面があるように見えますが、そのひとつひとつが株価を2倍3倍へと押し上げている急騰局面となっています。よく観察するとわかるように何度もストップ高やストップ安が絡みながら株価が大きく跳ね上がっていることが特徴的ですよね。

実は相場格言には「初押しは買い、初戻りは売り」というものもあり、「本格的な上昇相場に入ったあと初めて下げた局面は買い」と言われています。これはグローバルウェイのような大相場にも適用できる考え方ですが、問題はそれが大相場の初押しだと本当に見抜きづらいことでしょう。

私を含めSNS上ではグローバルウェイの売買をしていた人は本当に多かったです。これは何度も起きている急騰場面によって存在に気付く人が多かったためでしょうが、初押し前の上げでデイトレした人は多くても大相場をずっと握っていた人は少ないです。これは大相場になると考えていた人が少なかった証拠で、どちらかと言えば「まさかこんなことになるとは!」という人も多いはず。

確かに初押しは買いなのですが、グローバルウェイは「大相場だと初押し買いを体現することが難しいよな」と感じたケーススタディでした。ちなみに「初押しは買い」をもっと身近なチャートで捉える場合は・・・

初押しは買い初戻りは売り

このような水平かやや上向きの長期線を超え始めた時期の初押しが良いと思います。これなら押し目待ちに押し目なしにもならず、初押しは買いにも合致するのではないかと感じるのですがいかがでしょうか。下降トレンドから上昇トレンドに転換した銘柄を見返していくとこういった転換時期の押し目は割と確認できるので、ぜひ日頃の売買に役立ててください。

まとめ

今回は「押し目待ちに押し目なし」という状況について述べました。これは少しでも安く買いたいと押し目を待つ投資家心理を表したものですが、強い相場では利食い売りをする人がいないので押し目はきません。判断が遅い人がしびれを切らして買う頃には株価はずっと高くなっていて、そのタイミングで利食い売りもきやすいでしょう。

強い株を買うなら上がり始めに着目して吟味すべきで、材料やザラバ値動きなどで素早く判断する必要があります。ただし大相場では押し目なくして上がれませんが、その場合は初押しなどの判断がかなり難しいという難点もあるでしょう。

初押しは買いという格言もあり戸惑ってしまうのですが、普段の売買に当てはめるなら長期線を超えてトレンド転換した直後の押し目を意識すると良いと感じます。まぁ個人的には本当に強い値動きでは初押しらしい初押しもないようにも思えて・・・なんだか堂々巡りではあるのですが。