どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株の世界には「窓開け」と呼ばれる「前日終値から乖離して寄りつく値動きパターン」があります。
いわゆるギャップアップやギャップダウンという状況ですが、これらには「一度窓埋めした後にまた同じ方向に値動きする」という性質もあります。
投資家の中にはこの性質にボックス推移を組み合わせて利益を得ようとする方もいますが、果たしてこれは正しいのでしょうか。
この記事ではボックス推移と窓埋めを活用したトレードについて考察していきたいと思います。
トレード手法は自由ですが、ひとつの考え方としてご参考下さい。
ボックス推移と窓開け
まずボックス推移について解説します。
ボックス推移とは
- 一定の値幅の中で規則的に上下するパターン
- 理論的にはボックスの安値もしくは高値を抜けると新しい価格幅で同じことを繰り返す
- 次の価格帯に移動する際にはトレンドが発生することもある
- 安値高値を抜けても再度元の価格帯に戻る可能性もある
といったものです。
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要はわかりやすく同じ値幅で推移するので、比較的値動きを読みやすいケースでしょう。
次に窓開けやギャップですが、
- 前日の終値から幅を空けて寄りつく
- その隙間を維持して終値を迎える
- 空けた隙間はどこかのタイミングで埋める値動きが入る
といったものです。
また、上記のようにボックス推移の中で発生するギャップを「コモンギャップ」と呼び、短期的に窓埋めされる確率が高いと言われています。
ボックス内の窓埋めを利用して利益を得るトレード手法もあるようですが、個人的にはあまりおすすめできません。
ボックス推移では窓埋めしやすい?
窓開け例で出したチャートは「ボックス推移中のギャップアップ」が確認でき、しかも窓埋めが比較的短いスパンで行われています。
また、窓埋め後には元の方向に動いているので、
- 窓開け後に逆張りすれば窓埋めによって利益が出る
- 窓埋め後に逆張りすれば利益が出る
と考えてしまいそうです。
ただし、ここでいくつか気になるポイントがあります。
窓開け後のエントリータイミングがわかりづらい
例えば窓開けを確認後に「どこかで窓埋めしてくるはず!」と逆張りエントリーしたくても、どこで入れば良いのかわかりづらいですよね。
一旦は窓開け方向に株価が進みやすく、タイムラグがあった後に窓埋めするケースが多いでしょう。
エントリータイミングによっては、しばらく含み損になることも十分に考えられます。
トレードをする際にはどこで買い(売り)始めるかが重要になってきますが、それが明確でないことは大きなデメリットでしょう。
窓埋め後の逆張りタイミングも明確でない
同様に、窓埋め後の逆張りタイミングも悩んでしまいます。
そもそも窓埋め後に必ず反転するわけではないですし、したとしてもすぐ反転するかはわかりません。
窓開けでも窓埋めでも、
- 逆張りの期待値に疑問が残る
- エントリータイミングが明確でない
ことは非常にネックですよね。
安値や高値を抜けたら損切り幅が大きくなる
ボックス内のギャップを利用してトレードする最大のデメリットは「安値や高値を抜けたら損切り幅が大きくなる」という点です。
例えばボックスのど真ん中でエントリーしてしまうと、現状の価格帯の半分以上が損切り幅となりかねませんよね。
ボックスを抜けた場合にはトレンド発生の可能性もあるので、そういった意味でも損切り幅が拡大しやすいでしょう。
また、中には一度ボックスから抜けた後に元の価格帯に戻ってくるケースもあるのが厄介です。
通常であれば、この場合は
- 一度損切りをしてから様子見
- また元の価格帯に戻るようならダマシとして順張り
という流れが多いでしょう。
このようにボックス帯のトレードでは、トレンド発生やダマシの可能性を考えなくてはならないので「中途半端なエントリー」は避けた方が良いです。
そもそも株価がボックス推移をしているということは
- 市場が方向感に迷っている
- 株価がもみ合って調整されている
といったことが考えられます。
そういった状況で中途半端にエントリーすること自体が微妙な気もしますよね。
結局はボックス安値や高値をエントリー目安にするのが望ましい
ボックス内でトレードするのであれば、やはりボックス安値や高値を目安にエントリーすることが望ましいです。
もちろん安値抜けや高値抜けの可能性は変わらずあるのですが、
- エントリーが明確になり、タイミングを引きつける意識も出やすい
- 損切りとなっても傷が浅く済みやすい
- ポジションをドテン(逆方向に変更)しやすい
といったことは言えるでしょう。
ちなみにボックス推移の逆張りは利益が乗るまで想像以上に時間がかかるので、1サイクルあたりの時間を事前に調べておくと良いですよ。
安値から高値に到達するまでの平均時間が頭に入っていれば待つ意識も出やすくなります。
もしボックス内の中途半端な位置で入るのであれば
- デイトレなら板読みをする
- スイングなら材料を背景に持つ
という具合に「値動きをカバーする概念」を組み合わせるべきです。
板読みをすることで「やはりボックス高値を目指しているな」という考えになることは割とありますし、材料があれば
- 材料のインパクトや業績期待によって値動きの強弱が掴みやすい
- ボックス抜けまで期待できるか推測しやすい
といったメリットも生まれます。
チャートだけ眺めていても無機質なものですが、値動きの内部状況や背景まで考えてあげると違った見え方になるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はボックス内の窓開けや窓埋めを利用して逆張りするトレードについて考察しました。
基本的にボックス推移では中途半端なエントリーは避けたいので、窓埋めで小さな値幅を取ろうとしなくても良いでしょう。
それよりはボックス安値や高値までしっかりと引きつけた逆張りの方が良いと思います。
ギャップを活用するのであればトレンド発生のタイミングで出るブレイクギャップが良いかもしれません。
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があるのでご参考下さい。それではまた!