株価反転時の出来高分析!この構造をイメージして値動きを観察してみよう!

    

前回記事は「株で出来高とローソク足を見るならこの6ポイントを確認すれば大丈夫!」でした。

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株の出来高分析は値動きの真偽を確かめる上で役立ち、それはトレンド転換を判断する上でも同じことが言えます。

トレンド途中の値動きでは時に転換を思わせるような値動きがありますが、そういった場合は出来高分析で株価の動きを考察していく必要があるというわけです。

そこでこの記事では株価下落途中の出来高分析を例にひとつの考え方となる構造を解説します。

今回お話しするような構造を意識しながら株価の動きを出来高とともに分析していきましょう。

    

株価下落中の出来高分析

株価の下落は天井圏で弱さを見せてから始まることが多いです。

「弱さ」はローソク足に表われ、具体的にはトンカチや十字線と呼ばれるローソク足が発生することが多いですね。

本来であればそこから保ち合いに入り、やがて下降トレンドに移行するわけですが今回は保ち合いを抜いて考えていきます。

トレンドが始まるとその過程で「おや?」というローソク足が出ることもありますよね。

具体的には下降トレンド中に出るカラカサや陽の丸坊主といったローソク足が転換を連想させます。

これらの流れをシェーマで表すと・・・

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こんな感じで、

  1. 天井圏で弱いローソク足がトレンドの終わりを告げる
  2. トレンド転換して株価が下落開始
  3. トレンド中に強いローソク足発生

となります。おそらく、この天井圏での弱いローソク足は大きな出来高を伴っていることが多いでしょう。

しかし、問題はこのトレンド途中の強いローソク足に出来高が伴っているかどうかという点ですよね。

もしこんな感じで・・・

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トレンド途中の強いローソク足に大した出来高がついていなかったら、それはあまり信用しない方が良いかもしれません。

なぜならばその価格帯で機関投資家が買い向かっていない可能性が高いからです。

株価が下落しているときは空売り勢も参入していますので、反発しても空売りの利食いによる戻り高値になることも多いですね。

戻り高値は再度売りたたかれることもしばしばありますから、安値ブレイクに進む流れと考えた方が良いでしょう。

ブレイクした先で再度転換を示唆するようなローソク足が出た場合は、また同じように出来高によって株価の動きに信頼性があるか確かめます。

株価の動きはそういった流れを繰り返しながら

  1. 大局的なトレンド
  2. 細かな上げ下げ

を描いていく性質があり、それがどこまで続くのか判断する材料が出来高分析です。

まとめると・・・

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こんな流れの中、

  1. 黒線:大局的なトレンド
  2. 赤線:戻り高値などの細かな波
  3. 信頼性:出来高分析で確かめる

といった構造をイメージします。

もちろん機関投資家も一括で買っているわけではなく、下落途中や下落後の保ち合いで買い集めていることでしょう。

しかし、こういった構造をイメージするとしないのでは「株価の動きと出来高を理解する過程」に差が出るのではないかなと考えています。

株価下落途中に強いローソク足が複数回発生することで段々と内部変化していく

株価の性質として、一度発生したトレンドはしばらく続くというものがあります。

だからこそちょっと強いローソク足が出たくらいでは戻り高値になってしまうわけですね。

しかし、途中のローソク足が全て意味のないものかと言うとそんなことはありません。

トレンドの途中で少しずつ株価を反対に動かすようなローソク足が出ることで市場センチメントや、内部的な勢力図が変化していくからです。

また、個人的には毎回毎回大きなローソク足が出てくるわけではなくて、目立たないくらいの大きさで強いローソク足を描くこともあると考えています。

最終的な底打ちではできるだけ大きくて出来高をしっかり伴ったローソク足が出てくれることが理想ですが、株価の動き全体としては必ずしもそうならないと覚えておきましょう。

株価や出来高の変化はテクニカルをきっかけに起こることも多い

今回お話したような株価や出来高の変化は市場参加者の意図が関係して起きているものです。

そのため、チャート上に視覚的な目安として描かれているテクニカル分析をきっかけに起こることも多いですね。

具体的には、

  1. 移動平均線
  2. エリオット波動(フィボナッチ)
  3. 節目
  4. 安値高値

といったものがきっかけとなる例です。移動平均線や目安となる価格に注目してあげると、ローソク足や出来高の変化にも気づきやすくなるでしょう。

下降トレンドからの反転例

では実際のチャートで株価が反転していく過程を見てみましょう。こちらをご覧ください。

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これは天井圏で保ち合ったあと下降トレンドに移行し始めたチャートです。

ひとつだけ飛びぬけた出来高があるせいでわかりづらいですが、赤枠の高値で出ているたくさんのトンカチは出来高を伴うものも多いです。

このあと株価は・・・

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このように長い下降トレンドを描きました。チャート左側から右側に進むにつれて出来高は増加しており、売りが続いている印象を受けますね。

しかし株価下落の過程で、赤丸部分で大小のカラカサが発生しています。出来高は盛り上がるものもあれば大して盛り上がらないものもありますね。

特徴的なのは、赤丸ローソク足が節目に差し掛かるタイミングで発生している点です。やはり心理的な節目で買う投資家は多いということでしょう。

また、赤丸でカラカサが出て反発しても中期線で跳ね返されて戻り高値となり、安値を更新しているのがおわかりでしょうか?

この動きが前述の構造でいう赤線の動きですね。では先を見てみます。

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やがて、700円の節目で保ち合いに入ると中期線を明確に超え始めました。

超えるときは陽の丸坊主かつ出来高増加傾向です。そして長期線もその勢いで出来高を伴いながら超えて上昇トレンドに転換しました。

何度も節目でカラカサを引きながら内部変化が起こり、トレンド転換時には陽線で出来高増加となっていることがおわかりでしょうか?

出来高とローソク足(陰線陽線)の組み合わせがいつの間にか変わっているので中々気づきづらいですが、転換初期にはこういった兆候が見られます。

今回の例で考えれば、ずっと上値を抑えていた中期線を超えるタイミングが転換ポイントでしょう。

構造を理解しながらポイントとなる部分にも目を配り、出来高を伴った大きな変化が起きたとなれば少しずつ買っていくと良いですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は下降トレンドからの転換を例にイメージしてもらいたい構造を解説しました。

株価全体の流れやローソク足、出来高に注目して転換の判断をしていきましょう。

次の出来高関連記事は「価格帯別出来高の見方や使い方!意味を知って正しく活用しよう!」です。

それではまた!