個人投資家が行っている株の売買は
- デイトレード
- スイングトレード
といった比較的短期的な目線が多いかと思います。
この理由は株式投資というものが広まった背景にメディアの存在があり、なおかつ特集内容が
- 働かずにデイトレしながら暮らしている!
- 数年で1億円の資産を手に入れた!
などといった内容が多いからかもしれません。
株をどういった目線で行うかは人それぞれですが、そういった短期売買において求められるのはある程度の値幅ですよね。
この記事ではそういった日々の値幅を効率良く取っていくという考え方から派生して「翌営業日に動きそうな銘柄を察知する方法」について触れました。
ちなみに今回はデイトレ目線強めで書いてしまいましたが、下記の内容はスイング銘柄のスクリーニングとしても成り立つと思います。
<YouTube解説はこちら>
PTSの株価値上がり率ランキングを活用しよう
冒頭で述べたように、短期売買で大きな利益を得たいのであればとにかく大きく動いてくれる銘柄に乗る必要があります。
ある特定の一日だろうが一週間だろうが、大きな利益を求めるのであれば「大型株をちょこちょこ触るより動き出しそうな小型株をここだというタイミングでテンポ良く触っていった方が資金効率は良い」ということに変わりません。
ただ、小型株や新興株は出来高(一日あたりの約定数)が少ないということもありえるので、ある程度の人気や材料が必要という面もあります。
だからこそ多くの方が
- 大きな値幅
- ある程度の需給
の両方を得るためにも日々色々な銘柄に「どんな材料が出たのかな」と気にしていて、大きく動いた銘柄には乗っていくという波乗り売買をしているわけですね。
例えば・・・
こういった大陽線かつ出来高がどーんと出てくれた日にデイトレで乗ることがでできれば非常に勝ちやすいわけです。厳密に言えばスイングだと必ずしも自分が乗る瞬間に大きな出来高がいるかと言うとそうではなくて、理想的には出来高が膨れあがる前に乗っておきたいというのもあるんですが・・・今回は話が長くなるので置いておきます。
段々と核心にせまってきましたが、つまるところ「大きな出来高で大陽線を引く銘柄」を寄付き前に察知できればデイトレの勝率が上がると思いませんか?
そんな予知能力のようなこと出来るわけがない・・・と思いますよね。しかし、簡易的ではあるものの出来てしまうんです。
翌営業日に動く銘柄が載っている
それが今回ご紹介する「翌営業日に動きそうな銘柄をぱっと知る方法」で、具体的には「PTSの値上がり率ランキングを活用する」という方法です。
PTSとは私設取引所といって、通常の東京証券取引所ではない私立の取引所のことですね。
東証とは違う市場になるので、取引時間も違っていて夜間帯などザラ場以外でも取引が行われているという点が大きな特徴です。
この背景から「個別銘柄に材料が出る ⇒ PTSで我先にと取引される」という流れがあって、PTSでどんな銘柄が物色されているかを見ておけば翌営業日に動きそうな銘柄もなんとなくわかります。
株の世界では大引けを迎えた直後に企業側から開示情報が出るというパターンが多く、ザラ場以降の取引時間帯であるPTSで動意するということは何かしら材料が出たというケースが多いですね。
したがってPTSの値上がり率ランキングを見てあげれば
- 市場に注目されていて
- 比較的時価総額が低い
- 材料持ち
の銘柄がお手軽にスクリーニングできます。
また、そのやり方は非常に簡単で、例えば楽天証券であれば
- 証券会社のアプリを開く
- 右下のメニューをタップ
- ランキングを開く
- 条件を「値上がり率」と「JNX」にする
という手順を踏んであげれば、上記のように夜間取引で値上がり率が大きかった銘柄達が出てくれます。
ここに出ている銘柄達は
- ザラ場引けに出た決算内容に反応した
- 新規で新しい材料が出た
- 既に出ている材料の進捗が報告された
というような背景があるので、PTSランキングを見ておけばとりあえず
- どんな銘柄に材料が出たのか
- 個人投資家が翌営業日に注文を入れたがるような銘柄はどれか
ということがパパッとわかるわけです。
実際にこの翌営業日における値上がり率ランキングの顔ぶれは・・・
こんな感じです。上記に掲載されていませんがPTSランキングで1位だったテモナは20円高で寄り付いたあと90円高まで上昇、そして2位と3位の福島銀行とメディアリンクスは寄らずのストップ高になりました。
また、福島銀行の材料と関連してその他の地銀が値上がり率ランキングにあがっているので、そういった意味でも前日のPTSランキングを見るメリットはあったようですね。
残念ながらPTSランキング5位と6位は不発に終わりましたが、その他10位くらいまでは翌営業日の寄り付きから上昇する場面があった結果です。
ちなみにPTSの夜間取引時間終了時刻は夜の23時59分なので深夜0時以降にランキングが確定しますが、ザラ場のようにランキングがめまぐるしく入れ替わり続けるわけでもないので、
- ちょくちょく覗いておいて寝る前に見ておく
- 起きたらとりあえずPTSランキングを見ておく
というくらいでも構いません。
ただし、ランキング上位だけを見て入れば大丈夫かというとそうではなくて、例えば
- 上位銘柄:スト高とか大幅高を連想する銘柄
- 中位銘柄:スト高にならないまでも出来高が増加してデイやスイングができる環境になりそう
- 下位銘柄:あまり気づかれていないみたいだが密かに動き出している銘柄(翌営業日かその次に動く可能性?)
といった感じでなんとなくカテゴリー分けがあります。
これはあくまで私の中の勝手なイメージではありますが、ランキングに挙げられた100銘柄はまんべんなく見ておいた方が良いでしょう。
PTS株価値上がり率ランキングの注意点
PTSランキングの中には誤発注によって掲載されてしまったというケースもあります。Twitterなどでもたまに「誤発注したのは私です」と言っている方がいますので可能性として考えておきましょう。
また、PTSの値動きを100%信じるのは危険で、自分がスト高付近の価格で売るのであれば良いのですが、物色されそうな銘柄を見るだけに止まらずスト高付近で買ってしまうということは非常にリスクが高いのでやめた方が良いです。
PTS値上がり率ランキング上位銘柄は確かにスト高になりやすいのですが、寄り天で大陰線というケースも十分にあり得ます。
これはいくら材料などで需要が上がっても寄付きの時点でスト高になってしまえばそれ以上は上がることができないというシステム上の性質が関係しているのでしょう。
したがって、翌営業日には
- 寄付きの段階でどれくらいの気配値になりそうか
- なるべく低い気配値から上がってくれそうな銘柄はどれか
といったことに気をつけながらランキングを参考にした方が良いと思います。
まとめ
今回は翌営業日に動きそうな銘柄をPTSランキングから簡易的にスクリーニングするという方法をご紹介しました。PTSで動いた銘柄は翌営業日にもそうなる可能性が高いのでぜひ参考にしてみてください。
ただし、寄付きであまりに高い位置で始まってしまった場合はそれなりのリスクが内包されているので、朝一の気配値をしっかりと見ておきましょう。場合によっては押し目で入るということも可能なので、あまりに高く寄りついた場合は慌てて入る必要はないですね。
PTSの値上がり率ランキングはどんな銘柄が注目されているかを手っ取り早く知るために役立ちますので、まんべんなく見ておきましょう。
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