どうも、ひげづら(@higedura24)です。
以前、「ダウの犬」という長期投資法についてご紹介しました。
<関連記事>
この記事ではダウの犬の解説と、国内株式で実践する例に触れています。
今回はこのダウの犬と投資信託どちらで高配当株にアプローチするのが良いのかというお話です。
この記事では
- 投資信託のコスト
- ダウの犬と投資信託の違い
について書きましたので、ご参考下さい。
ダウの犬をまだご存じない方は先に上記の関連記事からご一読下さい。
投資信託のコスト
投資信託を簡単に言うと、「投資信託会社に資産運用を委託して(資金を預けて)、金融商品を買付けてもらう」という仕組みです。
投資信託は顧客のニーズに合わせて「ファンド」と呼ばれるものを作ります。
ファンドには色々なものがあり、
- 株価指数に連動したパフォーマンスを目指すファンド
- 国内の新興株を重点的に買うファンド
- 米国株を重点的に買うファンド
- 高配当株を重点的に買うファンド
- 債権やREITを買うファンド
など多岐に渡ります。
もはや数え切れないほどのファンドが存在していて、どのファンドに資金を預けるのかは千差万別と言えるでしょう。
そんな投資信託で資産運用をする場合、一般的に以下の様なコストが必要です。
- 購入時手数料:投資信託を買付ける手数料
- 信託報酬:資産から定期的に投資信託会社に払う報酬
- 信託財産留保額:売却時の手数料
投資信託ではこれらがコストとして必要になるため、自分で株や債権などを買うより割高になる傾向があります。
コストは確定的な損失と同等ですから、それだけパフォーマンスを上げなくてはなりません。
また、投資信託の中には償還期限が定められている商品もあり、その場合は無期限に保有することはできません。
ただし、最近では「ノーロード型ファンド」と呼ばれる信託報酬以外の手数料を無料化する商品もあります。
信託報酬は運用してもらったお礼ですので無くなることはないですが、ノーロード型ファンドを活用することは非常におすすめです。
ダウの犬と投資信託を比較してみよう
では本題の
- ダウの犬
- 投資信託
のどちらが良いのかを考えていきましょう。
ダウの犬手法とは
- NYダウを構成する30銘柄を高配当順に並べ替える
- 上位10銘柄をなるべく同じ金額で買う
- 1年後に再度上位10銘柄をピックアップ
- 保有のうち、上位10銘柄に入れなかったものを売却
- 新しく上位10銘柄に入ったものを組み込む
- これを毎年繰り返す
という手順ですね。
つまり高配当株に長期投資する手法なので、今回比較する投資信託も「高配当株ファンド」に限定して考えます。
ダウの犬のメリットとデメリット
ダウの犬の良い所は
- 手順が簡便でやることが明確
- 自分の裁量で保有銘柄を決められる
という点です。
簡便という点では投資信託も同様ですが、自分が預けた資産でどんな銘柄を買っているのかは詳細に知ることはできません。
確かに、買付け前に見なくてはならない「目論見書」というものでファンドの大体の方針はわかります。
しかし、実際にどんな銘柄を買ってどんな成績だったのかは毎年の報告書を見るまではわかりません。
また、この銘柄を多く保有してもらいたいと考えても投資比率はファンド次第です。
その点、ダウの犬手法であればファンドマネージャーは自分自身。
保有するセクターをバラバラに調整したり、あまりに配当性向が高いものは外すことだってできます。
逆に言えば、それによってパフォーマンスが落ちたとしても自分自身の責任ですので、そこはデメリットでもあります。
前述のようなメリットがありつつも、デメリットと表裏一体の要素もあるわけですね。
投資信託のメリットとデメリット
投資信託のメリットにはどんなものがあるでしょうか。
投資信託のメリットは、やはり「自分の裁量がいらない」という点ですね。
これは先ほど申し上げたように「資産運用の中身がわからない」というデメリットでもありますが、投資初心者にとっては助かる点でしょう。
反対に、投資信託のデメリットは
- 冒頭で述べたような様々なコストがかかる
- コストを抑えようとすると商品が限られる
- 配当金はもらえない
といったことが挙げられます。
最初にご紹介したコストはノーロード型ファンドなどを活用すれば抑えることが可能です。
しかし、問題は「高配当株ファンドに低コスト商品があるか」という点ですよね。
高配当株ファンドというだけであれば
- たわらノーロードplus国内株式高配当最小分散戦略
- ニッセイアメリカ高配当株ファンド
- LM・オーストラリア高配当株ファンド
など国内外に投資するファンドが存在します。
しかし、中身を見てみると実際にコストが抑えられているものはほとんどありません。
例えば、投資信託の扱いが多いSBI証券でスクリーニングをしてみましょう。
コストをなるべく抑えるためのスクリーニング条件は
- 「高配当」でキーワード検索
- 買付け手数料無料
- 信託報酬0.54%以下
- 手動で信託財産留保額があるものを除外
とします。
その結果、数千とあるファンドの中で上記に該当するものは・・・たった1つでした。
それは「楽天-米国高配当株インデックスファンド」。
これは米国の高配当株の動きを捉える目的で作られたファンドですね。
信託報酬が0.1896%程度でまずまずですが、投資対象は米国株です。
国内に投資したい方には条件が合わないことになりますが、選択肢はこれしかないので仕方ありません。
また、そもそもダウの犬は「配当をもらいながら長期的に資産を育てたい方」が実践する手法です。
投資信託でも配当金が出るタイプのファンドはありますが、利益から捻出する仕組みのためファンドパフォーマンスを下げてしまいます。
このように、投資信託で高配当株を狙う場合は
- 投資先がかなり限定される
- 配当金を受け取ることはできない
という点に注意しなくてはなりません。
ダウの犬手法がおすすめだが、高配当に限らないのであれば投資信託も優秀
ここまで書いてきた内容から、高配当株投資という側面ではダウの犬がおすすめです。
ダウの犬は難しい手法ではありませんし、ある程度の種銭を用意して機械的に繰り返すだけですからね。
また、投資信託で高配当株にアプローチする場合は
- 余計なコストがかかる
- 投資先が限られる
- そもそも配当金を受け取れない
という点がネックです。特に配当金は当初の目的に合っていない可能性すらあります。
ただし、高配当株という条件を取っ払えば投資信託も優秀な投資先だと思いますよ。
- 全世界にバランス良く分散してくれるインデックス型
- 国内株式以外のインデックスファンド
- 米国株(S&P500)のインデックスファンド
などには過去に無いくらいコストを抑えた商品も出ていますし、数十年スパンで長期積立することが可能です。
つみたてNISAやiDeCoと組み合わせれば節税効果もありますし、複利運用されるので続ければ続けるほどメリットも高まります。
適材適所を意識するのであれば投資信託は万人におすすめできる投資方法ですね。
まとめ
いかがでしたか?今回はダウの犬と投資信託を「高配当株」という観点で比較しました。
ダウの犬の方がおすすめできますが、高配当に限らないのであれば投資信託も優れた投資先と言えるでしょう。
メリット・デメリットをふまえて、最適な活用方法を考えていきたいですね。
関連記事には
がありますので、こちらもぜひご覧下さい。それではまた!