どうも、ひげづら(@higedura24)です。
私たちは普段の生活の中で色々な事柄に興味を示し、そしてそれについて一生懸命になりますよね。
例えば現代では大人もスマホゲームにハマり、子供と一緒になってやり込んでしまいます。
大人になってからやり込んだものにはお金をどんどんつぎ込みやすく、かなりの金食い虫になることもあるでしょう。
そういった状況に大きく関連する心理的な効果に「コンコルド効果」というものがあります。
この記事では
- コンコルド効果とはどんなものか
- 有効な対策はどんなものがあるか
- コンコルド効果で失うモノは何か
といったことを述べました。
投資だけでなく普段の生活にも言える事ですので、ぜひご参考下さい。
コンコルド効果とは
コンコルド効果とは「そのまま続けても利益やメリットなど良い点が無いとわかっていながらも、今まで投資してきた費用を考えてしまいやめられない」という人間の心理を述べたもので、コンコルド現象やコンコルド錯誤とも呼ばれる現象です。
コンコルドって何?と気になる方も多そうですが、その語源は超音速旅客機コンコルドの商業利用失敗からきています。
超音速旅客機コンコルドとはイギリスとフランスが共同で開発した旅客機のことで、
- 1969年に初飛行
- 通常の旅客機の2倍ものスピードで飛行可能
- プロトタイプから量産先行型まで20機が開発される
- 環境問題・価格問題・オイルショックなどで多くの発注がキャンセル
- 開発途中に採算が取れないとわかっていながらも計画が継続された
という内容で有名です。
通常の2倍もの速度で飛行できる性能は素晴らしいのですが、注目すべきは「採算が合わないとわかっていたのに計画を継続した」という部分でしょう。
一言で表現すれば「もったいない」という理由で計画をストップせず、最終的には多大なる損失拡大につながったわけですね(開発会社は倒産)。
これがコンコルド効果という新しい心理概念を作り、今では「サンクコストバイアス」や「埋没費用」というものと関連づけられています。
ちなみにサンクコストや埋没費用とは「どうやっても取り返せない費用」のことですね。
コンコルド効果は生存戦略として備わっているという意見もあって、そのため心当たりがある方も多いと思います。
実際に周囲の方に聞いてみましたが、私を含めてほとんどの方が「すごくわかる!」と共感してくれました。
コンコルド効果の例とサンクコスト
では私たちの生活においてコンコルド効果の例はどんなものがあるでしょうか。
例として挙げられることが多いのは「UFOキャッチャー」です。
例えば何気なくゲームセンターを歩いていたところ、数回で取れそうな小さなぬいぐるみを見つけたとします。
1回100円として3回以内に取れれば十分だと考え挑戦しましたが、思ったように取れないばかりか変な位置に落ちてしまいました。
ここで諦める人とそうでない人がいて、後者の心理状況は
- せっかく300円もかけたんだから取れるまでやりきろう
- ここまでの時間を無駄にできない
というものですよね。
ただし、この時に考えたいのは
- 300円という費用 VS ぬいぐるみの価値
- ここからの追加費用 VS 獲得期待値
- 追加投資する費用と合わせて採算は取れそうか
- ぬいぐるみが欲しいという気持ちはどれくらいの大きさか
といったことでしょう。
仮にぬいぐるみの価値をせいぜい300円と見積もったのであれば、ここからのプレイは損失拡大なのでなるべく少ない回数で取り切らないとなりません。
現状のぬいぐるみ位置をふまえて成功確率をイメージする必要がありますし、やればやるほどに後には引けなくなるはずです。
こうした状況を冷静に考えずに「もったいない」という気持ちだけで突き進むことはコンコルド効果の代表的なケースですね。
また、すでに費やした時間は二度と取り戻せないサンクコストと言えます。
コンコルド効果では
- サンクコストを躍起になって取り返そうとする気持ち
- さらに損失拡大となる状況を恐れる気持ち
が綱引きをしている心理状況ですが、個人的にはサンクコストを気にしすぎると冷静さを見失う原因になると感じます。
次の1プレイでぬいぐるみが取れる可能性もあって難しいのですが、大事なのは過去よりも未来への期待値ですね。
ちなみに、UFOキャッチャー以外でよく言われるケースには
- 課金してまでガチャガチャを引いたソーシャルゲームをやめられず何年も続ける
- 自分がお金を入れたパチンコ台から離れられずに当たるまで続ける
といったことも挙げられます。
株式投資における損失拡大現象
株式投資においてもコンコルド効果による損失拡大は起き得て、その代表例として挙げられるのは塩漬株(しおづけかぶ)の量産です。
株の世界では株価が大きく下がる前に損失を切り捨てていく損切りという行為が必要ですが、「せっかくここまで保有したのだから損切りせずに耐えよう」と継続保有を正当化してしまう方は多いと考えられます。
こういった含み損のまま放置される株を塩漬株と呼び、コンコルド効果との関わりが大きいものです。
塩漬株の始まりとして多いのは、短期間で売り買いを行う予定だったのに含み損を見た途端
- 費やした時間
- 手数料などのコスト
- 失った資金
を優先して長期的に損失拡大を見過ごすケースでしょう。
すでに悪材料(株価が下がる要素)が表面下しているのであれば、それ以上保有を続けるのは採算が合わない可能性が高くありませんか?
現時点で失ったコストの何倍もの損失を被るくらいであれば、潔く損切りした方が賢い選択ではありませんか?
株におけるコンコルド効果では自分が選択肢を間違えたという事実を度外視して保有株を正当化してしまう傾向があります。
場合によってはもったいないで済まない結末になることも考えられ、心理的な束縛を意識的かつ冷静に振り切ることが求められますね。
コンコルド効果の対策
UFOキャッチャーや株など色々なものにコンコルド効果は関係しますが、共通する対策として考えられるものはどんなものがあるでしょうか。
コンコルド効果の原因はもったいないという感情ですので、ここを解決してあげることがポイントだと感じます。
ルール化してしまうことが最も効果的
まず基本的な対策として「ルール化してしまう」ということが挙げられるでしょう。
例えばUFOキャッチャーであれば
- 開始前に「5回以内に取れなければ諦める」と決めておく
- 3回やってみて、その時の状況が悪ければ諦める
など自分なりに進退ポイントを定めてあげることでやめ時も明確になりますよね。
同様に株式投資においても
- 2万円以内の損失であれば耐える
- 3日以内に株価が切り返さなければ撤退する
など決めてあげれば損失額も安定しやすく、当初の予定通りに売買を遂行しやすくなるでしょう。
ただし、自分で決めたルールを破るかどうかはその人の性格が大きく関係します。
- どうしてもこのぬいぐるみが欲しいからやっぱり続ける!
- あとちょっとで株価が反発しそうなんだ!
- 負けられない戦いがそこにはあるんだ!
と自分をどんどん正当化してしまうような人は何気ない生活でも投資でも損失拡大しやすい人ではないでしょうか。
まずはルールを決め、そしてそれを遵守することがコンコルド効果の対策として大切なことです。
錯誤状態の打開策や代替案を考える
コンコルド効果を断ち切るためには自分が納得できるような打開策や代替案を考えることも重要です。
例えばUFOキャッチャーであれば
- 店員を呼んで取りやすい位置に戻した上であと1回だけ挑戦する
- 同じようなぬいぐるみが安く買えないか考える
などがそれに該当します。
株式投資であれば
- もっと利益が取りやすい銘柄はないか考え、資金を移動させる
- 一度資金を回収して、利益が取りやすい環境が整ったらリベンジする
などですね。
ポイントとしては
- もっと良い形にした上で、それ以上損失が拡大しないようにする
- 現状で進めているものより良い選択肢はないか考える
といったことでしょう。
現状をあえて忘れ、今から全くの新規で進めようとしたときにどういった案が最適か考えることも良いと思います。
基本的にはルールに則って物事を進めることがベターですが、それが難しい場合には自分が納得できる状況をイメージしてあげましょう。
コンコルド効果で浪費されるもの
生存戦略として備わっているとされるコンコルド効果ですが、私たちから奪っていく可能性があるのはどんなものでしょうか。
ここでは考えられる3つの要素について述べていきます。
お金
旅客機なりUFOキャッチャーなり株式投資なり「それ以上やっても損失拡大するだけ」とわかっていてもやめられないのがコンコルド効果の怖いところです。
一連の流れで明確に失われるのはお金で、
- 旅客機:高い性能を持った機体で利益を出そう
- UFOキャッチャー:楽しみながら割安にぬいぐるみを手に入れよう
- 株式投資:今あるお金で会社に投資して利益を出そう
といった目的から真逆の行動のため最終的に最も痛みが出る要因とも言えます。
また、
- UFOキャッチャー:財布の中身が無くなって強制的なゲームオーバー
- 株:含み損が耐えられないくらい大きくなり、ほぼ強制的な損切り
という結末になるはずで、そこから次に失うモノはメンタル面です。
メンタル
株をやっているとよくわかるのですが、損失の出始めというものは強気なメンタルがかなり残っている時期ですよね。
しかし人間の心理というものは面白くて、損失がどんどん拡大してくるとあるところで弱気なメンタルが優勢になります。
このタイミングでやっと
- あのとき止めておけば良かった
- 取り返しのつかないことをしてしまった
と思うわけで、後悔の念がメンタルを削ってくるわけです。
性格によっては自信喪失につながったり、よほど大きな事象でコンコルド効果を発揮してしまった場合にはそれ以降の人生において決断力が鈍ったりもするでしょう。
大きな過ちに気づいた時ほど冷静さを失いやすく、メンタル面が脆くなるのは当たり前です。
やはりこれ以上やっても無駄だとわかった段階で潔く引き下がるのが大事ですね。
時間
意外に忘れがちなのは、コンコルド効果によって無駄な時間を過ごす可能性があるという点です。
時間はサンクコストの代表的なものですし、過ぎた時は一生戻らないので有効に使いたいですよね。
あなたがムキになってやり続けている間にもっと効率的な何かが出来たかもしれません。
あなたが損失拡大をしている裏でもっと取りやすいUFOキャッチャーや、簡単に利益が出せる株があるかもしれません。
あるひとつのことに集中して継続するということはとても大事なことですが、それ以上やっても無駄なことはあるものですよね。
時には潔く諦めて、もっともっと良い時間を過ごすための何かを探すことも同じくらい大事だと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回はコンコルド効果についてご紹介しました。
コンコルド効果とはそれ以上続けても採算が取れなくても、「もったいない」や「せっかくここまでやったのに」という気持ちから継続してしまう心理状況のことです。
語源は超音速旅客機コンコルドの開発失敗からきていて、現在では様々な事柄で引き合いに出されています。
その代表例はUFOキャッチャーや株式投資が挙げられ、お金・メンタル・時間を失う原因となるでしょう。
対策は「あらかじめルール化しておくこと」や「納得できる打開策や代替案を考えること」ですが、これらを遂行できるかも心理的な要素が関係してきます。
特に株式投資では取り返しのつかない失敗になりかねないので、コンコルド効果を意識して損失拡大を防いでいきましょう。
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