どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株を始める際、ほとんどの方が特定口座の源泉徴収ありで開いているかと思います。
特定口座の源泉徴収ありで始めるメリットは「確定申告が必要ない」ということですよね。
税金関連の手間が省けるので、初心者さんでも気軽に始められるわけです。
しかし、場合によっては無駄な税金を納めている可能性もあります。
もしあなたが大きな利益を得ていて、同時に大きな含み損を持っているのならむしろデメリットです。
そこで今回は、そういった方達にぜひ知ってもらいたい「損切りで株の税金対策をする」というテクニックをご紹介しました。
これをやるのとやらないのでは払う税金に大きな差が生まれます。
初心者さんの場合、まだそんなに勝ててないよーという方も多いかと思いますのでぜひご参考下さい。
株を損切りすると税金対策になる!
株の税金は1月~12月の損益通算で決まるものです。
また、株の税金は確定益に対して20.315%と定められています。
特定口座(源泉徴収あり)の場合は、利益を受け取る度にこの分だけ税金が差し引かれるので特段やることはありません。
しかし、年間を通した損益がマイナスになったとしても払った税金は自動的に返ってくるわけではないのです。
そこで登場するのが確定申告で、「私は株でむしろ損しているので税金払わなくて良かったんですよー」と知らせるわけですね。
これを「損失繰り越し」といって、最大で3年間まで過去の損失を繰り越して未来の税負担を軽くできます。
上記は「損失繰り越し」の流れですが、実は「含み損を抱えている場合」であっても損切りを活用して株の税金対策をすることが可能です。
損出しで年末の税金対策
例えば、
- 確定益が50万
- 含み損が30万
という状況だとします。
このまま12月の権利確定日を過ぎた場合、あなたは株で年間50万円儲けた人です。
払うべき税金は
- 50万円 × 20.315% =11万5750円
となりますね。
しかし、持っている含み損を損切りして確定損失に変えれば、差し引きで年間20万円の儲けに変わります。
払うべき税金は
- 20万円 × 20.315% =4万6300円
まで減りました。
つまり、持っている含み損を損切りしたことで
- 11万5750円 - 4万6300円 =6万9450円
も節税できたということです。
こういった含み損を損切りして株の税金を減らすことを「損出し」と呼びます。
損出しは損切りを応用したテクニックであり、見かけの確定益を減らすことで節税が可能です。
節税のため損切りした株はどうなるの?
ここで気になるのは
- 税金対策のために損切りした株はどうなるの?
- 損切りして買い戻したら節税効果以上に損しない?
という点ですよね。
例えば、配当目的で長期保有している株などは含み損になろうとずーっと持っておきたい株でしょう。
また、損切りした銘柄は年間損益を調整したら再度買い戻せば良いのですが、
- 特定口座の性質上、同日に買い戻すと本来の節税効果にならない
- 翌営業日に値上がりしていた場合はその分だけ損する
という注意点があります。
特定口座では同日に現物売りと現物買いを行った場合、順番に関わらず買い注文が先に計算される仕組みです。
したがって、最終的な取得単価の計算も変わってしまい本来の損出し額と違ってしまいます。
ただし、これは現物株でのお話なので信用取引を応用すれば解決可能です。
そこで登場するのが、「クロス取引を応用してなるべく現状維持のまま株の節税を行う」という考え方になります。
損切りと信用買いを同時に行う
クロス取引とは同一銘柄に対して売りと買いを同時に行うことを言います。
株主優待では現物買いと信用売りを同時に入れ、値動きの影響を抑えつつ株主優待を取得するために活用されている方法です。
今回のような株の税金対策では、
- 現物売り
- 信用買い
を同時に行うことで値動きの影響なく節税するわけですね。
具体的な流れとしては、
- 損出しを行う日の寄り付き前に、損切り目的の現物売りを「成行発注」
- 同じく同日の寄り付き前に、信用買いを同じ株数だけ「成行発注」
- 翌営業日に信用買いした分を「現引き」で現物に変える
というものです。
簡単に言えば、持ち株の含み損を確定しつつ信用買いに変えてから、翌営業日に現引き処理で現物に戻しています。
こうすれば信用取引の手数料や金利はかかるものの、ほぼ現状維持で節税することが可能ですね。
注意点としては
- 現物売りも信用買いも寄り付き前に成行注文すること
- 現引き処理に手数料がかかる証券会社もある
ということが挙げられます。
現引き処理は証券会社によってそれなりのコストがかかるので、手間に対して節税効果が弱くなるかもしれません。
例えば楽天証券なら現引き手数料が0円ですし、なるべくコストがかからない証券会社を選ぶとより節税効果が高まります。
外部参照リンク:楽天証券
損出しは年末に行うのがベター
一般に損出しを行う時期は12月の権利確定日付近と言われています。
理由としては確定損を出したあとに持ち株が上昇したら、その分の税金は払わなければならないからです。
例えば12月の始めに損出しを行って節税しても、年末までに急騰して利食いしたら節税効果は薄れてしまいます。
利益確定さえしなければ良いのですが、利食いしなかったばかりに含み益が幻となってしまう可能性もあるわけです。
含み益が節税効果よりも大きければそれほど悲しいことはないので、手間が無駄にならないためにも年末まで引きつけて行うのがベターと言われています。
また、アノマリー的にも年末に向けて株価が上げやすいと言われていますよね。
損益額がどうなるかは誰にもわかりませんが、こういった理由から損出しは年末付近で行う風潮があります。
なお、逆に12月の権利確定日を超えて損出しをしても翌年の受け渡しとなり意味がありません。
損切りをして節税できるリミットは12月の権利確定日ですので、タイミングには注意してくださいね。
ちなみに損出し(損切り)のタイミングが権利確定日前なのであって、現引きタイミングは権利確定日を過ぎても大丈夫です。
12月に配当や優待権利がついていない限り現引きは焦らなくて大丈夫ですが、信用買いの金利はかさみます。
まとめ
いかがでしたか?今回は損切りを活用して株の税金対策をするテクニックをお伝えしました。
損出しのポイントは
- 12月の権利確定日までに含み損を損切りすること
- 損切りは当日の寄り付き前に成行売りすること
- その際は買い戻しで損をしないように、信用買いも同時に成行で入れておく
- 翌営業日に信用買いを現引きし、現物株に戻す
- 損出し後の確定益分にも税金が発生するので、なるべく権利確定日に引きつけて行う
ということでした。
損切りを上手に活用して株の税金対策をしていきましょう。
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