どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資をやっていると地合いの変化に右往左往させられてもううんざり・・・なんてことを考えてしまいますよね。
ただ、株の最終的な価値は「企業が生み出している利益」によって決定されます。
地合いはそのときに大きく影響しても個別銘柄の本質的な価値まで落としているわけではありません。
そこでおすすめなのが自分の保有株を利益成長率によって分類しておく考え方。
これはかの有名なピーターリンチの書籍で紹介されている考え方ですね。株の本質的な価値やポテンシャルを考える上で重要なお話ですのでぜひご参考下さい。
急成長株や資産株などの分類定義
まず簡単ではありますが、利益成長率で分類した場合の名称や定義をお伝えします。
- 急成長株:前年比で20%以上の増益
- 優良株:前年比で10%以上の増益
- 低成長株:前年比で0~10%未満の増益
- 景気敏感株:景気によって利益が大きく左右(利益は景気相関)
- 業績回復株:赤字から黒字転換して成長し始めた
- 資産株:企業が保有している資産価値が高い
以上が企業を利益率で分けたときの6パターンです。資産株だけは利益率ではなく企業が持っている資産が大きいことを定義としています。
ここでいう「資産」には不動産から有価証券まで色々なものが含まれます。しかし重要なことは「流動性が高くすぐに現金化できる資産が多いかどうか」です。
極端な話、すぐにお金に換えられないものをいくら保有していようといざ資金繰りが苦しくなった場合には意味がありません。
企業が倒産して株式の価値が0になるかどうかという観点では
- 流動資産が多い割に株価が割安
- すぐに現金調達が出来ていざという時のキャッシュもある
- 事業基盤がしっかりとしていてキャッシュフローが豊富かつ借り入れがなくても事業継続が可能
といった条件を満たしているものを資産株と呼ぶことが好ましいでしょう。これらは大型株に多い傾向ですが、景気敏感株の要素を持ち合わせていることもあるので注意です。
急成長株は新興市場に多い
企業の時価総額が大きくなってくると業績も安定してくることが多いでしょう。成熟した企業では景気敏感株で業績の増減が激しくても、黒字はしっかりと確保されている場合も珍しくありません。
しかし、それは業績の成長率が小さいということでもあります。最高益更新という情報を聞いてチェックしたのに数%しか伸びていないなんてこともしばしば。
その点、新興株は事業規模が拡大しきっていないため利益成長率が大きく急成長株や優良株に分類されやすい特徴があります。
事業が安定していないので突然に業績が落ち込む可能性もあるのですが、一度成長が始まってしまえば四半期決算や本決算で良い数字を連続で出してくることも多いでしょう。
利益成長率が50%や100%オーバーを狙いたいのであれば間違いなく新興株で探した方が早いです。
最初は成長率がギリギリ20%超えでも、徐々に伸ばしてくることもあります。良さそうな銘柄はリスト化しておき、安くなったところを買っておくこともひとつの手ですね。
急成長株は短期的に大きく株価が上昇することも多いので、過熱感も出やすい特徴があります。
チャートをよく観察して一度調整が入りそうであればポジション調整をしても良いでしょう。
ただし復活上昇で高値更新していくことも多いので、成長が続いているうちはリストから除外はせず継続的な監視を続けてください。
優良株はもっともバランスが良く長期保有しやすい
利益成長率だけで考えれば急成長株がナンバーワンです。しかし、急成長株はその素晴らしい成長率によって色々な投資家の注目を浴びてしまい暴騰や暴落が起きやすいのも確かですよね。
チャートが荒れやすいことを考えると、一番安心して長期保有できるのは優良株と考えられます。
安定して10%以上の成長を続けている株はROEなどの収益力指標も優秀で、財務的な安全性も備わりやすい特徴があります。企業としての質が高いので安心して保有を続けられることが最大のメリットですね。
ただし、成長率が下がり、「低成長株」の部類に入り始めたときは再度企業分析を行う必要があります。
- なぜ成長が鈍ったのか?
- それは今後も続くと予想されているのか?
- 業界の状況はどうか?
こういったことを考え、保有をやめるのか決定しましょう。
低成長株の使い道は割安度が増したとき
低成長株は利益成長率が一桁台の銘柄を指します。これだけ聞くと「なんだ見るに値しない株だな」と考えてしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、大型株のような事業規模が成熟した企業はこの分類に入ることも多いんです。
時価総額が大きくて財務的な安全性があり、企業としての認知度や信頼性も厚く、配当も利益も安定していて、年率で数%ずつ着実に成長している・・・と考えればかなり魅力的なカテゴリーだと私は考えています。
したがって企業価値よりも割安な水準に株価が位置しているときは積極的に買って良いでしょう。地合いが悪化したときにはその傾向が強まりますから、下げ止まりを狙って買ってしまいましょう。
資金が大きくなってくるとこういった銘柄にも目をつけていく考え方は大事になってきます。ちなみに何期も連続して増配しているものも含まれてくるカテゴリーなので配当を意識した選定もおすすめです。
業績回復株は長期目線で買わない方が良い
もうひとつ新興株に多いものがあります。それが業績回復株。
業績回復株は最初に赤字の状態です。つまり株価はかなり安くなっているか、倒産は時間の問題だと考えられている水準。
そこから黒字転換するので短期で何倍にも株価が上昇することも多いです。赤字から黒字転換した場合にはこのタイミングを狙って短期~中期の目線で売買をするのがおすすめですね。
せっかく黒字転換しているのになぜ短期で売買を終わらせてしまうのか?その理由は
- 短期で株価上昇した場合は過熱感があり、暴落リスクが高い(テクニカル観点)
- 赤字で経営が苦しかった過去がある場合、「経営基盤が弱い」という問題が根本にあるため(ファンダ観点)
という2点があります。業績回復株を長期目線で保有してしまうと、このどちらかの問題によって損失を受ける可能性があるでしょう。
したがって投機やトレードで利益を稼ぐのであれば良いですが、もっともっと業績が良くなることを期待して長期保有するのはおすすめしません。
ちなみに、難易度が高い売買になる可能性が高いので自信がある方だけ投機やトレードをしましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は利益成長率から株を分類する考え方をご紹介しました。
今回は私の考え方を入れつつお話しましたが、この分類方法の詳細は「ピーターリンチの株で勝つ」に記載されています。
株式投資をやる上で読んでおいた方が良い考え方が多く盛り込まれていますので、一読されることをおすすめします。
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