どうも、ひげづら(@higedura24)です。
以前書いた記事で株の値動きには
- 上昇
- 保ち合い
- 下降
の3つがあるとお話ししました。
通常、株式投資で話題になりやすいのは上昇もしくは下降のトレンド議論です。
しかし、株式投資の世界にはボックス理論というローリスクローリターンの考え方があります。
今回はそのボックス理論について解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
ボックス理論とは
まずこちらをご覧ください。
これはある一定の価格変動幅で長期間推移しているチャートです。
- 上の赤線:高値抵抗線
- 下の赤線:安値支持線
- 青丸:安値高値到達点
としてそれぞれ印をつけています。
こういった同じ価格帯で行ったり来たりする値動きをボックス推移やレンジ相場と呼び、
- 安値支持線で反発
- 高値抵抗線で反落
- 抵抗線および支持線をブレイクアウトすると、ブレイクした先の価格帯で再びボックス推移する
と考えられています。
こういった考え方を総称したものをボックス理論と呼び、安値で買い高値で売るシンプルな戦略として有名です。
ボックス理論を売買に応用する手順としては、
- 銘柄の過去の値動きを見る
- ボックス推移が多いものをピックアップ
- リスト化し、それぞれの安値高値で売買を行う
というのが一般的です。
ボックス理論では安値から高値までの値幅を取ることが目的であり、想定レンジ内での値動きを追うためローリスクローリターンな手法だと言えます。
ロスカットラインは安値もしくは高値を抜けたときと考え、抜けた先で新たなボックス形成するかを観察するのもポイントですね。
ボックス理論の注意点
ボックス理論で売買を行う際にはいくつか注意点があります。
- 安値高値をテクニカル分析で論理的に捉えること
- 銘柄背景として材料不足や無風状態であること
- 損失方向にブレイクした場合は必ずロスカットすること
安値高値はテクニカル分析でとらえる
ボックス理論で最も重要なことは安値高値を捉えることです。
値動きの形状的に安値高値はほぼ水平に結べるので、考えなしに売買してしまう方も多いことでしょう。
しかし、それでは
- そこが本当に安値高値なのか?
- ブレイクアウトしてしまわないか?
ということがおろそかになってしまいます。
そこで登場するのがテクニカル分析です。ボックスを捉えるのにおすすめなテクニカル分析としては
- 酒田五法
- RCI
が挙げられます。
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ポイントとしては
- 安値高値でどんなローソク足が出るか監視する
- 直近値動きにとっての天底をRCIで測る
ということですね。
ボックス推移では、必ずしも安値支持線から高値抵抗線まで一直線に動くわけではありません。
ボックスの中での上げトレンドと下げトレンドがありますので、今どの辺の価格水準なのかRCIで測りつつローソク足で天底の合図を確認しましょう。
材料不足な銘柄背景
ボックス推移、ということは値動きに方向性がないということです。
すなわち銘柄の背景としては業績が大きく変動することも、何かしらのイベントが控えているわけでもないと考えられます。
もしあったとしても、業績に直結するような大きなものではない可能性が高いんですね。
いわば思惑が無風状態であると考えられ、それがチャート上にボックスとして表れているというわけです。
ボックス理論を利用する際には、値動きを変えるような出来事が控えていないか考えましょう。
ロスカットは忠実に行う
ボックス理論で怖いのは、
- 安値で買ったら安値支持線を下抜けてしまった
- 高値で売ったら高値抵抗線を上抜けてしまった
というケースです。
ボックス推移ではエントリーの性質的に逆張りをすることになります。
想定レンジ内から外れてしまった場合には必ずロスカットを行い、値動きに忠実に従うことが大切ですね。
安値高値を抜けたあとはその上、もしくは下の新規レンジで推移する考えがボックス理論には含まれています。
含み損となる価格帯でボックス推移されても困りますので、一度フラットな状態に戻すことが必要というわけです。
ボックス安値高値の判別例
では実際のチャートで、ボックス安値高値を判別できた例を見てみましょう。
こちらをご覧ください。
これは冒頭で出したボックス推移チャートを
- ローソク足
- 単純移動平均線
- 出来高
- RCI
で表示したものです。
ちなみにRCIは
- 短期線(9日設定):赤色
- 長期線(21日設定):緑色
としています。
このチャートの安値高値部分にこんな感じで番号を振ってみましょう。
ポイントとしては
- まず①と②で安値高値を確認
- ③で折り返せばボックス推移と判断
- ③ ⇒ ②の値幅で売りを考える
- ④ ⇒ ③の値幅で買いを考える
- 安値高値におけるローソク足と出来高、RCIに注目
- 安値から高値に移動する間に当たる移動平均線にも影響を受けている
ということが挙げられます。
流れを考えていくと、まず①および②の時点では安値高値がわかっていません。
実際に過去の安値高値で折り返したぞ、とわかるのは③と④のタイミングですよね。
(正直に言うと、これより前の段階で何回も同じ安値高値でボックス推移しているのですが、今回は例として初めて確認したとします。)
③の段階ではまだわからない可能性もあります。
しかし、少なくとも④でこれほど長い下髭が出ているので、その時点でボックス推移をイメージするべきです。
④~⑤の部分を拡大してみると・・・
赤丸部分では
- 安値:出来高を伴って下髭(カラカサ)
- 高値:出来高を伴って上髭(トンカチ)
といった特徴的なローソク足が発生しています。
また、RCIの青丸部分では安値に特徴的なローソク足が発生した少しあとにゴールデンクロスとなっているのがわかります。
一つ目の青丸のあとの値動きでは中期移動平均線から抵抗を受けて一度下落しているのも印象的ですね。
この例から、ボックス推移における安値高値判断ポイントをまとめると
- 安値ではカラカサで下髭
- 高値ではトンカチで上髭
- 安値高値の信頼性は出来高で測る
- 直近値動きにおける安値圏・高値圏はRCIで測る
- 天底で売買しても移動平均線の影響で戻される動きもある
ということになります。ちなみに、ローソク足の形状は
- 安値:大陽線もしくは十字線
- 高値大陰線もしくは十字線
でも大丈夫です。
いずれにせよ、本当にボックスの上から下まで値動きするのであれば、慌てず落ち着いて売買しても大丈夫そうですね。
ボックス理論とブレイクアウト
例えば、ボックス安値で買ってすぐに下抜けた場合にはロスカットとなります。
しかし、安値で買って高値をブレイクする場合もあるわけですね。
この場合は、
- ブレイク時の出来高がどのくらいかによって信頼性を測る
- そこから上昇トレンドの値動きになるか、上の価格帯でボックス推移になるか観察
という流れになります。
ブレイクアウトの背景として、今までの価格帯を上抜ける理由が隠されている可能性があります。
- 決算が良かった
- 新規材料が出た
- 何度も高値にトライしたことでその価格帯の売りが弱まった
といったことが考えられますので、どんな背景がありそうか考えてみましょう。
ブレイクされた高値ラインは、その後のサポートラインに変化する可能性があります。
サポートラインで反発後に本格的なトレンド入りというケースも少なくないのでしっかり観察しておきましょう。
また、ボックスのブレイクアウトは下値支持線や上値抵抗線だけで起きているのではありません。
上から下、下から上に値動きする際にも細かなブレイクアウトがあります。
そういった小さなブレイクアウトをエントリーに活用することも有効ですね。
ブレイクアウト手法はこちらの記事で詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。
ボックス内の値動きをよりシンプルに
安値高値の判別解説で、移動平均線などの影響も受けるとお話ししました。
移動平均線を無視してボックス理論を安全に使いたい!と考える方もいらっしゃることでしょう。
そんな方に向けてアドバイスをしておきますね。
こちらをご覧ください。
こちらは先ほどまでのチャートを週足にして表示したものです。
ここからわかることは
- 週足にするとより規則的に上下動している
- 長くボックス推移すると移動平均線が真ん中で収れんする
ということですね。
よりボックス理論をシンプルに考えたい場合は、週足ベースでできるだけ長いボックス推移を意識して銘柄選定をすると良いでしょう。
移動平均線はトレンド系のテクニカルなので、長い期間のトレンドレスでは効果が弱まります。
まとめ
いかがでしたか?今回はボックス理論の概要や活用方法を解説しました。
ボックスを使いこなせば比較的ローリスクローリターンで売買することが可能です。ぜひ色々なチャートで戦略を練ってみてくださいね。
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