PEGとは成長性やコンセンサスを加味して割安性を測れる指標のこと!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資ではPER(株価収益率)を目安に割安性を測ることが一般的です。

しかし、成長株におけるPERは50倍や100倍といったとても割安とは思えない水準まで上昇してしまうことも珍しくありません。

PERがそこまで高くなるほど成長株が買われている理由は「将来的にもっともっと成長してより割高になると考えれば、現在値は割安であろう」という考えがあります。

要するにPERだけ見ると割高水準だが、成長性を考えると割安に思えるというジレンマがあるわけです。

そこで登場するのがPERと成長性を組み合わせた「PEG」という割安性指標。この記事ではPEGの

  1. 基本情報
  2. メリット・デメリット
  3. 活用方法

について解説しました。成長株であっても割安性を測れる優れものですので、ぜひご参考下さい。

    

PEGとはPERに成長率を加味した割安性指標

PEGとはPrice Earning Growth Ratioの略で「成長率を加味したPER」といった意味合いがあります。

計算式は

  • PEG(倍)=PER ÷ 成長率

で表され、計算式に組み込まれている「成長率」の定義は「EPS(1株あたり利益)の成長率」が最も一般的です。

例えば、

  1. PER:20倍
  2. 予想EPS成長率:20%

であればPEGは

  • PEG= 20 ÷ 20 =1.0(倍)

となります。

PEGの割安目安は1倍以下

PEGの判断目安は

  1. 割安:1倍未満
  2. 適正:1以上2倍未満
  3. 割高:2倍以上

となっています。したがって先ほどの例では、PEGが1倍ですので適正範囲だと考えられますね。

このようにPERが20倍と聞くとそこまで割安には思えませんが、成長率20%を加味してあげると適正価格だなとわかるわけです。

ちなみにPEGは成長率が高いほど割安と判断される特徴がありますので、業績が急回復した銘柄ではかなりの割安水準となりやすい特徴があります

業績が落ち込んでから回復する場合、PERがそこまで割高でないことも多くPEGが0.1倍を切ることもあるんです。

そういった銘柄を狙うかどうかは個人の判断になりますが、2018年のソニーのような例もありますのでリストには入れておいた方が良いかもしれません。

PEGのメリットは汎用性

PEGの成長率定義にEPSが用いられているのは、株の最終的な価値を計算していくとEPSになるからです。

しかし、PEGの大きな特徴として「投資家個人の裁量でどの成長率を活用するか決めて良い」という点があります。

例えば、

  1. 売上高成長率
  2. 営業利益成長率
  3. 経常利益成長率
  4. メインサービス(商品)の利益成長率

といったように投資家や、企業ごとに重要だと考えられる成長率を活用することが可能です。

したがってPEGのメリットをまとめると、

  1. 将来的な割安性を加味することで成長株でも割安性を測りやすい
  2. 投資家の考え方を反映でき、汎用性がある

といったことが挙げられます。

PEGのデメリットは予想値を使用していること

大きなメリットを持つPEGですが、「将来的な成長率を加味している」という点がデメリットにもなり得ます。

将来的な成長率ということは予想値を活用するということです。予想値はあくまで予想値であり、

  1. 企業スキャンダルが発覚した
  2. 業界の景気が悪化した
  3. 景気敏感株で世界情勢の影響を受けやすい
  4. 原価率が変化した

などの場合には成長率が変化し、計算したPEGも変わってしまいますよね。

どのくらい先の成長率で計算するのか賛否両論ありますが、あくまで予想値であるという点を考えると個人的には来期のもので構わないと感じます。ただし、

  1. 決算ごとにPEGを確認して追跡する
  2. 企業側の数年先の予測値が明らかに強気であれば、参考程度に計算しておく

という考え方は必要でしょう。

PEGを活用する場合は「予想値を活用している」という点を認識し、企業に対してある程度のリサーチを継続的にする必要があるということですね。

PEGの活用方法

PEGの特徴がわかったところで具体的な活用例をご紹介します。

成長株の割安性を測る

最も一般的な活用方法は「成長株の割安性を測る」です。

EPSをはじめとする、自分が重要だと感じる成長率を用いて成長株の割安性を測り「将来性を加味した場合に株価が適正水準かどうか」を判断できます。

もっと言えば、成長株は新興株に関係が深い分野のため、PEGも基本的には「成長性の高い新興株の割安性を測ること」に適していると考えられるでしょう。

楽天証券では指標欄にPEGが記載されていますので、成長株の売買を検討する際にはぜひ確認してみてください。

EPS以外の成長率を活用したい場合はエクセルで計算シートを作成しておき、株探などから業績をコピペして算出するのがおすすめです。

独自の目線で気になる銘柄のPEGを算出してグラフ化してあげれば、視覚的に魅力的な銘柄を選択することも可能ですね。

コンセンサスデータを活用して割安性を測る

楽天証券なら業績予測ページにアナリストのコンセンサス情報が掲載されていますので、このデータを活用して割安性を測ることも可能です。

コンセンサスデータは

  1. 個別銘柄
  2. 全体平均
  3. 業種平均

の3つが算出されていて、それぞれの

  1. 増益率:今期経常利益予想(前期比)
  2. 成長率:今期売上高予想(前期比)
  3. 収益率:売上経常利益率

が表示されています。予想PERも掲載されているので業績予想ページ内だけで簡易的に割安性判断が可能です。

これらのデータを活用してPEGを計算および比較をすれば、

  1. アナリスト予想値から個別銘柄の割安性を測れる
  2. 市場水準と比較した場合の割安性を測れる
  3. 業種水準と比較した場合の割安性を測れる

というわけですね。

また、同業他社へのリンクも貼られているので同じような事業形態を持った企業と比較することもできます。

ちなみに、コンセンサスデータは有名な企業ほどアナリスト予想が多い特徴があります

したがって、コンセンサス情報を活用して割安性を測る方法は「新興株よりは東証1部に長年いるような大型株に適した割安判断方法」と言えるでしょう。

個別銘柄に限らず色々な業種のコンセンサス情報を使って計算すれば、「成長を加味した場合に割安な業種はどこか」もわかります。

景気に対する反応性も考慮するべきですが、その時期にどの業種にアプローチすれば良いかのヒントとなるはずです。

PEGでスクリーニングをかける

楽天証券のスーパースクリーナーを活用すればPEGでスクリーニングをかけることが可能です。

PEGと併用して、

  1. PERを適度に割高な範囲で設定する(あまりにも上昇しているPERは除外)
  2. 収益性を測る指標を組み合わせて成長性を担保する
  3. テクニカル指標を組み込んで売買タイミングが近いものに絞る

といったこともできます。

成長性があって、将来的な水準で割安なものをスクリーニングしてあげれば安心して中長期保有できるメリットがありますね。

まとめ

いかがでしたか?今回は将来的な成長性を加味して割安性を測ることができるPEGという指標を解説しました。

成長株と呼ばれる新興株に適した指標ですが、コンセンサス情報を活用すれば大型株にも応用可能です。

特徴を理解してしっかりと活用していってくださいね。

ちなみに、今回紹介した活用方法やスクリーニング方法は楽天証券で無料口座を持っている方のみの特権です。

まだお持ちでない方はこれを機会に無料口座開設することをおすすめします。

また、PEGはマイナス成長の場合は意味がない指標です。その場合はPSR(株価売買高倍率)なら赤字企業や小型株などの割安度を測れる!を参考にPSRで割安性を測ってください。

その他の割安性を測る指標については株の割安性指標まとめ!特徴を知って最適なものを選択しよう!でまとめています。

それではまた!