頻出!デイトレで役立つ売り枯れ判断方法を実例解説します。

    

売り枯れという言葉は株価が上がりやすい状況を表していて、これをどう捉えていくかが重要です。過去記事では非常に長いスパンでの売り枯れを主に紹介しましたが、今回はより身近な例として「株価推移の中で一瞬だけ垣間見える売り枯れの瞬間」について述べていきます。

このケースは主にデイトレで役立つものですが、スイング銘柄をなるべく良い所(持った瞬間から含み益)に持って行きたい場合にも役立つでしょう。

あくまで私見ではありますが、実際にこの考え方で利益を出しているので信憑性はあると思います。

    

デイトレ中の売り枯れ判断

今回ご紹介するデイトレ銘柄はJMDCというマザーズ銘柄です。この日は前日の米国株式市場が大きく下げたこともありとても地合いが悪く、市場全体で大きく売りが出る寄り付きとなりました。

寄り付き直後の売り枯れ

JMDCもこのように寄り付きから大きくギャップダウンかつ大陰線を引いていて、売り込まれる展開からスタートしています。しかしそこから10分ほどすると1つ目の売り枯れが確認できました。

というのも大陰線のあとにすぐ下ひげで切り返し、なおかつ3つ目のローソク足(9:10からの5分間)で出来高が激減しているからですね。売り枯れを判断する際にはこの出来高推移がとても重要になってきて、大きな出来高が出たあとに激減するという場合は短期的な売り枯れを連想しやすいでしょう。

反発後の売り枯れ

本来ならここでポジションを取りたかったのですが、ここでは指値が置いて行かれる展開になったまま大きく株価は反発。そのまま今度は5分移動平均線の上に乗りました。こういった状況でよく私が考えることは

  1. このまま5分移動平均線の上をキープできるか
  2. 移動平均線が上向きのまま推移できるか
  3. 次は少し強引にポジションを取りたい

といったことです。このケースではその後

  1. ぴったりと安値を5分移動平均線に揃えている
  2. 時折高値をつつく(上ひげ部分)
  3. 三角保ち合い様のローソク足推移

となっているので、目線的には上方向を意識する場面でした。そのため・・・

ここで最良気配に指値をしてエントリーしています。考えとしてはこのまま保ち合いを上抜けして高値更新するというもので、この最大の根拠となるのは赤矢印で示した9:40のローソク足と出来高です。

見ていただければわかりますが、9:35の上ひげで少し高値をこづいた後の出来高激減ですよね。これは再び短期的な売り枯れを確認できたと感じたからこそ少し強引にポジションを取ることが出来た恰好です。

短期売り枯れを利用して利食い

結果的にまた株価は続伸し、売り指値5050円まで到達してくれました。ちなみに5050円に深い意味はなく、中期線が抵抗帯となる可能性を考えたのでここに指しただけです。

再び売り枯れ

中期線で抵抗を受けたのか、そこから株価は少し下げます。しかしすぐに下ひげで切り返し、また朝一と同じような展開になっているのがおわかりでしょうか。やはりポイントは赤枠内一番右にある10:15の小陽線です。

ここでも出来高激減となっていて、その直前の上下動で売り枯れが誘発されたのだと思います。また、小陽線からひとつ先の極小ローソク足で出来高が増えていますが、もしかしたらここで少し大きめの利食いがあったのかもしれませんね。結果的にはそれをこなして中期線を越える大陽線になったので強いといえば強い状況になるのかも?

このケーススタディのポイント

JMDCが見せてくれたある日の値動きをざっと見ながら短期的な売り枯れについて述べてきました。このケーススタディでわかることは「細かな値動きの中でも売り枯れは起きる」ということですね。

例えば大きく株価が上がったあとにまた下がって、そしてまた上がるといった流れの中では

  1. 株価が上がったからすぐ乗ろう
  2. と思ったら下げたすぐ売ろう
  3. あれまた上がった一体どっちなの
  4. もう怖くて乗れません

といった投資家の心理が見えるので、この最後の「もう乗れません」となったところを狙うのがポイントかなと感じます。

そしてそれを感じ取るためのツールが出来高です。株価が上下に動いたあと不自然なほど出来高激減となったら怪しいなと考え乗っていけば短期的な売り枯れから利益を得られると思います。

ただし、出来高はあくまで事後的な情報ではあります。5分足であれば5分経過しないとそのローソク足とそれに付随する出来高は完成されないのでひたすら後手の判断ですよね。

そこを補うためには板読みが必要となってくるわけで、実は今回ポジションを取る際にも板読みは行っていました。例えばこれは上がるなと確信した瞬間は厚い売り注文が一斉に消えた時でした。イメージとしては

厚い売り注文帯に注目

こんな感じの分厚い売り注文帯が一気に解消された(おそらくキャンセルされた)ので、「抵抗が減ってここから保ち合いを上抜けするだろうな」という解釈ですね。板状況はめまぐるしく変わるものではありますが、出来高推移に先立って怪しさや状況変化を教えてくれるので併用すべきでしょう。

まとめ

今回はザラ場中に確認できる短期的な売り枯れを実例解説しました。これらはデイトレで役立つ考え方で、板読みと併せると強力な売買手法となるでしょう。ただし短期的な需給の歪みを狙うものではあるのでどこまで効果が続くかはその状況によります。

今回のように連続的に売り枯れが確認できることもあれば、すぐに寄り付きの安値を割ることもあるので損切りする場合の想定も必要でしょう。売り枯れは投資家の心理が大きく関係しているので、出来高や板を見ながらしっかり感じ取っていきたいですね。

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