株不足で踏み上げ相場を狙うならこの流れを必ず意識するべき!

    

皆さんは株不足という言葉を聞いたことがありますか?

株不足とはその名前の通り株が不足している状況ですが、初心者さんからすると「株が在庫切れで買えないとかあり得るの?市場に1株も無くなるの?」なんて考えちゃいますよね。

この記事では株不足の意味合いをはじめ、そこからよく話題に挙がる踏み上げへの流れについても述べました。株不足がどのような意味合いを持つのか、そしてどういった影響が市場に出るのかわかりやすく述べますので是非ご参考ください。

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株不足とは

まず株不足とはどのような意味なのか述べていきましょう。株不足とは「証券会社が個人投資家に貸し出すための株が不足する」という意味です。

株の世界には信用取引といって証券会社からお金や株式を借りて行う売買システムがあるのをご存じでしょうか。例えば資金が100万円しかなくても、その100万円を担保に約3倍の資金で売買をすることができます(信用買い)。同様にこれから下がりそうな株を見つけた場合に、

  1. 証券会社から株を借りて売る
  2. 株価が下がった所で買い戻して株を返す
  3. 最初の売り付けと買い戻し額の差を利益として得る

という信用売り(空売り)も可能です。

この空売りでは最初に証券会社から株を借りていますよね?この時の証券会社が個人投資家に貸し出す株が不足している状況を株不足と呼ぶわけです。空売りは株価が下がらないと利益が生み出せませんので、その特徴から「株価が下がりそうな銘柄に集中しやすい」という特性があります。

例えば業績が悪い小型株などにそういった思惑が集中してしまうと、証券会社側としても持ち合わせが少ないため株不足ですよと言わざるを得ません。場合によっては「もう個人投資家に貸し出す株が少ないので、どうしても借りたいなら追加でコストを払って下さいね」となりやすく、これがいわゆる逆日歩(ぎゃくひぶ)というものですね。

逆日歩と株不足は併発することがあり、そういった銘柄は信用買いよりも信用売りをしている人が多い状況ではないでしょうか。ここで登場する指標が信用倍率というもので、これは信用買い残と信用売り残の比率を教えてくれるもの。計算式は

  • 信用倍率=信用買い残÷信用売り残

となっているため、株不足になっているような銘柄では信用倍率が1倍未満になるでしょう。こういった個別銘柄の需給状況を表した一覧表は証券会社が提供する情報で知ることができ、実際の表は以下のようなものです。

株不足の状況

こちらはSBI証券のスマホアプリにて「銘柄詳細」タブの信用取引残を表示したもので、このページには逆日歩の状況からどのくらい株不足になっているかも掲載されています。画面には見えていませんがこの上には信用買い残や信用売り残の数も掲載されているので、そういった数字を加味しながら考察するわけですね。

株不足と踏み上げ相場

株不足と合わせて考えられやすいのは「踏み上げ相場」です。踏み上げ相場とは信用売り残の返済買いによって株価が持ち上がる状況を指していて、信用倍率が1倍未満の状況で起こると言われています。

しかし、ここで考えたいのは値動きの流れではないでしょうか。そもそも信用売り残が溜まっているということは値動きの流れとしては下方向だと市場から捉えられていたことになります。そういった見方が市場の大半を占めているからこそ売り残がどんどん溜まっていくわけで、この市場センチメントをくつがえさなければ返済買いも出ません。

市場センチメントをくつがえす状況で考えやすいのは、やはりインパクトが強い材料です。今まで下げ目線だった売り手も「これは様子が違ってきたぞ」となるような材料があれば返済買いに転じるので、より踏み上げ相場が狙いやすくなるでしょう。もちろん材料を見て新規買いしてくる人もいるだろうし、買い需要が二重に訪れることでより上昇に勢いがつきやすいというわけです。

例えば旬のテーマ性やパワーワードを組み込んだIRが出ると小型株では一気に流れが変わるということも多く、個人的には

  1. 下降トレンドからの転換
  2. 踏み上げ相場

を狙った買いを入れることもあります。

ただ、狙うにしても株不足の状況から一気に株価が上がるタイミングが好ましいので、上昇初期フェーズほど効果的かもしれません。

先ほども述べたように下げトレンドでは市場センチメントとして「まだ株価が下がる」という見方が強いので売り残が増えていきますが、その状態から材料などで一気に流れを変えてくるからこそ空売りポジションが捕まるわけです。

トレンド転換が進んで上昇初期のようなチャートになり、そこからさらに株価が上がるとじわりじわりと買いに移る人が増えてくると思います。内部的にはトレンド転換の燃料に空売り勢が使われていて、これがいわゆる「売りが焼かれる」という状況ではないでしょうか。

株不足だから絶対に踏み上げ相場になるわけではありませんが、需給要因が材料とかみ合うことでこういったことが起こる可能性はあります。ちなみに信用売り残がどの程度まで溜まっているかも重要で、例えば日々の出来高に匹敵するくらいの水準では需給への影響も大きいでしょう。

まとめ

今回は株不足とはどのようなものか述べ、関連する逆日歩や踏み上げ相場についても触れました。株不足とは証券会社が個人に貸し出す株が不足している状況で、場合によっては逆日歩なども起こります。

そのような信用売り残が多い状況のまま株価が大きく上がると一斉に返済買いに転じやすく、踏み上げ相場という状況に移行しやすいでしょう。株不足なら必ずそうなるわけではありませんが、下降トレンドから大きな材料が出て上昇転換するかくらいは見ておくべきです。

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