どうも、ひげづら(@higedura24)です。
バイオ株が恐ろしいということは多くの方がご存知かと思います。
しかし、実際にその恐ろしさを目の当たりにしているかどうかは大きな差ですね。
バイオ株の歴史的な暴落劇として有名なのは「サンバイオ事件」です。
サンバイオではある理由から多くの方を巻き込みながら暴落したという特徴があります。
この記事ではサンバイオの暴落劇をチャートで振り返るとともに、その理由をお話しました。
サンバイオで破産したという方も多かったようで、買いでも売りでも市場に大きなインパクトを残した銘柄と言えます。
歴史的な暴騰から暴落を繰り広げたサンバイオの生き様をとくとご覧あれ。
サンバイオの株価が暴騰した理由
サンバイオは外傷性脳損傷治療薬の開発成功思惑を原動力に暴騰した銘柄でした。
当初の株価は1000円を切るような水準でしたが、じわじわと上げていき、1200円から12000円にまで昇りました。
いわゆるテンバガー銘柄で、初動に乗り遅れた人でも大きく勝てた相場だったと言えるでしょう。
テンバガーまでに何度も押し目がありましたし、だからこそテンバガーまで行けたんだと思います。
SB623の思惑は強かった
サンバイオが暴騰から暴落する原因となった治験薬はSB623という再生細胞医薬品です。
通常、再生医療というと
- 自分の細胞を採取
- 採取した細胞を培養して増やす
- それを戻して治療する
といった流れが主なものですよね。
しかし、サンバイオが開発・販売しようとしているSB623は他人の細胞を元に治療をするお薬です。
健康なドナーから採取した細胞を大量に培養することで
- 生産性を高める
- 保存を可能にする
- 治療開始を早める
- 治療費を軽くする
などのメリットを生み出すことができると言われていました。
また、国内外で治験を行っていて、ゆくゆくは外傷性脳損傷以外にも
- 慢性期脳梗塞
- パーキンソン病
- アルツハイマー
などへ適応を広げていくとも言われていたのです。
もし慢性期脳梗塞に効く特効薬が開発されたとなれば、これは世界初の出来事となります。
問題の販売に関しても、
- 日立化成と提携
- 自社販売方針
といった背景が後押ししてくれていました。
こういったことから投資家からSB623に対する思惑は強く、治験の進捗によって株価が大きく左右される状態であったと考えられます。
2018年11月のIRで暴騰
サンバイオは2018年11月の時点でそれなりに株価を上げていましたが、暴騰したのはあるIRがきっかけでした。
「SB623の日米共同治験において、第2フェーズの主要評価項目を達成した」という材料が出たのです。
これを簡単に言うと、「SB623の有効性を示すことができました」という意味になります。
国内には条件付き早期承認制度もあったため、「サンバイオの治験薬が実用化される日は近いぞ!」と投資家達が色めき立ちました。
結果的にサンバイオは寄らずのストップ高を含めながら連続スト高。
株価上昇に勢いがつき、短期的に株価が3倍以上にもなったわけですね。
思惑が事実になりそうだと、買いエネルギーが高まったことがチャートからもわかります。
サンバイオの株価暴落理由
ところがそんなある日、サンバイオの株価暴落が始まります。
外部参照リンク:サンバイオ|IR
2019年1月29日に、「慢性期脳梗塞を対象とした第2フェーズ後期相に関する主要評価項目を達成できなかった」という速報が出されたのです。
慢性期脳梗塞はSB623の思惑において大きなウェイトを占めていたので、これが株価暴落のトリガーとなりました。
ここで重要なことは「買い圧力が一夜にして売り圧力に転じた」ということでしょう。
サンバイオはバイオベンチャーですから、万年赤字企業です。
にも関わらずここまで株価が高騰したのは
- 新薬によって黒字企業へ転身するはずだ
- 株価の上昇は将来の利益を織り込んでいる
という側面があったと言えます。
もっと言えば機関のアルゴが反応したことで急騰したのかもしれません。
それなのに、肝心の臨床試験でつまづいたとなれば・・・株価は一気に巻き戻しとなりますよね。
結果的に、一気に売り圧力が増えたことで4連続寄らずのスト安となりました。
株価が寄っていないわけですから、高値で捕まった人はほとんど逃げることはできません。
売りたくても売れないまま5日が経過し、そこで一気に出来高が急増していることが印象的です。
思惑で株価が暴走していた状態からその思惑が崩れた場合、こんなにも恐ろしい事態が起こるのかと戦々恐々としてしまいます。
株価暴落と資金管理能力
ここまで読んでみて、あなたはサンバイオについてどう感じますか?
- サンバイオのような銘柄には触るべきではない
- サンバイオのような銘柄に挑むべきだ
どちらの考え方も正解だと私は思います。
しかし、もしサンバイオのような銘柄に触るのであればある程度の経験や資金管理能力は必要でしょう。
例えば、資金が100万円あったとします。
サンバイオの株価が2000円の時に資金の全てを投入していれば、高値圏では500万とか600万まで増えているわけです。
普通の会社員が1年とか2年かけて稼ぐ金額を、たった数か月で貰うことができちゃいます。
これこそが短期で株式投資(投機)を行うメリットであり、サンバイオのような銘柄はその最たる例です。
しかし、これは逆も然りですよね。
サンバイオの株価が1万円の時に資金100万を全て投入していたら、80万ほど損失を被るという結果になります。
もしこの100万円があなたの生活にとってかけがえのない金額だった場合、あなたは破産に大きく近づきますね。
一方、たくさんある資産の中のほんの一部でしかない100万なら「いやー、株で大損しちゃったよ」くらいなものでしょう。
何が言いたいか?
- 短期急騰型の大相場には暴落リスクも潜んでいる
- バイオ株ならなおさらリスクは高い
- 大きく資産が減るリスクを考えれば、投入資金額の重要性はより高い
- 自分がどれくらいのリスクを許容できるのかという初歩的な要素に戻ってくる
ということです。
サンバイオのような株を触れば、大きく増える可能性も高まります。
その反面、それだけリスクを負うことになるので資金管理能力という初歩的な内容を再考する必要があるでしょう。
何も考えず株式投資を始め、話題となっている銘柄に片っ端から資金を入れて大丈夫ですか?
サンバイオの株価暴落劇から「資金管理の重要性」を再確認し、フルポジションを取るリスクを考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?今回はサンバイオの株価暴落理由についてご紹介しました。
サンバイオの暴落劇は非常に鮮烈なものでしたが、おそらく多くの方が忘れているかと思います。
このあたりでもう一度、暴落チャートを見返して資金管理の重要性を確認してみましょう。
大きく増やすチャンスは大きく減る機会にもなり得ます。
資金管理を考えながらリスクを取っていきたいものですね。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!