カップウィズハンドルが失敗しやすい条件と重要なベース条件

    

カップウィズハンドルで失敗する例にはどのようなものがあるでしょうか。

カップウィズハンドルはとても有名な上昇チャート形状ですが、もちろん百発百中で上がるわけではありません。正確には正しい選別をしなければ勝率は高くならないというイメージで、使用するためにはやはり書籍をしっかり読んでからが好ましいでしょう。この記事では

  1. カップウィズハンドルの失敗例
  2. カップウィズハンドルを使う上で大事なこと

などをまとめました。どれだけきれいなチャート形状でも失敗することはあります。

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カップウィズハンドルが失敗する条件

カップウィズハンドルの失敗例について述べる前に、まずカップウィズハンドルそのものについて簡単に復習しておきます。

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カップウィズハンドルとはアメリカのウィリアム・J・オニールが提唱した上昇チャート形状です。オニールはバフェットとほぼ同世代で、バフェットが割安株投資なのに対してオニールは成長株投資で有名な方ですね。

また、オニールはCANSLIMという独自手法を用いて探した有望成長株ひとつに資金を集中させる売買スタイルで、数百億円以上の投資ファンドを作るなど数々の功績をあげるほどの腕前で知られています。なぜカップウィズハンドルの記事でこの話をしているのかというと、カップウィズハンドルはこのCANSLIMを構成する一部分に過ぎないからです。CANSLIMは

  1. 当期四半期のEPS(1株あたり利益)
  2. 年間の収益増加
  3. 新製品、新経営陣、新高値
  4. 株式の需要と供給
  5. 主導銘柄か、停滞銘柄か
  6. 機関投資家による保有
  7. 株式市場の動向

といったものをそれぞれ英訳して頭文字を並べたもの。

  1. CANSLIMにどれくらい合致していて
  2. 本当に売買するにふさわしい銘柄か

という点がカップウィズハンドルの大前提にあり、ここは失敗例を考える上で重要ではないでしょうか。

別に信じてもらわなくても構わないのですが、実は過去にこのブログでおすすめ銘柄を記事にしていた時期が一瞬だけあります。その中には現状で大きく株価を伸ばしているオイシックス・メドピア・SHIFT・ベイカレントなど多くの成長株が含まれていたのですが、これらは全てCANSLIMをベースにスクリーニングした結果を述べていました。

上記の銘柄が値動きする中でカップウィズハンドルがあったものもきっとあるでしょう。でもそれは上昇過程の調整におけるひとつの形に過ぎず、もしかしたらダブルボトムになったかもしれないし逆三尊だったかもしれないのです。

要するにカップウィズハンドルを含めたどのベース形成を行ったのかということよりCANSLIMに合致するほど有望な銘柄のチャートで需給が整うことの方が大事だというわけですね。

株価を上昇させる好材料に欠けている

カップウィズハンドルの大前提を伝えたところで失敗例について述べていきましょう。まず多いのは株価を上昇させる、すなわち需給を良くさせる好材料が欠けているケースです。

好材料というものは値動きが先行したあとに遅れて出てくることもありますが、そうであっても事前に「こんな材料が出てきそう」という思惑がある方が良いと感じます。例えばCANSLIMの観点で考えるのなら業績は良くなければなりません。

また、それだけでなく直近の成長率がEPS伸び率20%以上など勢いづいていることなどが求められます。その上で人気化させるようなテーマ性があるとなお上昇しやすく、その過程で起きる調整期間にカップウィズハンドルが発生しやすいでしょう。例えば新型コロナが流行し始めた際には宅配関連が感染防止策から注目されました。

その中でオイシックスという食材や簡単調理セットを宅配する会社も人気化したわけですが・・・

オイシックスのカップウィズハンドル

当該時期の日足ではこのようにカップ形状が頻発しました。オイシックスは全てがCANSLIMに合致するわけではないものの、成長性や時流に合致しているかという点ではかなり良かったですよね。カップウィズハンドルが失敗しないためには「需給状況を助けてくれる後ろ盾があるか」という点が大事です。

ハンドル部分で大きく売られる

カップウィズハンドルは急騰後の売り圧力を調整する、つまり過熱感を冷ます期間として有効なのだと考えます。これはチャート上の需給を調整しているわけなので、後半戦で大きな売りが出てしまうと需給も崩れやすいでしょう。例えば「有力視されていた思惑が崩れた」など何かしらの理由で

  1. 出来高を伴った大陰線が多発
  2. 信用買い残が多いまま大きく下落

となった場合は信用取り組みにしこりが残るはずです。大きな売りというのは出来高が増加するのでわかりやすいだけでなく、リバウンドした際にもその価格帯が抵抗になりやすいでしょう。

カップウィズハンドルの失敗例

例えばハンドル部分で大きく売られてしまうとそれだけでピボットポイントを超えづらくなるので、かなりカップウィズハンドルからのブレイクが成立しづらくなると思います。また、需給という意味では出来高推移がとても大事で、冒頭に掲載したような教科書的な出来高推移をしているかは見ておいた方が良いです。

  1. カップ形成前の上昇時はしっかりと出来高を伴って上昇してきたか
  2. 下落時に出来高が段々と減って底では激減したか
  3. 再上昇でまた増えて、ハンドル部分の試し部分では減っているか

など全体の出来高推移の美しさは需給を表していると感じます。

これはチャートを何年も眺めていて感じることなのですが「有名なテクニカルの考え方が失敗せず教科書通り効いている」ということは参加者がそれを意識していて、需給も整っているということです。カップウィズハンドルが失敗せず急騰までいけるかはチャートの美しさも思っている以上に大事ですね。

カップ部分が深すぎる

カップウィズハンドルが失敗する例でよく見るものに深すぎるカップがあります。例えばカップ高値から底までの下落幅が50%あるとそれだけで底から上がってくるのに結構な上昇率を求められますよね。

株価100円だったものが50円になった場合、そこから再度100円に戻すためにはダブルバガーが必要です。カップの底で買った人目線で考えると売りたくなってもおかしくないラインですし、カップ高値で買った人も同値撤退をしたいでしょう。つまりカップ高値で売りがかなり出やすいと予測できます。

一方、カップの深さが20%程度であればそこまでの上昇率は必要ありません。株価100円だったものが80円になり、再度100円に戻すためには25%程度の上昇率で済むわけです。このくらいだと「値動きが強そうだからまだまだホールドして上値を狙おう」と考える人も割といそうではありませんか?

結局はカップウィズハンドルであっても銘柄の需給によってその後の値動きが決まるので、こういった投資家心理を考えてもカップウィズハンドルが失敗しないために底の深さは大事です。

まとめ:カップウィズハンドルが失敗するかは需給次第

今回はカップウィズハンドルが失敗しやすい条件を述べました。大前提としてCANSLIMのベースに多く当てはまる銘柄かどうかという点はありますが、

  1. 需給を良くさせる好材料・思惑・テーマ性
  2. ハンドル部分で大きく売られる値動きが入る
  3. 深すぎるカップ形状

などは失敗しないために大事なポイントだと感じます。カップウィズハンドルだから成功するのではなく、市場から必要とされる株が良い需給を保ちながら上昇するからこそうまくいくわけです。有名なテクニカル分析だから大丈夫と思いこまず、しっかりとその銘柄がどういった属性を持っていてどういった状況に置かれているのかを考えていきましょう。

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