どうも、ひげづら(@higedura24)です。
歩み値はザラ場の値動きを考える上で重要なものとして知られています。しかし昨今の株式市場では機関投資家のアルゴが猛威を振るっており、瞬間的に歩み値が増えていくことも多いです。
値動きの早い板では次から次へと歩み値が流れてくるため、監視が追いつかないこともしばしばあるでしょう。そこで歩み値初心者さんにお伝えしたいのが「歩み値にフィルターをかけて観察する」という見方です。歩み値がどれだけ流れようと、一定の出来高以上の歩み値以外は表示されなくなる設定をご紹介します。
歩み値に慣れるまではこの見方をしてみるのがおすすめです。
歩み値を出来高で絞り込んで見る方法とは
今回ご紹介するのは、ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)のスマホアプリで提供されている「歩み値の絞り込み機能」です。
スマホで歩み値が見れる証券会社は限られていて、ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)の他には楽天証券でも提供されていますよね。
ただ楽天証券の歩み値に絞り込み機能はないので、流れてくる歩み値を地道に確認するしか方法はありません。そこで、マルチタスクでライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)のアプリを裏で立ち上げとくと
- 楽天証券:見慣れた画面でチャート確認や注文
- ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券):歩み値チェックのみに活用
という使い方ができます。これは複数アプリを同時に立ち上げられるスマホならではの技ですね。では例として、トヨタ自動車の歩み値をライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)のアプリで見てみましょう。
この歩み値を見るとほとんどは1000株にも満たない出来高ですが、所々に1500株前後の出来高もあるようです。株価が7400円ですから、1500株で約1000万円分の売買が約定しているという意味になります。シンプルに考えると、
- 100株や200株は個人投資家の売買
- 1000株や2000株だとそれなりの大きさの売買
という解釈ができそうですね。
値動きを考える際に重要なのは、個人ではなく機関投資家の注文動向です。そこで図の上部にある絞り込み設定を入れて歩み値を見てみるとこうなります。
設定欄は
- 約定値(株価)
- 出来数量(株数)
の2つがあり、歩み値を任意の条件で絞り込むことが可能です。絞り込み機能は「絞込ON」というオレンジに点灯している部分をタッチすれば簡単にOFFにできます。
この例では試しに
- 約定値:設定なし
- 出来数量:2000株
で設定してみました。出来高で絞り込むことで、先ほどより表示される歩み値の数が大幅に減り
- どういった時系列において
- どの価格で
- どれだけの大きさ
で大きめな歩み値がついたのかがわかりやすくなりました。今回はみんなが知っている銘柄で適当に設定値を入れて絞り込みましたが、この機能を使えばかなり効果的に値動きの流れを知ることが可能です。例えば、ザラ場の板では
- 板が一定以上の価格に上がらないように大きな売り板を置く
- その下で売りを出させ、買い集める
- その後、売り板を成行買いして上に価格を進める
といった流れがよく起こります。
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この時の成行買いでは厚めの売り板を食べるという流れから大きな歩み値がつきやすいですよね。こういった背景から時系列で大きな歩み値を追っていくと流れが読みやすいわけです。個人の小さな約定を無視して、一定以上の歩み値のみ観察できることは非常にメリットがあります。
歩み値の出来高設定は銘柄によって変える
歩み値の絞り込みを出来高で行う際には、「銘柄にあった設定値を入れる」という見方を重視してください。例えば、時価総額が500億円の銘柄とトヨタ自動車の板では全く見た目が違うはずです。
時価総額が小さい銘柄は板が薄い傾向にありますし、大型株ほどどの価格にもびっしり注文が詰まっている傾向にありますよね。したがって、1回あたりの約定でつく出来高の大きさも変わり、絞り込み設定の最適値も違います。ちなみに最適値は普段の歩み値や、当日の雰囲気で設定を考えてください。また、株価の桁数によっても設定数を変える必要がありますね。
歩み値の約定値設定は節目を意識する
歩み値を約定値で絞り込む見方も、値動きを考察する上で非常に効果的です。例えばこんな日足チャートがあったとします。
日足の直近高値をザラ場でブレイクした場合、そこでブレイクアウト手法をとる方も多いでしょう。その際に考えたいのは「日足高値以上の価格帯でザラ場上昇力が続くかどうか」という点です。そこで、先ほどの歩み値の絞り込み機能が役立ちます。
約定値設定を日足高値以上にして、
- 大きな歩み値がどれだけの勢いで出てくるか
- 日足高値以上で買い圧力が続くか
といったことを確認しましょう。
デイトレであれば自分が保有する間強ければ良いですし、スイングであれば大引けまでそれなりの株価を維持してもらう必要があります。株価が上がるにつれて、定期的にまとまった歩み値が繰り返されるようなら期待できるでしょう。
歩み値を出来高で絞り込む弱点
歩み値の絞り込み機能には「アルゴやアイスバーグ注文を見抜きづらい」という弱点があります。例えば、「この価格で約定したら300株ずつ連続的に発注させる」というアルゴがあったとしましょう。
出来高数量で歩み値を絞り込んでいた場合、この細かな約定は歩み値に表示されません。本来なら3000株の約定となるところを300株ずつ分割されるので、見逃してしまう可能性があるわけです。歩み値を絞り込むとこういった状況が起きるので、
- 板状況も併せて確認する
- 絞り込み機能はたまにoffにしながら活用する
という必要があります。
まとめ
いかがでしたか?今回は歩み値を出来高や約定値で絞り込んで見る方法をご紹介しました。約定値や出来高で絞り込むと、大口約定の推移を簡単に観察できるので初心者さんにおすすめです。楽天証券で歩み値を見ている方もそうでない方も、現在お使いのアプリと併用しながら有効活用してみてください。
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関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!