前回記事は「価格帯別出来高の見方や使い方!意味を知って正しく活用しよう!」でした。
どうも、ひげづら(@higedura24)です。
値動きを見るときに直近の出来高がどれくらいあるのかは重要で、それによって解釈も変わってきます。
しかし単純な棒グラフだけ見ても、その出来高が少ないのか多いのか判断がつきづらいこともしばしばありますよね。
そこで登場するのが「出来高移動平均線」という考え方です。
出来高移動平均線を活用すれば
- 出来高水準の目安
- 出来高推移の方向性
- 出来高の転換点
がわかるメリットがあります。まだご存じない方はぜひこの機会に覚えてしまいましょう。
出来高移動平均線の見方とは
まず出来高移動平均線の実物を見てもらいます。こちらをご覧下さい。
図の出来高スペースに引かれている緑のラインが「出来高移動平均線」です。
出来高移動平均線とは「任意期間における平均出来高をいくつも組み合わせて1本の線として表示したもの」です。
テクニカル分析には任意期間の株価を平均して線で表した「単純移動平均線」というものがありますよね。出来高移動平均線はその出来高バージョンです。
単純移動平均線と同じ考え方で作成されている指標なので、出来高移動平均線も以下の様な特徴があります。
- 出来高移動平均線は直近の平均水準を表す
- 出来高移動平均線の傾きは直近推移のトレンドを表す
- 複数の出来高移動平均線を活用して売買サインを探れる
出来高移動平均線は直近の平均水準を表す
出来高移動平均線は出来高の大小を測る際の物差しとして機能します。
例えばこちらをご覧下さい。
このチャートはある大型株の日足です。
所々で大きな出来高がついていますが、このチャートからは「大きい」ということしかわかりません。
そこで25日間で設定した出来高移動平均線(緑線)をつけてあげると・・・
このように「直近25日平均以上の出来高がついた箇所がどこか」が一目瞭然ですね。
小型株では出来高にメリハリがつきやすいですが、時価総額が大きいとなかなかそうもいきません。
出来高移動平均線という物差しをつけてあげると判断しやすいですね。
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出来高移動平均線の傾きは直近推移のトレンドを表す
出来高の推移が増加傾向であれば出来高移動平均線は上向き、逆に減少傾向であれば下向きになります。
出来高は株価を動かすためのエネルギーで、株価の動きに先行する性質があります。
そのため出来高移動平均線で直近の傾向(トレンド)を測ってあげることは大事なこと。
このチャートでも・・・
上昇途中に出来高移動平均線が下向きで推移したあと、株価下落の流れとなっています。
複数の出来高移動平均線を活用して売買サインを探れる
上記2つの特徴に加えて、複数の出来高移動平均線を活用してあげると値動きの転換を先読みできます。
例えば・・・
この例では、
- 中期線:25日出来高移動平均線(緑)
- 長期線:50日出来高移動平均線(青)
を表示してあり、赤丸部分では中期線が長期線をゴールデンクロスしていますよね。
つまり「長期目線での出来高水準を超えるほど出来高水準が上昇してきた」ということであり、値動きするためのエネルギーが高まってきたと感じ取れるわけです。
株価の移動平均線と同様に「相場が進んできている裏付け」なので、トレンドが発生したり加速する可能性があります。
見えていませんが、このチャート例もボックス推移からブレイクした瞬間を切り取っています。
単純にゴールデンクロスやデッドクロスで売買をしてはいけませんが、値動きの転換点が近いか探るためのヒントとなるでしょう。
出来高移動平均線の計算式と設定
出来高移動平均線の計算式は
- 出来高移動平均線=N期間の出来高総和 ÷ N
です。例えば25日の出来高移動平均線を求める場合、
- 25日出来高移動平均=直近25日間の出来高総和 ÷ 25
を各営業日で行い線としてつなげているんですね。
また、出来高移動平均線の設定は
- 期間が短くなるほど直近推移に敏感に反応するが不安定な動き
- 期間が長くなるほど安定的に動くが反応が鈍い
という特徴があります。目安としては
- 短期:5日、13週、12ヶ月
- 中期:25日、26週、24ヶ月
- 長期:50日、52週、36ヶ月
がおすすめ。
ちなみに、日足長期が50日となっているのは75日だと少し遅い印象があるからです。
また、欧米の投資家さんが書いた本では50日出来高移動平均線で記述していることも多いですね。
株価の移動平均線含め、長期は50日が主流なのかもしれません。
複数の出来高移動平均線を活用する際は中期の出来高移動平均線を基準に出来高水準の変化を観察します。
したがって「短期と中期」もしくは「中期と長期」のクロスに注目しましょう。
出来高移動平均線の表示方法
出来高移動平均線はスマホツールでは表示できないことが多いですし、観察もしづらいのでPCツールを活用しましょう。
おすすめは楽天証券のマーケットスピード2です。
設定もしやすく、観察しやすいように透過性や線の太さ・色など様々なカスタマイズも可能。
ちなみにマーケットスピード2では
- 右クリックからオシレーターを選択、出来高を追加
- 右クリックのチャート設定で出来高を選択
- 移動平均線を追加
で表示できます。ぜひご活用ください。
まとめ
いかがでしたか?今回は出来高分析をより深く行うための出来高移動平均線を解説しました。
出来高水準や推移傾向がわかる有用なものですので、ぜひご活用ください。
次の出来高関連記事は「出来高の先見性とは?具体的なパターンとポイントを図説!」です。
それではまた!