どうも、ひげづら(@higedura24)です。
今回はエリオット波動理論の基本として「推進波と修正波の種類」についてお話します。
前回の「【エリオット波動理論】FXや株で勝つための値動き原則を学ぶ!」ではエリオット波動理論に欠かせない
- 推進波:ひとまわり大きな波を進める動き
- 修正波:ひとまわり大きな波を進めるための調整
ということを含めて前提的な内容をご紹介しました。
今回は推進波と修正波の種類についてもう少し詳しく述べていきます。
今回お話する波動の種類はエリオット波動理論の基本的な考察に必要な知識です。しっかりと特徴を覚えていきましょう。
エリオット波動理論における推進波と修正波
エリオット波動理論で値動きを考える場合、大きく
- 推進波
- 修正波
の2つに分けることができます。実はここからさらに推進波を
- インパルス
- ダイアゴナル
の2つに、修正波を
- ジグザグ
- フラット
- トライアングル
の3つに分けることが可能です。
ダイアゴナル・フラット・トライアングルには変動率が広がっていく拡大型がありますので、厳密に言えばさらに3つ追加できます。
まとめると、エリオット波動理論では合計5つ(拡大型を足すと8つ)の基本波形を核に値動きを考えていくことになるわけですね。
エリオット波動理論では、推進波と修正波が交互に完成していくことでひとまわり大きな波が出来上がり、それがさらに大きな波の一部となり・・・というフラクタル構造になっています。
したがって基本波形の特徴を把握して、波の完成を意識すると非常に考察しやすくなりますよね。
ここからは簡単ではありますが、基本波形の特徴について述べていきます。
エリオット波動理論の推進波基本波形とは
まずは推進波の基本波形2つからです。
推進波基本波形:インパルス
エリオット波動理論における推進波基本波形のひとつ目は「インパルス」というものです。
以下文中に出てくる
- 第1~5波:図中の「(1)~(5)」のこと
- 副次波:図中の小波「1~5」や「A~C」のこと
を表しますのでご了承下さい。
インパルスの特徴としては
- 波同士の重なりが少なく明確な形状となりやすい
- 5つの波を5-3-5-3-5の小波で構成している
- 第1波の始点を第2波が割り込むことはない
- アクション波(1)・(3)・(5)の中で第3波が最も小さくなることはない
- 第4波は第1波に重ならない
ということが挙げられます。特に3~5番目の特徴はインパルスとなるための絶対的なルールですね。
インパルス全体を利益として取れればそれに超したことはありませんが、一般的には反転上昇の第1波を見た段階で推進波の種類を判断していきます。
その段階でインパルスを想定したトレードをする場合、最も狙うべきは変動率が大きくなりやすい第3波でしょう。
インパルスの第3波はインパルス全体の中で大きな変動率(少なくとも2番目に大きな変動率)となりますので、ここを取れれば良いなという印象があります。
また、第2波がもし第1波の始点(上昇初動)を割り込んだ場合には波全体がインパルスではなかったと判断する材料になります。
ちなみに、波の大きさ(第3波の大きさなど)を考える際に重要なのは「変動率」で考える事です。
エリオット波動理論では波の大きさを変動率で考えますので、値幅では他の波に負けていても変動率で大きさを測ります。
そのためには以前の記事で解説したように、通常のチャートではなく片対数チャートを活用していることが大事ですね。
推進波基本波形:ダイアゴナル
エリオット波動理論における推進波基本波形ふたつ目はダイアゴナルです。
特徴としては
- 図のように3-3-3-3-3や5-3-5-3-5の副次波で構成される
- 振幅が狭まるパターンと広がっていくパターンがある
- 第1波と第4波は重なる
ということが挙げられます。
インパルスと違い波の重なりが多く、ごちゃごちゃとした印象が強くなる基本波形です。
副次波はジグザグになることもあればそうならないケースもあり判断が難しく、第5波がトレンドライン(チャネル)を超えていくケースもあります。
ダイアゴナルはインパルスを構成する第1波や第5波の副次波として出現したり、最初か最後の波を構成するものです。
エリオット波動理論の修正波基本波形とは
次に修正波の基本波形3つについてです。
修正波基本波形:ジグザグ
エリオット波動理論における修正波基本波形のひとつ目はジグザグです。
特徴としては
- 修正波の中で最も修正力が強い波形
- 5-3-5の副次波で構成される
- 原則としてA波の終点をC波が超える
ということが挙げられます。
修正波の場面であればどこでも出現する波形ですが、特にインパルスの第2波はこのジグザグとなることが多いです。
基本的にはC波がもっとも下落率が高くなるのですが、時間足が短いとA波の終点を割り込むか割り込まないか程度に収まることもあります。
修正波の最も基本的な波形ですので遭遇する確率も高いでしょう。
修正波基本波形:フラット
エリオット波動理論における修正波基本波形ふたつ目はフラットです。
特徴としては
- 3-3-5の副次波で構成される
- B波の終点がA波の始点付近までくるなど、ほぼ一定の振幅を持つ
- C波の終点はA波の終点を超える
- B波の終点がA波の始点を大幅に超え、C波がA波の終点を大きく超える拡大型もある
ということが挙げられます。
いわゆるもみ合いや保ち合いの印象が強く、ヨコヨコの修正波とイメージできますね。
フラットの形状は何種類かあり、中には図の右側のような一定の振幅を超えてフラットを形成するものもあります。
例えば、A波の始点を超えた場合は高値更新の場面に見えるのでブレイクアウト手法の出番と勘違いしてしまいますよね。
しかし、実際にはフラットの途中なのでC波がA波の終点を割り込む動きを見せるのでダマシとなるわけです。
こういった背景から、個人的にフラットはエリオット波動理論を活用しないにせよ研究した方が良い基本波形だと感じます。
フラットは修正波の場面であればどこでも出現しますが、インパルスの第4波で出やすいでしょう。
修正波基本波形:トライアングル
エリオット波動理論における修正波基本波形の3つ目はトライアングルです。
特徴としては
- いわゆる三角保ち合いの形状で振幅する
- 3-3-3-3-3の副次波で構成される
- 第2波の修正波として発生せず、第4波もしくはB波として出現
- 振幅が拡大していくパターンもある
ということが挙げられます。
トライアングルでは横ばいに価格と時間の修正を行う目的があり、
- 一番大きな波:価格調整
- その他の波:時間調整
という意味合いです。また、三角保ち合いですので、支持線や抵抗線が水平となる上昇型や下降型もあります。
トレードをしていて経験があるかと思いますが、これらのトレンドライン(チャネル)を突き抜ける動きは珍しくありません。
したがってトライアングルは、修正波直前の高値を基準とできるときとそうでないときが出てきます。
値動きが進んでくると徐々に浮かび上がることも多いので注意が必要ですね。
トライアングルが完成すると、推進波の第1波が短期間で出現しやすいので利益を出すタイミングとなります。
しかし、トライアングルが第4波となりやすい性質のため、その上昇は第5波として最後の上昇となりやすいでしょう。
第5波が大きく延長するケースもありどの程度の上昇になるかはその時によりますが、トライアングルが出現したら最後の上昇に向かうとイメージします。
まとめ
いかがでしたか?今回はエリオット波動理論における推進波と修正波の種類をご紹介しました。
最初はとまどうかもしれませんが、意識してチャートを見ていく内に段々と特徴が掴めてくるでしょう。
基本波形に拡大型を追加した8波形の特徴を覚えると、それらをヒントに値動きの方向性や進み具合を判断しやすくなります。
ぜひ色々なチャートを意識して見てみてくださいね。
次は「【エリオット波動理論】複合修正波と修正波の意味合いとは?」です。