株でキャピタルゲインがうまく生み出せない人に足りないこと

    

株の売買でキャピタルゲインを狙う人はとても多いです。その理由は少額資金でも大きな利益を生み出せる可能性を秘めているからで、要は一攫千金を夢見る個人投資家がとても多いというわけですね。

個人的にはインカムゲインも捨てたモノではないと感じますが、確かに少額からではどうしても資産増加スピードが遅いのでキャピタルゲインで利益を生み出せるならそちらの方が良いでしょう。しかし、何も考えずに株を買ってもうまくキャピタルゲインを生み出すことはできないこともまた事実。この記事では

  1. キャピタルゲインを取るためにおすすめできる考え方
  2. 目安や税金について
  3. キャピタルゲインとインカムゲインはどちらが良いのか

などを述べました。現状でうまくキャピタルゲインが生み出せていないという方はぜひご参考下さい。

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おすすめはキャピタルゲインを取れる状況をイメージすること

まずキャピタルゲインとはどういったものか簡単に説明します。キャピタルゲインというのは「自分が買った取得単価より値上がりすることで出る利益」のことです。

厳密に言えば値上がりしたところで売却しなければ確定利益にはならないわけですが、このお話の一番のポイントは「値上がり」というキーワードですよね。

つまり、キャピタルゲインを取る際にどんなことを意識するのがおすすめかというと「株価が上がりやすい状況とはどういった時か」を考えることに他なりません。まずはここをしっかりと意識することがキャピタルゲインを生み出す一番の近道ではないかと感じます。

株を始めたての知り合いにこういったことを話すと「具体的にチャートがどうなった時か教えてくれ」と言われることがありますが、正直言ってそこはあとで考えることです。

私もテクニカル分析の勉強から入った人間なので気持ちは痛いほどわかりますが、初心者時代というのは「チャートがこうなっていて株価が移動平均線に当たったから上がりそうかな」というような理由があるようでない売買が多いものです。

移動平均線に株価が当たったからといって別にそれは売買理由にはならず、株を続けていくとそんなことよりもっと大事な事実に気がつくと思います。

それは「株価の値動きは実際の生活で起きている事件や出来事とかなり相関が高い」ということです。例えば暑い日が続けばアイスやエアコンがよく売れるでしょうし、台風がきて土砂災害や水害が頻発すれば建設関連やホームセンターの売上高が上がるかもしれないと株価が動くわけですね。

初心者さんは株価が理由もなく動くわけでも、投資家が気分で買いを入れているわけでもないことに早く気づいたほうが良いです。

キャピタルゲインをうまく取るためにはここから始まり、

  1. じゃぁ株価が動く瞬間や上がりやすい状況はどういった時か
  2. こういった時期にはこういった値動きが起こりそうだ
  3. 具体的な売買状況に置き換えるとどんな風に言語かできるか
  4. 当てはまる銘柄のチャートが教科書的に上がりやすい形になったら買ってみるか

といった感じで銘柄背景や需給関係をバックグラウンドに考えていく必要があります。

当該銘柄が必要とされる状況下の中で株価が移動平均線にタッチするからこそ意味があって、理由も背景もないテクニカル分析はあまり意味がないでしょう。

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キャピタルゲインの目安

では上記のような流れでうまく利益が出てきた場合に、キャピタルゲインを確定させる目安はどの程度になるでしょうか。これはおそらく

  1. 個人の考え方
  2. 想定している時間軸
  3. 売買している銘柄の時価総額

などによりけりですね。例えば比較的ボラティリティが少ないとされる大型株の短期売買なら10%取れれば問題ないでしょうし、逆に小型株の短期売買ならその数倍を狙うこともあるでしょう。

また、比較的地合いが良い時期に大型株を中期保有するなら10%だと全然物足りないわけで、長期保有でインカムゲインとキャピタルゲインどっちも狙うつもりでいつまでも売らずに持ち続けるという人もいます。

このようにキャピタルゲインに目安という考え方はあまりないように感じますが、要素としてあえて言うならば

  1. 時価総額
  2. 投入資金に対する利益率
  3. 保有時間軸
  4. チャート形状

などからあらかじめ目標を設定しておくのも良いでしょう。ちなみにチャート形状がなぜ大事なのかというと

急騰型とじわ上げ型どっちでキャピタルゲインを取るか

このように株価の動き方には銘柄差や過熱感という概念があるからです。過熱感というのはあまりに買われ過ぎていないか、逆に売られ過ぎていないかという考え方のことですね。この過熱感を明確に捉えることは難しいもののチャートが急騰型(左)なのかじわ上げ型(右)なのかで市場参加者が感じる過熱感もかなり変わってくると思います。

一般的には短期的に株価が何倍にもなってしまった急騰型の方が過熱感を感じやすい反面、上方向に伸びている時期であればちゃちゃっと大きめな利益を抜き取りやすいメリットもありますね。

ただし高値から落ちてきた時のスピード感も上がるので素早い判断と逃げ足でキャピタルゲインを抜き取る意識が必要で、つまり目指す利益としては「より短い時間軸で大きな利益」というイメージです。

一方でじわ上げ型のチャートでは過熱感が出にくいのですが、その分上げるスピード感は出づらいので目指す利益としてはよ「り長い時間軸でじっくりそこそこのキャピタルゲインを抜き取るイメージ」になります。

ゆっくり上げるパターンでは時間効率や利益率は落ちますが、

  1. 過熱感が出にくいので安心して流れに身を任せられる
  2. 大型株に多い形状なので流動性が高く投入金額も必要なだけ大きくしやすい

といった点がメリットです。

個人的には本業をしっかりとこなしながらじわ上げ型のチャートを見つけ、無理に目標を決めず崩れるまでホールドし続けるというスタイルは多様な個人投資家にマッチすると考えています。

キャピタルゲインと税金

キャピタルゲインは利益が出ているのでその分だけ税金を納めなければなりません。現状の国内株式市場ではキャピタルゲインや配当金に対して20.315%という税金がかけられています。ちなみに内訳としては

  1. 復興特別所得税含む所得税:15.315%
  2. 住民税:5%

となっています。苦労してキャピタルゲインを取っても2割も持って行かれるのはかなりツラいですね。ただし、よく初心者さんが勘違いしているのですがこの税金はキャピタルゲインという利益分にだけかけられているものです。

例えば100万円分の株式を保有したとします。売却した段階で110万円として手元に帰ってきた場合は

キャピタルゲインの税金

  1. 110万円から元本の100万円を引くと10万円がキャピタルゲインとして残る
  2. 徴収される税金はこの10万円にだけかけられるので2万315円となる

ということです(上記はわかりやすく売買手数料などは無視しています)。実際に証券口座で売却した際にはこの税金が差し引かれたお金が返ってくることになりますが、

  1. NISA口座:非課税口座
  2. 一般口座:損益計算や確定申告を自分で行う
  3. 特定口座の源泉徴収なし:損益計算は証券会社にやってもらうが確定申告は自分で行う

というケースではその限りではないです。

キャピタルゲインとインカムゲインはどっちがおすすめか

ところで、株で利益を得る方法はキャピタルゲインだけではありませんよね。この他にも配当金や株主優待によって得られるインカムゲインというものがあります。ここではキャピタルゲインとインカムゲインならどっちがおすすめなのか少しだけ考えてみましょう。

まず短期間で大きく稼ぎたいなら間違いなくキャピタルゲインがおすすめです。なぜならキャピタルゲインでは

  1. 時価総額によって値動きの大きさを調整できる
  2. 保有期間や信用取引によって資金回転率を調整できる
  3. 短期間で株価が数倍になるケースもある

といった特徴があるからですね。低時価総額の短期売買でキツい下げをくらってしまうという方も多いですが、メリットを生かして短期的に大きく資産を伸ばした方もいらっしゃいます。

一方、インカムゲインが短期的に稼ぐことに向いていない理由は

  1. そもそも配当金や優待が入ってくるのは半年に1回とか1年に1回
  2. 利回りも数%なので元手が大きくないと増えるスピードも遅くなる

という特徴があるからです。これらの理由からキャピタルゲインで増やしてからインカムゲインに移行する方も割といるようですね。

ただこの流れでは税金を2回払う可能性があるので一概に正しい方法かはわからないと言われています。簡単に言えば

  1. 最初のキャピタルゲインの利食いで税金が20.315%を持って行かれる
  2. 税引き後の現金をまた配当株に変換する場合、将来的に再現金化するタイミングで税金がかかる可能性あり

ということですが、ここは個人の考え方次第かもしれません。

個人的には大きくしたお金で確実に配当金を生み出してくれる銘柄を購入する考え方が間違っていると思いませんし、キャピタルゲインで資金を何倍にもできる手法を持っている人はそれを続ければ良いとも思います。その人の年齢や置かれている環境下によっても変わってくるはずなので、あまり難しく考えず自分にとって豊かな選択をすれば良いでしょう。

悩ましいのであれば株の資金はキャピタルゲインのみを狙い、お給料から出てくる余剰資金はインカムゲイン狙いで積み立てていけば良いです。ただその場合は意識的に口座を切り分けるようにしないと、いずれごちゃまぜになってしまう可能性も高いでしょうね。

まとめ

今回はキャピタルゲインについて色々と述べてきました。キャピタルゲインは自分の取得単価以上に値上がりしないと生み出せないものですから、まずは株価が値上がりしやすい状況とはどういったものか考える必要があります。

そこから自分が狙うべき時期や銘柄を考え、実際に買う際に初めてチャートをテクニカル分析すれば良いでしょう。

目指すべきキャピタルゲインの目安は個人の考え方にもよりますのでなんとも言えませんが、要素としては時価総額や想定する時間軸が主なものです。

短期的に資産を大きくしたいのであれば間違いなくキャピタルゲインがおすすめですので、効率的に増やせるよう試行錯誤していきましょう。