株の世界で最も大手の証券会社といえばSBI証券ですね。
SBI証券はその規模の大きさからあらゆるサービスを投資家に提供していて、とりあえずSBI証券の口座を持ってさえいれば何でも対応できるという印象さえあります。
ただ、少し前まではその手数料の高さから個人的には敬遠していたというのが正直なところで、サービスは良いのに惜しいよなと長期保有用の口座として甘んじていました。
しかし、2020年9月に嬉しいニュースが飛び込んできましたので今回はその内容について周知致します!
というのも「2020年10月1日からSBI証券の無料売買範囲が拡大し、毎日最大300万円まで手数料が無料化される」というのです。
これは個人投資家にとって非常に大きな影響がありますので、その経緯を推測しながら詳しくお伝えしていきましょう。
※この記事を書くにあたって参照したページ:SBI証券公式HP
SBI証券の手数料無料枠が拡大
まずはSBI証券の手数料体系について簡単に見ていきます。
SBI証券では大きく分けて
- スタンダードプラン:1回ごとの約定金額によって手数料が決まる
- アクティブプラン:1日の約定代金によって手数料が決まる
という2つの手数料プランがあり、好みによって選択可能です。
スタンダードプラン
スタンダードプランは上記のようにいくら約定したのかでその都度手数料が取られる仕組みになっていて、当然ながら大きな約定ほど高いコストがかかります。
アクティブプラン
一方、アクティブプランでは1回ごとではなく1日通しての約定金額で計算されるのが特徴です。
実は今回の手数料改変はこのアクティブプランに関するもので、
- 変更前:1日あたり50万円まで手数料無料
- 変更後:1日あたり100万円まで手数料無料
となりました。
国内株式市場に上場している銘柄を調べたところ、100万円以下の約定金額で購入できる企業は4062銘柄と全体の98%を占めていました。
したがって、SBI証券であればトヨタ自動車、ソフトバンク、KDDI、ソニーなど国内主要企業はもちろん多くの銘柄を手数料無料で売買できるわけですね。
また、この無料枠は
- 現物取引
- 制度信用取引
- 一般信用取引
のそれぞれで設けられていることも大きな特徴で、合計300万円分が無料枠ということになります。
信用取引を使うユーザーにとっても恩恵が大きく、株主優待狙いのユーザーも100万円までの銘柄であれば今まで以上に低コストでつなぎ売りが可能という点が重要ですね。
信用取引の無料枠も現物枠にするには?
信用と現物それぞれに無料枠があるのは嬉しいけど自分は現物取引しかしないからなぁ・・・と感じたあなた。
安心してください、そのいらない信用取引の無料枠もちゃんと現物分として生かせます。
というのもSBI証券では「現引き(げんびき)」といって信用取引で買った株を現物株として引き取る処理が手数料無料でできちゃうんですよね。
したがって、
- 現物無料枠で買った100万円はそのまま
- 信用無料枠で買った分は現引きする
とやれば通常より多く手数料無料で買える現物株が増えます。
これはある種の裏技かもしれませんが、ちゃんとSBI証券の提供しているサービスの範囲内で無料枠をやりくりしているわけなので問題ありません。
やり方は信用取引の返済注文画面で「現引き」を選択して確定するだけなのでスマホで通常の決済と同じようにできます。
ただし、無料枠は買いと売りの両方で用意されているわけではなくあくまで1日の約定代金として計算です。したがって新規購入と別に利益確定や損切りで売り注文を出しているという場合には合計金額に注意しなければなりませんね。
アクティブプランでよくある疑問
上記の手数料改変を知って「自分もアクティブプランに変更したい!」と感じた方が疑問に感じる点を2つご紹介しておきます。
手数料プランはいつでも変更できるのか?
まず手数料プランはいつでも変更できるのかという点ですが、これは可能です。
ただし、
- 変更は1日に1回まで
- 変更タイミングは曜日によって異なる
という条件があります。なお、変更タイミングは下記の表を参考にしていただければ問題ありませんが、注意点としては土日だと火曜日まで変更が適用されないので覚えておいた方が良いですね。
変更前に出した注文に関しては変更前のプランで約定してしまうので、未約定注文がある場合は
- 未約定分を全てキャンセル
- プラン変更が適用された後に同じ条件で注文し直す
という手順を踏んでください。
手数料無料が反映されるタイミングは?
アクティブプランに変更したあと疑問に感じるのは「あれ?プラン買えたのに約定画面の手数料が0円になってないぞ??」というものでしょう。
これもよくある疑問かと思いますが、SBI証券のシステム上そうなっているだけでしっかりと無料化されるので安心してください。
流れとしては
- 注文段階では約定額が確定ではないので指定額を手数料として拘束
- 約定した段階で再び指定額を拘束
- 翌営業日に合計約定金額が計算され、拘束額と差額があれば返金
という感じですね。確か取得単価上は約定直後から無料分が反映されていたかと思いますが、いずれにせよ1日の約定額がちゃんと無料枠に収まっていれば問題ないです。
SBI証券は2022年までに取引手数料を無料化する方針
SBI証券の手数料無料化がそれなりに早いペースで進んでいることに驚きを隠せない方もいるかと思いますが、実はSBI証券側は2019年10月の決算発表で「今後3年ほどで取引手数料を無料化していく」と公言しているんですよね。
これまでにも指定のETF売買手数料を無料化していますし、今回の無料枠拡大までのスパンも短いのでかなり本気度は高いでしょう。
また、手数料がべらぼうに安い証券会社として知られ、トレーダーから支持されていたライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)に対しては全株式を取得して子会社化しました。
ネット証券はどこかが手数料改変すると必ず追随してくるのが毎回の流れですので、手数料特化型の証券会社に先手を打ってきた流れと言えるでしょうね。
こういった背景からSBI証券の手数料無料化、すなわちネオ証券会社計画は進んでいくと推測できるのでその動向に注目です。
まとめ
今回はSBI証券の手数料無料化枠が拡大されたことについてご紹介しました。
具体的にはアクティブプランにおける
- 現物取引
- 制度信用取引
- 一般信用取引
の全てで1日100万円までの約定であれば手数料が無料という内容でした。これは2020年10月1日以降の適用であり、記事執筆時点で既に開始されています。
今後もこの手数料無料化計画は進んでいく可能性が高いので、まだSBI証券の口座をお持ちでない方はぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
※この記事を書くにあたって参照したページ:SBI証券公式HP