株を買うタイミングに悩むなら目的と着目点で切り込もう!

    

株を買うタイミングというのは人それぞれです。上がっている時期に買う人もいれば下がっている時期に買う人もいますので、正に千差万別といったところでしょうか。ただ、自由だからこそ初心者さんにとっては悩ましい問題でありどういった基本方針でいけば良いのか決めあぐねている方もいらっしゃることでしょう。

そこでこの記事では株を買うタイミングを様々な角度から考え、それぞれのポイントをざっくりと述べていきたいと思います。その中に自分に当てはまる内容があれば参考にしていただければ幸いです。

    

株を買うタイミングを色々な角度から考える

まず株を買うタイミングを決めるための大まかな前提だけ述べておきます。私は長期保有も短期売買もやるタイプなのでどちらの気持ちもわかりますが、個人的に感じているのは「株を買うタイミングはどのような目的や目線で銘柄を探していたのか」に大きく左右されるということです。

具体的には保有する時間軸によって適切な買いタイミングは違ってくると考えていて、ざっくり分ければ

  1. 上がっている時期
  2. 横ばいの時期
  3. 下がっている時期

という3フェーズのどれを重視して買いタイミングを取っていくかという感じでしょう。

コロナは長期保有株を買う絶好タイミングだった

例えば長期保有株を買うタイミングで考えてみましょう。長期保有ということは

  1. なるべく少ない資金で
  2. なるべく価値に対して割安な株価で
  3. 利回りが高い状況で

株数を集めるといったことがポイントになるかと思います。例えば100万円しか資金がない方が2銘柄分散で市場に投入したいとしましょう。少ない資金を有効に使いつつなるべく長く市場に置くためには

  1. 欲しい株がしっかり下がった段階で
  2. 業績などが変わらず担保されている状況で

買っていこうというのが基本方針ですよね。

したがって株価が下がっている状況にフォーカスして買いタイミングを考えて、ここだという時期には50万円をしっかり投入する意識が欲しいでしょう。

また、株価が下がるということは相対的に利回りが上がるということですので、株価が元の水準に戻った場合にはインカムゲインとキャピタルゲインの両立も狙いやすいです。つまりこれは株主優待や高配当株の買いタイミングとしてしっかり機能する条件ではないでしょうか。

このようにあなたがどのくらいの時間軸で保有しようとしているのかによって買いタイミングは変わってくるというのがミソですね。

ちなみに短期売買であればわざわざ株価が下がっている時期(上がりづらい時期)にフォーカスする必要はなくて、注目が高まって出来高が増加している時期が良いかなと思います。理想的には出来高増加の初期かまだ増加していない時期に先回りすることですが・・・まぁなかなか難しい部分もありますね。

月に着目したタイミング

時間に着目した買いタイミングには他にどのようなものがあるでしょうか。思いつくところだと年間の株価傾向というものもあります。簡単に言えば

  1. 5月にかけて株価指数が下がりやすい
  2. 8月は夏枯れで下がりやすい
  3. 10月から年末にかけて上がりやすい

といった感じで月の傾向がアノマリーとして言われているわけですね。こういった年間傾向をふまえた買いタイミングを決めているという方もいらっしゃるので参考にしてみても良いでしょう。

個人的にも確かにこういった季節性要因は株価に影響を与えると考えていますが、ただしその年の状況によって若干差が出てくるのは仕方がないことです。例えばですが

  1. 米国大統領選挙や国内総選挙
  2. 大規模な震災や世界的な不況

などに株式市場が反応するのは当たり前ですよね。その年によって大きなイベントが控えている月は変わってくるので、そういった要因を含めて買いタイミングを考える方がおすすめではあります。

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デイトレは時間帯で買いタイミングを調整する

月によって買いタイミングを考えるという話をしましたが、もう少し短いスパンでも考えることは可能です。例えばザラ場の値動きは時間帯によって大きく特徴が異なることはご存じでしょうか。

まず朝一は注文が集中しやすいのでそれだけ株価も動きやすく、前場引けが近づくにつれて穏やかな流れになります。後場も同じような流れがあって、大引け間際には翌営業日以降の流れを意識した売買も見られますね。

こういったザラ場の時間帯によって買いタイミングを考えることは有効で、特にデイトレをやるならほぼ必須の感性になるでしょう。

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決算を意識した買い

株価に影響を与える代表的な因子に決算発表があります。例えばあなたが1週間や数ヶ月といった短期から中期的な保有を考えている場合に必ず把握しておくべき点が決算発表の日程ですね。

もちろん決算発表日そのものも意識すべきなのですが、それに加えて「次の決算内容を市場参加者が意識することでその1ヶ月以上前から影響が出始める」といった点が最も重要でしょう。

  1. 好決算を予想された銘柄が決算の1ヶ月前から上昇し始める
  2. 悪決算を予想された銘柄が決算の1ヶ月前から下落し始める

といったことは頻繁に起こるので、自分が該当時期に保有する際には決算予想もある程度考えなければなりません。もっと言えば決算内容そのものを意識するのではなく、市場参加者が良いイメージと悪いイメージどちら寄りなのかを考えるということですね。

良いイメージがあれば先だって買われるはずなので、基本的には好決算予想銘柄を業績狙いで買うなら先回りと呼べる買いタイミングが大事ではないでしょうか。

株式分割を意識してみるのもあり

先回りという意味では株式分割もひとつの例となります。株式分割とは発行済み株式数を増やして株価をその分だけ小さくするという仕組みです。一般的には東証一部に昇格したいような新興企業がその条件を達成するために行うことも多いと言われています。したがって、例えば

  1. 優待新設を少し前に発表していた
  2. 売上や業績が一部昇格に値する水準にある
  3. ある程度株価が大きくなっている

といった新興企業が見つかった場合には株式分割への思惑も強くなるでしょう。加えて東証一部昇格の材料も見込めるので株式分割やその他の昇格条件を満たしたがっているようなリリースに注目するのは効果的です。ただし東証一部や二部といった区分は2022年4月を目途に変更される予定で、新区分では昇格という流れではなく「再上場」という形になってしまいます。

したがって上記の先回り手法はあと少しで賞味期限切れになる可能性がありますが、新区分で同じようなことができるかもしれません。いずれにせよこういった部類の先回りは情報さえ集められれば比較的取り組みやすいので覚えておいて損はないと思います。ちなみに長期保有を視野に入れた手法では「なるべく株価が落ち着いた時期に勇気を出してしっかり握っておく」という意識が必要になるので注意してください。

株の購入タイミングに悩むパターンで多いもの

ここまで色々な角度から株を買うタイミングについて述べてきましたが、おそらく悩んでしまう方はどんな角度で考えても悩んでしまうのだろうなと思います。

私が思うに購入タイミングで悩んでしまう人の多くは「失敗したくない」という気持ちが強いのではないでしょうか。こんなことを言っては失礼かもしれませんが、あなたが悩んだところで株価がどうなっていくかはわかりっこありません。というのも株価は人間が欲しがるかどうかで決まってしまうので、私はもちろんプロの証券マンやカリスマ投資家でさえ心理変化を当てきるのは不可能でしょう。

であれば数字の変化ではなく株価を動かす要因にフォーカスして、自分が何を重視して購入するかを考え込んだ方が健全だと思いませんか?

確かに重視したポイントが正しいかわからないので「失敗するかも」という気持ちを拭いづらいですが、見るべきポイントを決めると失敗も糧になるというものです。まずは過去の成功体験を思い出し、そこからヒントを得てみると意外な手法が思いつくかもしれませんね。

まとめ

今回は株を買うタイミングについて色々な角度から考えてみました。基本的には自分がどのような時間軸で売買したいのかによって買う時期もなんとなく決まってきますが、そこに加えてどういったポイントを重視するのかが個性の出し所かもしれません。

決算や分割など広く知られている要素から考えても捉え方は人それぞれです。注目する要素を決めたら次は過去の事例を遡り、どういった買いタイミングが好ましいのか検証してみるとより面白いものになりそうですね。ぜひ過去の傾向からも自分にとってもぴったりと感じる買いタイミングを見つけてみてはいかがでしょうか。

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