信用倍率の適正値と基準値はどれくらいか明確に答えます!

    

欲しい株があるのに信用倍率が高いことが気になり手が出せない!そんな悩みを持つ方も多いでしょう。

この記事では信用倍率が高いもしくは低いと言えるのはどれくらいが基準値になるのか、信用倍率の適正値はどれくらいなのかといったことをまとめました。

信用倍率の大小は単純な数字だけで考えることはしづらく、その銘柄に対する尺度を適切に選ばなくてはなりません。その上で必要な考え方をなるべくわかりやすくお伝えしますので初心者さんもゆっくり読み進めてくださいね。

あくまで私個人がそう考えているという内容ではありますが、今まで大きく間違えた判断はなかったと感じますのでよろしければご参考ください。

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信用倍率の基準値とは

信用買い残とはまだ返済されていない信用買いポジションがどれくらい残っているのか、逆に信用売り残とは信用売りポジションがどれくらい残っているのかを表したものです。また、信用買い残は株価が上がると市場から思われていれば増えていき、逆に株価が下がると思われれば売り残が増えていくというのが一般的な解釈になります。

ただし、信用取引はお金や株を証券会社から借りて行うものなのでどこかのタイミング(一般的には6か月以内)という期限付きで返済義務があるわけです。したがって

  1. 信用買い残:将来的な売り圧力
  2. 信用売り残:将来的な買い圧力

になるという捉え方もされています。このことから例えば買い残が多い銘柄だと「将来的な上値は重そうだ」などと考えられるわけですね。

一方、信用倍率とは信用買い残と信用売り残の比率を表した指標で計算式は

  • 信用倍率=買い残÷売り残

となっています。

信用倍率は現状で将来的な買い圧力と売り圧力どちらが勝っているのかを知る需給指標ですので、その基準値は買い残と売り残が拮抗してどちらとも言えない中間地点を言います。つまり分母と分子が同じ1.0倍を信用倍率の基準値として扱うことが一般的です。

信用倍率が1.0倍よりもはるかに大きければ買い残がかなり溜まってきているとわかりますし、逆に0.1倍と極端に小さな信用倍率では売り残が溜まってきているということが信用倍率を見ただけでわかってしまいます。

信用倍率の適正値

上記は信用倍率の大小を考えるための基準値のお話です。では信用倍率が大きい小さいと言うための適正値とはどのくらいなのでしょうか。これは言い換えると

  1. 信用倍率がどのくらいまで大きければ買い残が溜まりすぎなのか
  2. どのくらいまで0に近づけば売り残が溜まりすぎと考えられるのか

という話ですが、結論を申し上げると信用倍率に適正値はありません

というのも実際の値動きに影響を及ぼすかどうかの判断基準は「値動きエネルギーに匹敵するほど買い残や売り残が溜まっているのかどうか」だからです。

わかりやすく言えば、同じ信用倍率10倍でも

  1. 買い残100万株
  2. 売り残10万株

というケースと

  1. 買い残1000株
  2. 売り残100株

では本質的な意味合いが全く異なります。前者では差し引きで90万株も買い残が多いことになり、90万株という数字は日々の出来高と比較してもかなり大きな数字であるケースは多いですよね。

一方で後者のように差し引き900株の買い残があったところで全く問題ないというケースは多そうです。買い残や売り残の大きさはその銘柄の出来高が大きければ大きいほど相対的にリンクしやすい、つまり日々の出来高が数千株程度なら買い残もそれくらいの桁数になりやすいとは思います。

しかし過疎株ほど何かしらの材料が出た時に出てくる潜在的な出来高増加率が大きいので、やはり絶対数的な買い残の大きさはあながち無視できない側面はあると感じますね。

出来高や浮動株に対する適正値を考える

信用倍率では適正値を考えられないことを説明しましたが、ここで出てくる考え方が信用買い残および売り残そのものの適正値というものです。

これは難しい話ではあるのですが、個人的には25日平均出来高をひとつの目安としています。25日平均出来高とほぼ同じ水準まで溜まっていればだいぶ増えたなと感じますし、2倍3倍となっていれば明らかに溜まっていると判断します。

ちなみに25日平均出来高を使う理由は

  1. 単発の出来高ではものすごく多い日とものすごく少ない日で差が開いてしまう
  2. 株価水準が上がると徐々に出来高が減少傾向になる

からで、見る方法としては出来高移動平均線の設定値を25日にしてその推移を追うことが最も簡易的です。

ただ、出来高は材料によって大きく増減してしまう側面もあり、それによって今まで感覚として持っていた尺度から一気に信用買い残が増えてしまうこともあります。もし出来高では相対的な尺度として十分でないと感じた場合は浮動株(市場に出回っている株の総数)に対する比率を考えるのもひとつの方法でしょう。

例えば株の世界には大量保有報告書というものがあり、これは発行済み株式数の5%以上を保有した場合に提出するよう義務づけられています。

このルールを考えると買い残や売り残も浮動株に対して5%以上になっているかどうかが適正値の目安として使えるでしょう。ちなみに浮動株は証券会社のアプリや総合情報サイトで簡単に調べられるものです。詳細は以下の記事でチェックしてください。

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値動きの流れによって解釈は変わる

ここまで信用倍率の基準値や適正値について述べてきましたが、買い残や売り残の解釈は値動きと照らし合わせることで本質的な威力を発揮するものです。

例えば株価下落の中で信用買い残が大きく溜まっている状況は上昇トレンドへの転換において障害となりやすく、その理由は信用買いでポジションを持った投資家の多くが含み損を抱えたまま回転日数を滞らせているからです。

含み損の売り決済が出来ないままやがて返済期限や追証のタイミングを迎えると一気に上値を抑える売り注文が出てくるでしょう。

一方で、株価上昇の中で溜まる買い残は全く問題がないと考えます。というよりも上昇銘柄に信用買いが溜まることはごく普通のことで、その買いがさらに株価を持ち上げる側面もあります。

ただし銘柄が持つ出来高はやがて天井を迎えますし、それに匹敵するほどの買い残まできてしまうと需要過多になってしまうわけですね。したがって相場の後半戦では出来高減少と大量の信用買い残によって上値は重くなりやすくなります。

出来高減少ということは信用倍率や買い残の適正値は下がるわけですから、その状態で株価がドカッと利食いや売り仕掛けなどで下げられると今まで良い効果を生んでいた信用買い残が上値を抑える要素に変わってしまうでしょう。

このように値動きの流れによって信用倍率に対する解釈や適正値も変化することを意識したほうが良いと思います。この詳細な図説やその他のパターンなどは私のYouTubeチャンネルで詳しく解説しているのでぜひそちらをご視聴ください。

<YouTube解説はこちら!>