カップウィズハンドルとは一段高への布石!売りを吸収して天まで駆け上がれ!

    

株式投資の世界にはパターン分析というものがあり、一種の型として知っておくと役立つ考え方と言えます。カップウィズハンドルもそのひとつであり、信頼性の高さゆえ非常に有名なパターンです。

ただし、有名がゆえに色々な考え方があるのも事実なので、今回は関連書籍から感じる私の解釈を含めてご紹介します。この記事では

  1. カップウィズハンドルの基本
  2. 重要な出来高推移
  3. カップウィズハンドル銘柄の探し方

について書きましたのでぜひご参考ください。

    

カップウィズハンドルとは

カップウィズハンドル

カップウィズハンドルとはウィリアム・オニールという有名な投資家が提唱したチャートパターンのことです。具体的には図のような株価推移を指し、チャートにこれが発生したら一段高になると言われています。ティーカップのように見えることが名前の由来で、

  1. 上昇から高値をつけて下落
  2. 保ち合いでカップ形成
  3. 反発からハンドルで再調整
  4. 反発して一段高

という流れになっているのが特徴ですね。個人的な意見としては、カップウィズハンドルの本来の意味は上昇過程でのベース形成だと考えています。

したがって、上昇後に形成するとより意義深いものになるのではないかなと思っているわけです。ただ一般的には底値圏でもカップウィズハンドルと言われることは多く、いわゆる「なべ底」と同義に扱われている側面もあるでしょう。

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なべ底も信頼できるパターン分析なので、結果的には底値でもカップウィズハンドルを考えて良いということになります。ややこしいですが、本来の意味としては

  1. 上昇過程:カップウィズハンドル
  2. 底打ち過程:なべ底

と私は勝手に考えています。

ベース形成とは

オニールの書籍を読むと頻繁に出てくる「ベース形成」とは一体何なのか?

これは「売りたい人を売らせてあげる期間」だと言えます。上昇過程では含み益を持っている投資家も多いですよね。短期的な時間軸でホールドしている人は、そういった含み益をすぐ売りたいと考えます。

スイングメインで株トレードを行っている方の心情として、ある程度利益が乗ったら売って安心したいわけです。カップウィズハンドルを始めとするベース形成では、そういった人が売る期間と言えるでしょう。オニールはCANSLIMというスクリーニング方法を提唱していて、それは業績とチャート両面から銘柄選定を行っています。

したがってCANSLIMで見つけた株がベース形成を行えば、

  1. ベース形成で売りたい人が売る
  2. 売り圧力が低下すれば、業績や企業背景を根拠に一段高

という流れになるだろうと考えています。

ピボットポイントとは

オニール曰く、カップウィズハンドルにはピボットポイントというものがあるそうです。ピボットポイントとは、

ピボットポイント

図のようにカップ部分とハンドル部分をつなぐ高値を言います。ピボットポイントをブレイクするタイミングが絶好のエントリーポイントと言われていて、ベース高値より若干低い位置にあることが好ましいようです。ベース高値とピボットポイントには

  1. 数%~5%ほど価格差がある
  2. さらに早く入るためにはこの2点でラインを引き、ブレイクを見る

ということも有効とされています。

ちなみにカップ部分はゆったりとした底が好ましいですが、下落幅が大きすぎると反発で力を使い果たすことになり兼ねません。この時の下落幅は地合いの状況にもよりますが、ベース高値から大体35%以内の下落を目安とするのが良いです。ハンドル部分は必ずあるわけでもなく、その場合はベース高値がピボットポイントとなります。

カップウィズハンドルの出来高推移

カップウィズハンドルは売りを消化するために行われます。したがって、しっかりと売りが消化されたかどうか出来高推移で確認することが好ましいです。カップウィズハンドルの出来高推移としては、

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このように「カップの底で少なく、株価が上がるほど増加傾向になる流れ」です。また、カップウィズハンドルのハンドル部分は「売り圧力が十分減ったかの最後の試し」なので出来高減少傾向となります。ピボットポイントのブレイクで出来高が増え、高値更新していくようならさらに信頼性が高いです。

カップウィズハンドルチャートの実例

ではここまでの話を踏まえて、カップウィズハンドルの実例チャートを見てみましょう。

このチャートはストップ高のあと高値をつけ、そこからカップウィズハンドルを形成したチャートです。図の赤線で引いた部分でカップウィズハンドルとなっていて、

  1. ベース高値よりピボットポイントが低い
  2. カップの底で出来高減少
  3. ピボットポイントで出来高増加
  4. ハンドルで出来高減少
  5. ピボットブレイクで出来高増加

となっているのがわかります。ストップ高の出来高を抜いて、カップウィズハンドルを見てみると・・・

よりその傾向がわかりやすいですね。カップ形成は数か月かかっていて、最初のストップ高からそれなりの期間を要していることもポイントでしょう。

カップウィズハンドル銘柄の見つけ方

カップウィズハンドルは実例チャートで見たように、形成にはそれなりの時間がかかるんです。その特性と上昇力がある点を加味すると、カップウィズハンドル銘柄の見つけ方は「ストップ高銘柄を追うこと」だと考えています。

もっと言えば、例えば2か月前くらいのストップ高銘柄を見てみれば良いんです。どんな材料でストップ高したのかは重要ですが、そこからカップ形成になっていれば一段高になる可能性があります。ストップ高するくらいですから

  1. 市場がそれなりに好感する材料を持っている
  2. 時価総額がそれなりに小さい

かもしれません。ちなみに、過去のストップ高銘柄は株ドラゴンでスクリーニング可能です。株ドラゴンなら過去に遡りつつ、最新日のチャートを見れるので

  1. チャート形状で良さそうな銘柄をリスト化
  2. ストップ高の要因をチェック
  3. 期待できそうならピボットブレイクを探る

という流れでアプローチしてみてはいかがでしょうか。ちなみにやり方は、

  1. ストップ高ランキングを表示
  2. カレンダーで数か月前に遡る
  3. 「ランキングは過去のまま最新チャート」をクリック
  4. ミニチャート30でチェックしていく

という手順です。この方法で見つけた銘柄の例としては・・・

こんなチャートがあります。3連ストップ高からカップ形成し、そこからピボットまで到達していますね。カップウィズハンドルの後は・・・

こんな形で大幅上昇してくれました。この例では中期線がサポートしてくれているのもポイントでしょう。ちなみにこのあとまだまだ上がっていきましたが、私は早売りしてすごく悔しい思いをしています。

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まとめ

いかがでしたか?今回はカップウィズハンドルについてご紹介しました。基本的には上昇後のベース形成の一種と考えますが、最近では底値形状のひとつとして認識されることもあるようです。

いずれにせよ重要なのはどういった銘柄はカップウィズハンドルを形成しているのかに加え、チャートを見たときに出来高推移や形成期間がどうなっているのか。そしてピボットポイントへの達し方はどうだったかなどでしょう。

見つけ方もさほど難しくないので色々な方法論が考えられますし、パターン分析という側面からも売買判断がしやすいです。何より様々な場面で過去の実績が称えられていることを考えても信頼できるチャートパターンですので、ぜひポイントに気をつけつつ活用してみてはいかがでしょうか。

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