株価の動きは完全に予測できるものではありませんが、チャート上で目安をみつければある程度の予想ができることがあります。今回はそういったチャート上の特徴を利用して株価が抵抗を受けやすい部分を予想していくといった内容をお話しました。
比較的ビギナーさん向けに書いた内容なので物足りない方もいるかもしれませんが、紹介している内容は経験年数に関係なく使っていけるテクニカル分析だと思います。
言い換えれば基礎的なチャートの見方なので、株価が下がる可能性が高いことを知らなかったという方はぜひ覚えていってくださいね。
ただし、一応注意書きをしておきますがテクニカル分析なので百発百中というわけではありません。
あくまで確率論的にそうなることが多いというものなので盲信した売買をしないようにしてください。
3つの抵抗部分で株価が下がる理由
今回はテクニカル分析らしくチャート上で株価が下がりやすい3つの箇所をお話します。
ちなみに株価が抵抗を受けやすい部分を知っておくと何が良いのかというと、まずひとつは利食いの目安になるというメリットがありますよね。
また、利食いせずにホールドするにしても「ここは一旦下げてもおかしくないな」と心の準備もできます。もっと言えば株価が抵抗を受けやすいところをこなして上に行った場合には
- 値動きが強い
- より上の価格を目指せそうだ
といった判断もしやすくなります。前述のようにテクニカル分析なので絶対ではありませんが、値動きを見ていく上で大事にしていることなので参考になれば幸いです。
明確なギャップダウン箇所
では早速、株価が抵抗を受けやすいひとつめの箇所をお伝えします。まずひとつめは「明確なギャップダウン箇所」です。
明確なギャップダウンとは上記の赤枠部分が明確なギャップダウンにあたります。
ギャップダウンというのは「そのローソク足が始まった位置が前のローソク足の終値と乖離して下がった状況」を指していて、簡単に言えば始値が大きく下がるほど売り注文が出た状況というわけです。
上記のような大幅ギャップダウンのあとは売りたいと考えている人が一気に増えた状況なので、多かれ少なかれ株価が下がる流れになりやすいでしょう。
売りたい人がそれなりに売ったあとは株価が反発していくことが多いですが、例えそのあとにギャップダウンまで戻せたとしても一旦は抵抗を受けて下がる流れになりやすいです。
ここで質問ですが、みなさんは自分の持ち株がこういった大幅ギャップダウンに巻き込まれたあと元値まで戻したらどう感じますか?
まず大幅ギャップダウン時には「うわーくらっちゃったなー」と感じる方が多いと思います。場合によってはその含み損を損切りすべきか悩むでしょうし、損切りするにしても少しでも株価が高いところで行いたいはずです。
そういった心理状況のもと株価が元値まで戻した場合、おそらく「あー助かった」とか「含み損がほぼなくなったから急いでポジション解消だ」とか思いませんか?
明確なギャップダウン箇所で株価が抵抗を受けやすいのはこういった投資家の心理が関係していて、ここでやれやれ助かったぞという売りが出やすいからと言われています。
ギャップダウンまで戻したという事実を強いと捉えるかは別として、とりあえずここで売ってくる人は一定数いるということは覚えておきましょう。
長い上ひげ
株価が抵抗を受けやすい2つめの箇所は長い上ひげが出ている部分です。
上ひげについては
でも解説しましたが、ひげの先端部分で売られて株価が折り返してきた形跡なので「この価格帯には抵抗となる売り圧力がある」ということを示唆します。
もちろん上ひげがあると株価がそれ以上は上がっていけないわけではありませんが、売り圧力を消化するために
- 何度か高値トライする
- 高値で保ち合う
といった流れになることも多いでしょう。特に時価総額が低い位置から急騰してきた銘柄であれば長い上ひげ部分が当面の天井になるというケースは多いですね。
また、値動きを見返したときに・・・
上記のような一定価格で毎回上ひげを引いているケースや何営業日も連続的に上ひげがあるといったケースでは売り圧力の存在が明確になってくるので、そういった部分にも注目してみてください。
節目
3つめの株価が下がる抵抗部分は節目です。節目というのは一般的には100円刻みとか500円刻み、1000円刻みなど区切りの良い価格を言います。
例えばずっと3桁台だった株価が1000円に到達した場合、4桁へと桁替えされたという状況ですよね。この時、投資家の心情としては1000円の区切りに到達したので一旦ここで少し売っておこうという気持ちになりやすいです。
ザラ場の板状況を見てもそうですが・・・
区切りの良い株価には注文が集中しやすい性質があります。
節目価格で注文を出すというのは人間の心理として確実にあるので、チャート上でも売り抵抗を受けやすい部分と考えられるでしょう。
ただ、区切りの良い価格で売りが約定するということは裏返せばそこで買っている人がいるということでもあります。日足を見返した時に良い流れで節目まで到達しているのであれば、節目で売られても調整を経て再度戻ってくるというケースも多いです。
そういった意味では節目の売り圧力というものはそこまで強いものではないかもしれませんが、節目できれいに株価が折り返しながら推移するケースはあるので覚えておくと良いでしょう。
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株価の抵抗と投資家心理
今回は株価が抵抗を受けて下がる3つの箇所として
- 明確なギャップダウン
- 長い上ひげ
- 節目
の3つを紹介しましたが、これらの抵抗部分の裏には人間の心理や行動が深く関わっていると考えています。
例えば冒頭でお話したギャップダウン時の心理なんかは共感できる方も多いのではないでしょうか。
一度大きな含み損を見てしまうとそこで恐怖感が出るのは仕方ないことで、それがたくさん集まってギャップダウン部分の抵抗となっているわけです。大衆心理を考えることはそういった値動きを読む上でのヒントにもつながると思うので、ぜひ印象的な事柄は記録してみてはいかがでしょうか。