スイングトレードの期間やチャートについて深く考えたことはありますか?
スイングトレードをテクニカル分析で行っているという方は多そうですが、もしかしたらスイングトレードの期間やチャートについて深く考えている人は少ないかもしれません。
スイングトレードではできるだけ同じような売買を銘柄をとっ変えひっかえしながら繰り返し行っていきたいわけですが、その点でチャートパターンを認識することはとても大事だと考えています。そこでこの記事では個人的にスイングトレード向けのチャートだと感じるものを集め、それぞれの特徴や狙い方をまとめました。
スイングトレードの保有期間はチャートパターンともそこそこ関係性が深いので、どういったチャートで勝負するかと併せて考えていきましょう。
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スイングトレードの期間とチャートパターンとの関係性
まずスイングトレードをどういった期間で行うか考えた方が良い理由について述べておきます。これは保有期間と資金回転率が密接に関係する要素だからではないでしょうか。簡単に言えば
- 保有期間を短く設定するほど売買タイミングをピンポイントに捉えつつ多くの銘柄を触らなくてはならない
- 保有期間が長ければ長いほど売買タイミングを柔軟に考えられるが触る銘柄数は少なくなり、地合いの影響も受けやすくなる
という感じですね。また、仮にピンポイントで狙って即座にリバウンドするトレードがしたいのであればそれ相応のチャートパターンを選ばなくてはなりません。
スイングトレードの期間は個人の好みによって自由に選んで良いとは思うものの、理想とする資金回転率や狙っているチャートパターンと合致していた方が旨味は大きいとも感じるわけです。
ということで私が考えるスイングトレード向けチャートの種類や特徴に保有期間などを5パターン紹介します。おそらくどれも多くの方が見たことあると感じるものなので、読み進めながら一緒に特徴を考えてみてほしいです。
規則的な上昇波形
まずは規則的な上昇波形を描くチャートパターンからです。これはジグザグと上昇を続けながらきれいにトレンドラインを描いていくケースで、最も教科書的なスイングトレードだと思います。
押し目から反発の流れに移動平均線や節目がばっちり合ってくることも多くスイングトレードの王道とも言えるでしょう。このチャートパターンで保有期間を考えるとすれば直近傾向でジグザグがどれくらいの期間で繰り返されているかがひとつの目安になってきます。例えば上記の例ならおよそ2週間かけて押し目から高値に戻るペースです。
人によっては高値から押し目の深さがどれくらいになるか比率計算し、そこから同じ値幅が取れるのは大体どれくらいか考察していくケースもありそうですね。これはN計算値とか言われる考え方で、下記のようなパターンに分類できます。
波形によって計算方法を変えながら押し目の比率が計算できますので覚えておくと良いでしょう。
ボックス波形
次にボックス波形です。これは上昇波形が横方向に変わっただけで規則的な値動きという点では同じですね。特徴としては水平ラインが引けるので安値も捉えやすく、これまたスイングトレード目線で拾いやすいチャートパターンだと考えています。
上昇波形と同様に一回のサイクルがどれくらいの期間で行われるかを考えたり、もしくは決算発表で流れが変わることを考えるのなら決算までの残存期間でも良いでしょう。例えばボックスサイクルは1か月だけど、次の決算発表まで3週間だから半月目安に保有しよう・・・みたいな感じです。
ボックス推移はいつまでも続くわけではなく、決算発表や材料をトリガーにトレンド発生する可能性が少なからずあります。したがって不用意に決算跨ぎするのではなく、あくまでボックス内での値幅を取る意識が大切ですね。
定期急騰型
3つ目は定期急騰型のチャートパターンです。こちらは確か数年前の過去記事でも紹介したことがありますが、いわゆる買い集め(アキュミレーション)とも呼ばれるものですね。場合によってはスイングトレードから少し離れるような気もしますが、一定期間で高騰するのでそのサイクルを保有期間目安としながら値幅を狙えます。
低位株に多い形状で、なるべく一番低い価格水準で指値約定させたらあとは次の急騰がくるまで待つイメージです。例えば上記のチャート例では大体1か月に1度は上昇タイミングがあるので、スイングトレード期間としては1か月ほどになります。
売買が活発でなく底値が決まっているという観点で考えれば値下がりリスクは少ないのですが、どちらかといえば資金拘束や流動性リスクがネックになりやすいです。また、もうひとつ懸念点があって、それは「あらかじめ一定利益率に指値売りを仕掛けておかないと機能しないことがある」という点です。
ご覧のように急騰は一瞬で大引けには上ひげになっていることも多いので、あらかじめ指値しておかないと売り逃すことも十分に考えられます。
材料持ちトレンド転換型
4つ目は下降トレンドから横ばいに移行する中で何かしらポジティブな材料が頻発してトレンド転換してきたというチャートパターンです。スイングトレードの値幅をより大きくしたいという場合はこういったトレンド転換期の安いところを持って、なるべく保有期間を伸ばすことがおすすめですね。
図の例では下降トレンドから転換するタイミングで何度も出来高急増となり、ここでしっかりとした底値を形成していることがわかります。もちろんトレンド転換しているか定かではない場所なのでリスクはありますが、そこは強い材料によってカバーするという考え方です。
テクニカル分析や需給面から考えると、例えば出来高急増の大陽線やそれに伴うゴールデンクロスなどから出来高増加傾向になった・・・という現象を合図に買っていくことが多いでしょう。できるだけ利益を伸ばしたいのでスイングトレードの期間としてはあまり目安を設けず、伸ばせるだけホールドする方が理にかなっていると思います。
ただしこれは業績面などホールドする価値がその株にあるかも重要なので、長い保有期間を想定する場合にはそれなりに調べた方が良いです。
急落後の自律反発
最後は窓開けが連続するほど急落したあとに割安感から買いが入る(買い戻しが起こる)というチャートパターンです。このケースでは比較的短めなスイングトレード期間を想定しやすいですが、急落理由にもよりますね。例えば銘柄そのものに問題はなく地合いによって急落したというケースでは長く持つこともあるわけです。
急落からの切り返しではローソク足に着目することが多く、長い下ひげや切り返しの大陽線などは転換点として認識しやすいでしょう。したがって自分がどの部分を基点ローソク足にするか決めることはもちろん、明確にエッジが効いているローソク足を見た瞬間にスイングトレードを開始することもあります。
心配であれば基点ローソク足の安値まで引き付けて狙うこともおすすめですが、裏返せばそこを損切り水準と考えてスイングトレードしていくことにもなるでしょう。
ちなみにスイングトレード期間を短めに取る理由としては「急落原因がネガティブサプライズというケースも多く、切り返しても戻り売りが出る可能性も高いため」ですね。将来有望な良い株を割安に買えたと感じられるケース以外は急落したという事実をしっかりと受け止めながらスイングトレードしていった方が良いと思います。
まとめ
今回はスイングトレードに向いている5つのチャートパターンとそれぞれの特徴に合った保有期間について述べてみました。今回ご紹介した内容はあくまで市場に溢れている一例ですが、大事なことは自分がどういったスイングトレードを理想としているのかです。
毎日銘柄を変えながらせわしなくスイングトレードをしていきたいのか、1度保有したらそれなりに引っ張っていくスイングトレードをしたいのかによって最適なチャートパターンというものは変わります。スイングトレードは色々な状況に対応できる柔軟なトレードスタイルですので、この機会にご自身がどのような方法を好むのか考えてみてはいかがでしょうか。
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