どうも、ひげづら(@higedura24)です。
人間の心には損失を回避しようとする機能が備わっていて、それによって様々な副産物が生じているそうですね。
そのひとつに「現状維持バイアス」というものがあり、これは投資の世界においても影響を及ぼしていると言われています。
この記事では
- 損失回避性と現状維持バイアスとはどんなものか
- 投資におけるメリットデメリット
- 影響を及ぼす具体例
- 現状維持バイアスにおいて大事なこと
について述べました。
人間の心は非常に複雑ではありますが、投資に関してはなるべく論理的に考えたいですね。
投資と現状維持バイアスの関係とは
冒頭で述べたように、人間の心には損失回避性というものが備わっていて「同じ大きさの利益と損失であれば損失による苦痛の方が大きいと感じる」というものです。
また、ここから派生して生まれた心理作用に「現状維持バイアス」というものがあり、例えば
- 商品を買うときにいつも同じ色を選んでしまう
- 飲食メニューを選ぶときにいつも同じものを頼んでしまう
- うまくいかない恋人でもダラダラと関係を続けてしまう
- 転職したいのに退職できず働き続けてしまう
といったケースは現状維持バイアスだと言われています。
要するに大きな変化を好まないという性質があって、もっと言えば「変化した結果として損失を被る」ということを恐れているわけですね。
後述するようにこの人間の性質は投資においても大きな影響を及ぼしていると言われ、心当たりがある方も多いことでしょう。
ということで、こういった現状維持バイアスは実際にどのようなメリットデメリットがあるのか考えてみました。
メリットやデメリットはどんなもの?
投資における現状維持バイアスのデメリット例として最も引き合いに出されやすいのは「塩漬株」です。
確かに大きな変化を避けるという状況にばっちりと当てはまっていて、
- 含み損だけどこの株どうしよう・・・
- どうすれば良いかわからなくなっちゃった
- とりあえず現状維持で放置しておけばいずれ戻るよね!
という思考の流れはあり得そうなものです。
また、買い目線では
- 新しく保有したい銘柄を実際に買うか悩んでいる
- すでに保有している銘柄を買い増しするか悩んでいる
といった状況に現状維持バイアスが関係していそうですね。
売りでも買いでも悩んだ時に「とりあえず今のままでいいや」と結論づけてしまう方は多いと思います。
一方で、現状維持バイアスがメリットとして働く例には「インデックス投資」があるでしょう。
インデックス投資は何十年も継続し続けることで時間を味方につけられる特性がありますが、その間に何度も生じる暴落局面で止めてしまう方も多いわけです。
そういった場面で塩漬株と同様の思考が生じれば、結果的に
- 株式市場は何度も急落が起きながら長期的に育っていく
- 自分の資産もそれに合わせて少しずつ伸びていく
ということが学べると思います。
現状維持バイアスの落とし穴と投資における重要点
ここまで現状維持バイアスについて書いていて思ったのですが、考えようによってはなんでもかんでも現状維持バイアスに結びつけられそうな気がします。
また、どちらかと言えば現状維持バイアスを悪者として捉えることが多いのですが、塩漬株でも復活することは十分にあるわけです。
様子見をしてうまくいかなければ現状維持バイアスが悪いとなりますが、様子見してうまくいった場合に現状維持バイアス最高とはならない気もしませんか?
そう考えると現状維持バイアスって一体何なんだろうと不思議で仕方がなく、ただ論点をズラす(責任をなすりつける)だけの意味がない存在かもしれません。
現状維持バイアスを知ったことで「心理的な罠に陥ったことが原因だったな」とするのは大きな落とし穴で、そうではなくもっと根本的な要素を考えた方が良いという考え方です。
ということで、現状維持バイアスが本当に本能的に備わっているかはさておき、現状維持という選択肢をとるうえで大切なことを考えてみましょう。
その観点では、やはり「現状維持するという選択肢が最適かどうかを総合的に判断すること」が最重要点ではないでしょうか。
塩漬株の例も現状維持が悪いのではなく思考停止していることが悪いわけで、結果うんぬんではないと思います。
例えば・・・・
こんな値動きをしている銘柄を損切りするか悩んでいるとしましょう。
この場合、仮にこんな要素を取り出してみてはどうでしょうか。
- この銘柄は東証一部上場企業である
- 所属セクターは半導体セクターだ
- 業績は今のところ良い
- 割安度は中間くらい(PER13倍)
また、同時期の日経平均株価が
- 現在は下げトレンドの真っ最中
- 下げトレンドの要因は米中問題だ
という状況だとしたらどうでしょう。
総合すると
- 東証一部上場企業なのでTOPIXや日経平均株価の動向に左右されやすい
- TOPIXや日経平均株価は下落トレンド継続中
- 米中問題で地合いが悪化しているので、半導体セクターは影響を受けやすい
- 業績は良いが、市場としては今後の悪化を織り込もうとしている
- 割安度は中間だが、業績維持でもまだ下げ余地がありそう
- 業績悪化なら逆にPERは上昇しかねない
ということになります。
この場合は現状維持するリスクが高いと考えられるので、一旦損切りをしておこうかなと判断しやすいでしょう。
ただし、この銘柄に大きな魅力を感じているのであれば織り込みがもう少し進んだ段階で買い増す作戦にしても良いと思います。
大事なことは
- 常に状況把握する意識を持つこと
- その結果として現状維持を選んだとしても、自分で判断して結論を出したことに意味がある
- 可能であればもう一歩先の行動まで考えておく
ということです。
自分で判断する意識を捨てた時は「現状維持バイアス」という言葉によって短絡的に結論づけられてしまう可能性があるので気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は投資における現状維持バイアスについて考えを述べました。
現状維持バイアスとは「変化による損失を回避しようと行動を起こさない」といった心理作用です。
投資においては塩漬株など色々な局面で現状維持バイアスが働いていると言われがちですが、思考停止した人が便利な言葉で片付けたとも取れます。
そうならないためには自分で判断をして結論を出す以外になく、いつでも状況把握する意識が大切ですね。
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