どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株を長期保有する上で魅力的な要素のひとつに「配当利回り」があります。
業績が安定していて、なおかつ配当金がたくさんもらえれば長く保有して株主還元を受けようという気にもなりますよね。
ただし、この配当利回りは企業が独自に決めるものなのでかなりバラツキがありますし、どういった業種かということも重要でしょう。
そこでこの記事では
- 業種別に配当利回り分布を調査
- 配当利回りが高い業界ランキング
- 配当利回りが低い業界ランキング
- 配当利回り分布から考えられることは何か
といったことを述べました。
配当に興味がある方はぜひご参考下さい。
業種別の配当利回り分布
今回の調査方法では楽天証券のスーパースクリーナーを活用しました。
調査対象はETFやREITを除く全ての銘柄で、具体的な方法は
- 追加条件に「配当利回り」を追加
- その状態で33業種に対して0~2%、2~3%、3~4%、4%以上に該当する銘柄がいくつあるか調査
というものです。
最終的な一覧表には各配当利回り帯がセクター内のどれくらいの割合を占めているのかを載せ、最大比率は赤字で表記しました。
ではその結果をご覧下さい。
おそらく利回り帯の区分の関係で1銘柄ほど誤差がある業種もありますが、この表でセクターごとの傾向は掴めるかと思います。
配当利回りは市場平均で2%前後と言われていて、3%を超えると高配当利回りという扱いになるのが一般的です。
今回の表では下半分に赤字表記がきていれば配当利回りが高めなセクターだと考えられそうです。
ただし、今回の表では相対的な利回りで調査されていることに注意ですね。
この時期は日経平均株価の暴落からあまり経過していないので、全体的に利回りが通常時より高めになっている可能性もあるでしょう。
配当利回りが高い業種ランキング
上記の結果から、配当利回りが4%以上の割合が最も高い業種を抜粋して「配当利回りが高い業種ランキング」を簡易的に作るとこのようになりました。
- 石油石炭:72.7%
- 輸送:51.6%
- 銀行:47.6%
- 証券:45.0%
- 鉄鋼:38.6%
- 不動産:38.3%
- 保険:35.7%
- 非鉄金属:35.3%
- 建設:34.6%
- ゴム:31.6%
全セクター内で高配当利回り銘柄の割合が最も高かったのは石油石炭セクターでした。
ただし、調査時期の原油価格はかなり下落しているようなのでそういったことも関係している可能性がありますね。
ちなみに、記事執筆時点における石油石炭セクターの代表的な高利回り企業には
- 出光興産:6.70%
- JXTGホールディングス:5.92%
- コスモエネルギー:5.24%
などがあり、いずれも配当利回りがかなり高い数字となっています。
また、業績予想から算出した配当性向は
- 出光興産:47.0%
- JXTGホールディングス:46.5%(最大)
- コスモエネルギー:269%(前年期は12.6%)
となっているようです。
コスモエネルギーは1株益の通期予想がかなり落ち込んでいるため1株配が上回る結果となっていました。
石油石炭セクターはあまり見通しが良くなさそうなので、こういった面も考慮したいところでしょう。
次に配当利回りが高いのはトヨタ自動車や日産自動車など自動車関連に代表される輸送用機器セクターでした。
こちらは確かに配当利回りが高いイメージがありますし、時価総額比率も高めな業界なので信憑性がありそうですね。
主な企業の配当利回りは
- SUBARU:7.10%
- 日産自動車:6.52%
- 本田技研:4.58%
- デンソー:3.68%
- トヨタ自動車:3.54%
となっていて、自動車セクターが主に牽引している印象があります。
景気に敏感な業界ではあるものの、利回り面では魅力的と言えるでしょう。
次に高いのは銀行セクターで、この結果を見ると地銀もメガバンクも株主還元策を頑張っている印象ですね。
ちなみに銀行セクターを代表するメガバンクの利回りは
- 三井住友フィナンシャル:6.86%
- みずほフィナンシャル:6.19%
- 三菱UFJフィナンシャル:6.08%
となっていて、かなり高い利回り状況です。
銀行セクターは日本が低金利時代に突入したせいで慢性的な高配当利回り状態ですので、個人的には今が買い時と考えています。
ただし将来的な業績への期待値は高くなさそうなので、ポートフォリオ内ではサブ要員になるでしょう。
4位以降のセクターについては割愛しますが、配当利回りが高い業種は基本的に景気敏感株と呼ばれる部類が多そうです。
どれも景気が良い時はそれなりの利回りが期待できそうですが、不景気になった場合は減配リスクが出てきます。
企業がどういった配当政策を取っているかや、配当性向がどれくらいなのかという点も含めて投資判断したいですね。
配当利回りが低い業種ランキング
次に配当利回りが低いセクターについても見ていきます。
同様に配当利回りが低い業種ランキングを簡易的に作成するとこのようになりました。
- 医薬品:76.1%
- 水産農林:72.7%
- 情報通信:72.4%
- 食料品:64.8%
- 陸運:63.9%
- 小売り:62.9%
- 海運:53.8%
- 空運:40.0%
- 精密:50.9%
- パルプ紙:41.7%
最も配当利回りが低い業種は医薬品セクターでした。
医薬品は内需株の代表的な業種ですが、新興株から中大型株まで全体的に配当利回りは高くないようです。
中外製薬や第一三共など有名所も大した利回りでなかったので少し意外でした。
次に低いのは水産農林セクターで、こちらは母数が少ないとはいえ7割以上が低い配当利回りとなっています。
確かに配当関連の話題で名前が挙がることは少なく、業界自体も収益性が高いものではなさそうですよね。
次に低かったのは情報通信セクターでしたが個人的にこれはかなり意外で、KDDIやNTTなどのイメージからてっきり利回りが高い業界かと思っていました。
実際には高配当利回りなのはごく一部で、情報通信セクター全体としては配当利回りが低い業界のようですね。
情報通信と言ってもかなり幅広い事業があるので、しっかりと内容を確認しながら投資対象を選別した方が良いでしょう。
これ以下の順位については割愛しますが、配当利回りが低いセクターには内需株がちらほら散見されますね。
また、共通点を考えた時に
- 陸運・海運・空運など運送系で利回りが低い傾向あり
- 情報通信・小売り・卸売り・サービスなどセクター内の母数が多いと利回り低下
といったことが言えそうです。
ただし陸運の中にも安定高配当株がありますし、同様に母数がたくさんあれば中には高配当株もあるでしょう。
重要なのは低利回りな業界の中でも安定した利回りも提供してくれている企業を探すことだと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回は業種別に配当利回りの分布を調べてみました。
その結果、高配当株には
- 石油石炭
- 輸送
- 銀行
- 証券
- 鉄鋼
といった景気敏感セクターが多く、反対に低配当株には
- 医薬品
- 水産農林
- 情報通信
- 食料品
- 陸運
といったセクターがありました。
業界別の配当利回り傾向には外需や内需といった事業形態や、業界内の母数が関係していそうなので覚えておくと良いでしょう。
ちなみに今回活用した楽天証券のスーパースクリーナーはこれ以外の条件を検証するのにも役立つツールです。
無料口座さえ持っていれば誰でも使えますので、ぜひ皆さんもご活用下さい。
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