どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株の世界ではトレンドに沿ってトレードをすることは非常に有効と考えられています。
特に資金の少ない個人投資家の場合は上昇トレンドの銘柄を保有し、トレンドが終了するまで持ち続けることが利益を大きくするために必要です。
そのためにはトレンドの発生や勢いの変化に注目することが重要で、多くの方が良い方法はないかと考えているわけですね。
そこで今回はDMIというテクニカル指標をご紹介します。
DMIは3つのラインを駆使してトレンドの発生や勢いを視覚化するオシレーター系のテクニカル指標です。
初心者さんでもわかりやすいテクニカル指標ですのでぜひ見方を覚えてご活用ください。
DMIは3つの指数の見方に注目
DMIはDirectional Movement Indexの略で方向性指数とも呼ばれます。DMIは全部で3つの指数で構成されており、それぞれの名称は
- +DI
- -DI
- ADX
と言います。実際のDMIは・・・
こんな感じでローソク足の下に表示されています。ちなみに
- 赤:+DI
- 青:-DI
- 黄:ADX
です。
DMIは移動平均線などと違って、前日および当日の安値高値の比較を行っているのがポイントです。
この点を踏まえながら、まずは3つの指数の意味から見ていきましょう。
もし難しければ
- +DI:上昇トレンド成分
- -DI:下降トレンド成分
- ADX:トレンドの強さ
とだけ覚えて、DMIの使い方までスキップしていただいて結構です。
+DIは上昇トレンド成分、-DIは下降トレンド成分、ADXはトレンドの強さ
+DIは上昇トレンドの方向性を表しており、
- +DI(%)=(設定期間における+DMの合計)÷(設定期間におけるTRの合計)× 100
で計算されます。ちなみに+DMは
- +DM=当日高値-前日高値
で計算される上昇値幅のこと。
TR(True Range)とは
- 当日高値ー当日安値
- 当日高値ー当日終値
- 前日終値ー当日安値
のうち最大となったもので実質変動幅を表しています。
同様に-DIは下降トレンドの方向性を表しており、
- -DI(%)=(設定期間における-DMの合計)÷(設定期間におけるTRの合計)× 100
で計算されます。-DMは
- -DM=前日安値-当日安値
で計算される下落値幅のこと。TRは先ほどと同様です。
また、プラスマイナスのDMを比較する際のルールとしては
- +DM<0のとき+DMは0とみなす(当日高値<前日高値のケース)
- -DM<0のとき-DMは0とみなす(前日安値<当日安値のケース)
- +DM>-DMのとき-DMは0とみなす(上昇幅が下落幅を上回るケース)
- -DM>+DMのとき+DMは0とみなす(下落幅が上昇幅を上回るケース)
としています。
ADXとはトレンドの強さを表すもので、DXを指数平滑移動平均線として表示したものです。
ちなみにDXは
- DX={+DI-(-DI)}÷{+DI+(-DI)}
で計算され、+DIと-DIの差を絶対値表示してから方向性の比率で割ったものです。
DMIの設定期間とは
DMIは設定期間を14とすることが一般的です。日足でも週足でも月足でも14を入力すれば良いでしょう。
+DI、-DI、ADXとトレンド条件とは
トレンドが発生する条件としては
- 上昇トレンド:安値高値の切り上がり
- 下降トレンド:安値高値の切り下がり
- トレンドレス:安値高値の差があまりなく、方向感に乏しい
といったことが必要です。
それぞれの状況を考慮すると、前述の計算式からわかるように
- 安値高値の切り上がり:+DIの上昇
- 安値高値の切り下がり:-DIの上昇
- 安値高値の差が大きい:ADXの上昇
といったことを引き起こします。したがって、DMIを観察する上で重要なのは
- ±DIのどちらが上昇しているのか
- ADXも上昇していてトレンドが発生していると言えるか
- ±DIの高さが逆転しようとしていないか
といったことが挙げられます。
DMIの見方や使い方とは
DMIでエントリーをする前提条件は
- +DIが-DIを上抜け
- -DIが+DIを上抜け
のどちらかです。
後述しますが、トレンドレスでは低い位置で3本が絡まり合うので、前提条件のクロスは25以上の範囲を目安としましょう。
25以上でクロスしていればトレンドレスが原因のダマシも防ぎやすいです。
例としては・・・
このピンク丸のようなときですね。このチャートは下降トレンドから底這いに転じ、ギャップアップしたことで前提シグナルが発生しました。
これをきっかけにエントリータイミングがくるかを探します。
前提条件を確認したらエントリーできる状況になるか待ちましょう。
エントリーはローソク足と移動平均線の位置関係や安値高値の場所も影響しますが、基本的には
- 買い:+DIが上向き、-DIが下向き、ADXが上向き
- 売り:+DIが下向き、-DIが上向き、ADXが上向き
という状況を待ちます。例としては・・・
このピンク枠部分のようなタイミングですね。
下降トレンド成分が下がり、上昇トレンド成分が上がり、トレンドの勢いもついてきている状況。
ローソク足を見ると、長期移動平均線にぶつかるタイミングですので
- 一旦の小幅下落
- 長期移動平均線超え
などを待ってもいいでしょう。いずれにせよここからトレンドが強まっていくかを判断します。
もしトレンドが順調に育てば・・・
ピンク枠部分のようにADXが+DI(下降トレンドでは-DI)を上抜き始めます。
この状況が続いて、ADXがある程度まで上昇すると・・・
ピンク枠部分のように過熱感が出始めて株価が調整に入ることもあります。
ADXは減少し、-DIは+DIを上抜いてしまいました。
逆張り的ではありますが、ADXの過熱感はポジション調整の合図と考えても良いでしょう。
また、チャート右側のように保ち合いに入ると全ての指数が低い位置で収束し始めます。
トレンドレスのときはADXが上下したり、全ての指数が絡み合うような状況になるのでダマシに注意してください。
次に利食いやロスカットについてですが、これはトレンド成分が減少したことを確認した時なので、
- 上昇トレンド:+DI、ADXが下向きに転換
- 下降トレンド:-DI、ADXが下向きに転換
という状況を目安にします。先ほどのチャートで言えば・・・
- 赤枠:+DIが減少し始める
- 青枠:ADXも減少し始める(+DIとADXが下向き、-DI上向き)
といったタイミングが目安になります。
流れをまとめると、
- +DIと-DIのクロスでエントリーを探り出す
- ADXまで上向き転換したらローソク足の位置を見ながらエントリー
- ADXが勢いづくのを確認
- +DIの減少、ADXの過熱感や減少、-DIの増加で利食いを進めていく
- 保ち合いで様子見に入る
という感じですね。
おわかりかと思いますが、くれぐれもDMIだけ見るのではなく、ローソク足や移動平均線なども確認して判断するようにお願いします。
まとめ
いかがでしたか?今回はトレンド発生や勢いを測るDMIというテクニカル指標をご紹介しました。
オシレーター系の指標ですのでピンポイントでの売買シグナルではないですが、エントリーしても良い状況かを判断する上で活躍できるでしょう。
売買シグナル点灯をきっかけに、適切なポイントをローソク足や移動平均線から考えてみてくださいね。
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