どうも、ひげづら(@higedura24)です。
酒田五法では陽線や陰線の組み合わせによって相場の状態を知ることができると説いています。
そしてそのローソク足の組み合わせの中には「状況によって強力なシグナルとなる組み合わせ」があるんですね。
今回ご紹介する
- 並び赤
- 並び黒
もそのひとつでしょう。
これらは単に陽線や陰線が横並びになっただけですが、状況によって有名な強力なシグナルになると言われています。
この記事では並び赤・並び黒の基本知識に加え、実例紹介を行いました。
頻度の高いシグナルではありませんが、それだけ信頼性が高いのでぜひご参考下さい。
並び赤と並び黒
まずこちらをご覧下さい。
- 左:同じくらいの陽線が横並びになっている状態で「並び赤」
- 右:同じくらいの陰線が横並びになっている状態で「並び黒」
とそれぞれ呼びます。
これらをひとつのローソク足として考えると・・・
このように並び赤は同じ大きさの陽線1つ、並び黒は同じ大きさの陰線1つにそれぞれ置き換えることができます。
これだけ聞くと「なんだ変わらないじゃないか」と感じるかもしれませんが、実際のチャートではローソク足以外に「出来高も足し算されている」というのが大きなポイントでしょう。
並び赤は売りに押される場面がありつつも結局は出来高を伴って高値引け、並び黒は安値引けになっています。
上放れの並び赤と下放れの並び黒とは
上記をふまえて、並び赤・並び黒の強力パターンをご紹介します。それは・・・
- 左:上放れの並び赤
- 右:下放れの並び黒
です。これらは先ほど紹介した並び赤や並び黒が
- 上昇基調(下落基調)
- 窓開け上昇(窓開け下落)
という状況で発生しているパターンですね。
上放れの並び赤は強い買いシグナル、下放れの並び黒は強い売りシグナルとして有名なものです。
上放れの並び赤や上放れの並び黒が強い売買シグナルとして機能する理由は
- 窓開けが相場の勢いを表している
- 2日分の出来高で陽線や陰線がついている
と解釈できるためではないかと私は考えています。
冒頭でお話したローソク足の足し算は、必然的に出来高も足し算しているため・・・
このようなチャートと置き換えられるわけです(下放れの並び黒も同様)。
ローソク足1つで考えても大きな出来高でギャップアップしたとなれば強い上昇力があると捉えるのが普通でしょう。
内部的な動きを考えると、
- 1本目の寄り付きでは窓開けさせるための成り行き買い
- 成り行き買いに追随した買い
- 売りに押されるも結局買い支えられて高値引け
という感じですね。
したがって並び赤(並び黒)にはトレンド強化の意味合いがあります。ただし、
- 相場初期
- 相場中期
- 相場後期
のどこでも発生するパターンですが、大きな意味合いを持つのは「相場初期と後期」でしょう。
相場初期で出れば上昇期待値は高く、逆に相場後期で出ると最後の灯火になるかもしれません。
上放れの並び赤の実例
では上放れの並び赤を例に、実際のチャートを見ていきましょう。
上放れの並び赤でトレンド強化した例
最初は上放れの並び赤がトレンド強化となった実例です。こちらをご覧下さい。
これは底値圏でボックス形成になり、その高値圏で「上放れの並び赤」が発生したチャートです。
ボックス推移の場合、高値圏では弱いローソク足の組み合わせが発生することが多いですよね。
しかし、この例では上放れの並び赤という強い買いシグナルが発生しています。
こういった場合はボックスブレイクの流れに期待でき、実際に・・・
このようにブレイクして上昇トレンドに移行しました。
ちなみにブレイク前の急落・急騰はトランプ大統領の選挙が関係していますのでイレギュラーな状況でしょう。
この上放れの並び赤は相場初期に発生しているものと考えられ、チャート全体の流れを加味しながら買って良いケースですね。
もうひとつ違う例を見てみましょう。
こちらはトレンド転換から間もない範囲に発生している上放れの並び赤です。
ちょうど長期線を超えるタイミングで発生していて、こういったタイミングの上放れの並び赤は期待が持てますね。
上放れで並び赤の後もしっかり高値を更新しています。
上記2例のような、「相場開始から間もない上放れの並び赤」はトレンド強化の意味合いがあるのではないでしょうか。
上放れの並び赤がダマシとなった例
では逆に上放れの並び赤がダマシとなった例を見てみましょう。
この例では安定した上昇トレンドの高値圏で上放れの並び赤が発生していますね。
実はこのチャートは・・・
このようなとても長い上昇トレンドの終焉部分にあたるものです。
長い上昇トレンドの末に発生する上放れの並び赤はこういった最後の灯火になっている可能性があります。
要するに最後の力を振り絞って窓開け上昇させたものの、それで力尽きてしまったというわけですね。
実際にこのチャートも・・・
上放れの並び赤から大陰線となり崩れてしまいました。
もちろんこういった上放れの並び赤から上昇する可能性もありますが、トレンド初期からの位置関係によっては様子見をした方が良いでしょう。
ちなみにトレンド後期か簡易的に判断したい場合は、PERを活用するのがおすすめですね。
念のためもうひとつ違う例を見てみます。
トレードメモからの抜粋のため見づらくて申し訳ありません。
これは上昇トレンドから下降トレンドに移行した初期段階のチャートです。
その途中に上放れの並び赤が発生しています。
この上放れの並び赤にトレンド転換の力があるかどうかが問題ですよね。
結論的には・・・
株価は構わず下落する流れになっていますね。
上放れの並び赤は下降トレンドで見かけることもあるのですが、そういったケースではあまり効果はありません。
むしろ体感的には移動平均線やグランビルの法則と併せて絶好の売りポイントとなりそうです。
上放れの並び赤は上昇トレンド初期がポイントですので覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は上放れの並び赤(並び黒)について解説しました。
上昇トレンド初期で見かけると期待値が高いシグナルとなりますので知っておくと良いですね。
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