くら寿司・元気寿司は株価暴落なのにスシロー1人勝ち!その理由と教訓は?

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資の世界には内需株というものがあります。

内需株はディフェンシブ株とも呼ばれ、薬品や食品など生活に欠かせない分野のセクターが含まれています。

食品関連の中でも外食産業の認知度は高く、株主優待などの背景もあって人気です。

特に人気なのは回転寿司チェーンを展開する企業と言われています。

今回はその中でも有名な

  1. くら寿司
  2. 元気寿司
  3. スシロー

について書きました。

くら寿司と元気寿司の株価暴落からどのような教訓を得られるか考えていきましょう。

    

くら寿司と元気寿司の株価暴落理由

まずこちらをご覧下さい。

これはくら寿司(上)と元気寿司(下)の月足チャートです。

どちらも2018年の半ば頃から株価が暴落していますね。

回転寿司は外食産業の中でも人気があり、見通しが明るいと考えられていたのになぜでしょうか?

寿司ネタの高騰

株価暴落理由のひとつに「寿司ネタ価格の高騰」が挙げられます。

少し前から、色々な魚に「値段が上がる」というニュースが聞かれるようになりました。

マグロにサーモン、イクラ、カツオ、えんがわなど人気の寿司ネタに価格高騰の波が来ているようです。

また、水産関係では後継者問題や燃料費問題、漁獲量の低下などが問題視されている背景もあります。

さらに、これらの輸入には円高の影響も関わってくるでしょう。

回転寿司はもともと原価率が良いと考えられていましたが、肝心の寿司ネタ価格高騰によるネガティブイメージがきたと考えられます。

設備投資の負担

「設備投資の負担」も回転寿司チェーンの株価暴落原因として挙げられます。

例えば、最近の回転寿司屋さんではそれぞれの席に注文品を届けてくれるようなシステムがありますよね。

  1. 子供からの人気を狙って電車をモチーフにしたもの
  2. 注文品を音声案内する

など、少し凝ったシステムもあります。

また、卓上の端末も一昔前はなかったものです。

お店によっては食べ終わったお皿を入れてガチャガチャが引けたりと、それぞれ色々なシステムを導入しています。

こういった設備投資をしなくてはならない流れも、回転寿司チェーンの株価暴落原因のひとつとして挙げられるでしょう。

ちなみに「店舗増加による人件費増」も設備投資と合わせてコスト増加の原因になっているかと思います。

回転寿司の強みは節約志向が高まり外食を避ける風潮の中でも、1皿100円といった低価格で提供していた点です。

回転寿司屋さんを経営する上で、ハード面でのコスト増加は利益率に大きく影響する要素でしょう。

また、もともとの銘柄人気に加えてお子さんから大人まで大好きなお寿司が株主優待で食べられるといったこともあり、株価水準はやや割高でした。

その分、株価も大きく暴落した結果が上記のチャートだと感じます。

スシローの株価は暴落していない

では次にスシローの株価推移を月足チャートで見てみましょう。

おやおや?くら寿司や元気寿司の株価暴落と逆行して上昇トレンドを維持しています。

競合回転寿司チェーンの株価が暴落しているのに、スシローだけなぜ堅調な株価推移なのでしょうか?

その大きな理由のひとつとして「営業利益率を高める施策を最も効率的に取っている」という点が挙げられます。

営業利益率とは「売上のうち、どれくらいの割合を本業利益として残せていますか?」という指標のことです。

例えば1億円売り上げて、利益が1000万残ったら営業利益率は10%となります。

くら寿司と元気寿司とスシローの営業利益率を比較してみると・・・

このようにスシローが最も高い結果となっていますね。

ちなみにスシローの2019年期は7.2%予想と増加傾向を継続です。

営業利益率は10%あれば高水準かと思いますが、回転寿司チェーンは原価率の割にやや低い印象があります。

それでもスシローは7%というまずまずの利益率があって、しかも上昇傾向にあるのは好印象ですね。

スシローの営業利益率を高める施策とは

株価が暴落している競合と比べて、スシローの営業利益率が高い理由はなんでしょうか?

例えば、スシローの水留社長はインタビューでこのように述べています。

  1. 生産性を高めながら労働時間を減らし、人件費を抑える
  2. セルフレジや皿の自動計算システムを導入した
  3. 販促キャンペーンの実施で既存店売上を上げた
  4. 売上の少ない平日を高め、追加コストなしで収益を高める
  5. 引き続き既存店が成長していけば人件費の増加分を吸収できる

外部参照リンク:日経新聞|1皿100円続けられる?スシロー水留社長に聞く

このインタビューにもあるように、スシローは期間限定販促キャンペーンや次世代型の店舗改革に積極的な背景があります。

特に既存店売上に影響したのは販促キャンペーンです。

安くておいしいまぐろに特化したキャンペーンや、見た目やお得感に特化したキャンペーンなどを打ち出すことで客を引き寄せることに成功しました。

また、2018年9月には一部商品の単価を下げたり、期間限定で値上げを実施して豪華さを上げたりとバランス感覚のある施策も打ち出してましたよね。

有名番組などにも露出し、まさに回転寿司チェーンの中で一人勝ちという結果と言えます。

記事執筆時点でも22か月連続で既存店売上が前年同期比を上回る状態です。

こうした企業努力が競合よりも身を結んだことで

  1. 材料費の高騰を追加コストなしで賄う
  2. 人件費や設備投資費の増加をこなす

といった結果となり、株価も堅調な推移となっているのでしょう。

外部参照リンク:みんかぶ|スシローGHは4日続伸、8月既存店売上高が22カ月連続前年上回る

回転寿司チェーンの株価暴落から得る教訓とは

こういった回転寿司の暴落や一人勝ちを見ると、

  1. 既存店売上や利益率の比較は重要である
  2. そこから、なぜ利益率が高いのかを考える
  3. 同業他社内で一番強いものに投資する

といったことが教訓として得られます。

株式市場には同じ経営体系を取っている企業は複数あるわけです。

しかし、それぞれの内容を見ると色々な特徴もあります。

外食産業では自分自身が利用できるということもあり、そういった特徴の違いも感じやすいはずですよね。

四季報で数字を比べ、実店舗でその違いを肌で感じることは良い勉強になると思います。

セクター内でぶっちぎりで強い企業があれば、株価が暴落している銘柄は無視して構わないでしょう。

株価暴落によって投資妙味が明確にあれば別ですが、そうでない限りは数字で判断して、それが株価推移として如実に現われているのなら需要がある銘柄を狙うべきです。

業種内の問題点をはね除けて成長性が高まっている企業は魅力的ですので、そういった銘柄に資金を入れていきたいものですね。

まとめ

いかがでしたか?今回はくら寿司、元気寿司の株価暴落とスシローの堅調な株価推移から得る教訓をお話しました。

同業種の中で輝いている株があれば、数字を比較した上で内容を吟味してみましょう。

暴落している株よりは、セクター内で一人勝ちしている株の方が利益を出しやすいと思います。

スシローのような株をぜひ見つけてみてくださいね。

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