どうも、ひげづら(@higedura24)です。
優秀な企業の株式をいつ買うのか、というお話は非常に悩ましいテーマですよね。
成長性があってもそれが適正価格の時期なのか、いくらなんでも上がりすぎているのか・・・なかなか判断に迷うことも多いでしょう。
株式投資の世界ではそんなときのために「割安性指標」が用意されていて、それらを正しく活用することで適正価格なのかどうかを判断できます。
株の割安性指標はいくつかあり、それぞれに特徴がありますので今回はそれらをまとめてみました。
PER以外にも様々なものがありますので、銘柄ごとに最適なものを選択して正しく割安性を測っていきましょう。
PER(株価収益率)で純利益から見た割安性を測る
まず最もポピュラーな割安性指標としてPER(株価収益率)があります。これは
- PER(倍)=株価 ÷ 予想1株あたり純利益(EPS)
で計算され、その株を買った場合に何年で売買代金を回収できるのかを表しています。
例えば企業が1株あたり100円の利益を出していて、株価が1000円であればPERは10倍となるわけです。
企業が生み出す利益が今後も変わらないと仮定した場合にこれを言い換えると、10年で元がとれますねという考え方がPER。
PERの一番のメリットは「着実に成長している企業の株を低PERで買えば、元が取れる年数は減る」という点です。
これは1株あたりの利益が減るどころか増えていけば当然ですよね。しっかりとした業績を持った企業を適正なPERで買えば割安な売買となると言えます。
ただし、
- 予想はあくまで予想
- 業績が落ち込めば逆のことが言える
- 景気敏感株など業種の特徴を考慮する必要あり
- 成長株ではPERがやたらと高くなりがち
といった注意点があるのは知っておかなければなりません。
赤字企業の場合や成長株ではPERが意味をなさなかったり、万年低PERの業種にだまされてしまうこともあるということです。
そういった場合はその他の割安性指標を活用しましょう。PERの目安についてなど詳細は
で解説しています。
PEGは成長株に適した割安性指標
PERでは成長株の割安性を正常に測ることはできません。なぜなら成長株の場合、将来的な成長を見込んで買いが入るため株価が適正PERの範囲を超えて推移することが多いからです。
そこでPEGという指標を活用して割安性を測ります。PEGは
- PEG(倍)=PER ÷ 成長率
で計算式され、成長率を加味したPERがわかります。
成長率は一般的に「予想されるEPSの成長率」が適用されることが多いですが、投資家が重要だと思う成長率を当てはめて計算しても良いです。
例えば、PERが25倍でもEPS成長率が25%あればPEGは1倍となり適正範囲だと考えられます。PEGの適正目安などは
で解説していますので、ご参考下さい。
PSRは赤字やマイナス成長株でも割安性を測れる
PERは利益を活用して割安性を測るので、利益が出ていない赤字企業では割安性を測ることはできません。
また、利益が出ていてもマイナス成長の企業ではPERを参考に売買することはあまり好ましくありません。
そこで登場するのがPSR(株価売上高倍率)という割安性指標です。PSRは
- PSR(倍)=株価 ÷ 1株あたり売上高
で計算され、売上に対する相対的な割安性がわかります。
売上高が継続的にどんどん落ちているような企業では参考にならない指標ですが、
- 赤字やマイナス成長でも売り上げがあれば相対的な割安性を測れる
- 成長株や直近IPOなど過度にPERが高い場合でも割安性がわかる
- 売上が低下した企業の割安性調査
という目的で役に立つ指標です。PSRの詳細は
で解説しています。
PBRは企業が持つ資産から割安性を測る指標
ここまでの割安性指標は企業の収益から割安性を考えるものでした。
視点を変えて、企業が持つ資産から見た割安性を測っているのがPBR(株価純資産倍率)です。PBRは
- PBR(倍)=株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
で計算され、「企業が持つ純資産の何倍まで株価が買われているのか」を表しています。
PBRは企業が行っている事業に対しては考慮せず、純粋に資産と株価を比べているのが特徴です。
ゆえに、
- 株価と比較できるほどの資産を持たない
- 固定資産比率など業種によって向き不向きがある
という特徴があります。なるべく固定資産比率が高く、債務超過がないような業種に向いているので覚えておきましょう。
ちなみに、最もPBRで割安性を測るのに適している業種は銀行や保険代理業だと言われています。PBRの詳細は
で解説。
PCFRはキャッシュフローから見た割安性を測る指標
企業のキャッシュフローから株価の割安性を測る指標としてPCFR(株価キャッシュフロー倍率)があります。PCFRは
- PCFR(倍)=株価 ÷ 1株あたり営業キャッシュフロー
で計算され、「株価が本業利益の何倍まで買われているか」を表しています。
PCFRはキャッシュフローに対する割安性なので業種によるところが大きく、同業他社との割安度を比較する場合に重宝するのが特徴です。
キャッシュフローの計算には税金や減価償却費用も加味されているので、この点でPERとの差別化がなされています。PCFRの詳細は
で解説。
EV/EVITDA倍率は企業価値と収益力から割安性を測る指標
本質的な企業価値と控除前利益から割安性を測っているのがEV/EVITDA倍率です。EV/EVITDA倍率は
- EV/EVITDA倍率(倍)=(ネット有利子負債+時価総額)÷(税引き前利益+支払利息+減価償却費用)
で計算され、「企業を買収したときに何年で元が取れるか」ということを表しています。
世界的に用いられている割安性指標という背景から
- グローバル化が進んだ業種の割安性
- 国際的に有名な企業の割安性
- M&Aの検討材料
として重宝されているのが特徴です。EV/EVITDA倍率については
で解説。
企業価値を理論的に計算する
企業の割安度を考えるには、企業が持っている
- 資産価値
- ネットキャッシュ
などを考慮することも重要です。
いわゆるディープバリューと言われている考え方で、バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムが考案したと言われています。
ディープバリュー投資については
で解説していますのでご参考ください。
まとめ
いかがでしたか?今回は株式投資における割安性指標をまとめました。
色々な種類があって迷ってしまいますが、特徴を理解して最適なものを活用していきましょう。また、割安性指標は
- 複数を活用して色々な角度から割安性を測る
- 収益性指標や財務安全性指標も組み合わせる
といったことも重要です。
収益性と財務安全性指標については
で解説しています。ぜひ色々な角度から株を分析してみてくださいね。それではまた!