どうも、ひげづら(@higedura24)です。
皆さんは「見せ板」という言葉をご存じですか?
見せ板とは「約定させる気がないのに目立つ注文をして、市場心理を操作すること」を言います。
株式投資をしていて、板に不自然な注文が出たり消えたりすることありませんか?
それこそが見せ板と呼ばれるテクニックで、個人投資家が売らされたり買わされたりする原因のひとつなんですね。
今回はそんな見せ板の基本的な考え方についてお話します。
あくまで私の考えですので、ご自身で勉強していくきっかけくらいに受け取っていただければ幸いです。
見せ板と株価の動きの関係とは
冒頭でお話した通り、見せ板とは機関投資家が私たち個人投資家の市場心理を操るために行うものです。
ではなぜそんなことをするのでしょうか?
それは「機関投資家が有利なポジションを作るため」ですよね。例えば、
- 株価1000円
- 大体の価格が1000株単位の注文
という銘柄で、機関投資家が10000株の買いポジションを作りたい場合を考えてみましょう。
もし1000株単位の注文がメインの需給サイズとなっている板に、突然10000株の成り行き注文が入ったらどうなるでしょうか?
板の需給以上の大きさの注文が入るので、当然株価はどんどん高騰します。
しかし、機関投資家の買いポジションとしては平均約定価格が高くなってしまいますよね。
そこで、機関投資家はまず板にいくつか大きな売り注文を入れるわけです。
もちろん、目的は買いポジションを10000株作ることなので、この売り注文はなるべく約定させません。
ただ現在の株価が1000円なのであれば、1001~1003円のようなちょっと上の売り板に10000株ずつまとめて売りが入ればかなり目立ちますよね?
するとそれを見た個人投資家が、「あれ?こんなに売り板が厚くなってしまったら株価が上がらないじゃないか!」と考えます。
そうなれば個人投資家は売りポジションを持とうとするわけですね。
機関投資家はこうした個人投資家からの売りを吸収して予定数を買い集め、最後は「見せ板を外して成り行き買い」という操作で株価をつり上げます。
株価がつり上がれば、今度は個人投資家の損切り注文が入りますよね?
売りのロスカットは「買い決済」ですから、
- 機関投資家が少し下の株価をホールド
- 個人投資家の買い決済(ロスカット)が重なる
という状況でまた株価が上がります。こうして、機関投資家は
- 不必要に資金を使うこと無く、有利な買いポジションを持つ
- 個人投資家の売りエントリーと、買いロスカットで利益を伸ばして確定
ということに成功しました。
この流れの「約定させるつもりのない大きな売り注文」こそが見せ板と呼ばれるテクニックです。
見せ板は違法なのでは?
こんな話をすると、見せ板は違法行為だ!という声が聞こえてきそうですね。
全くその通り。
見せ板は約定させるつもりがないのに注文を出して、結果的に市場心理を撹乱する技術なので法律的には違法とされています。
しかし、資金規模が大きい機関投資家は見せ板などを使わないと満足にポジションが持てないのでしょう。
また、デイトレードでは他の参加者を欺くのは当たり前で、国内株式市場では日常的に行われていることです。
個人的には「見せ板なんてずるい!」と嘆くのではなく、見せ板を見抜いて機関投資家と同じ方向にポジションを持つ意識をするべきかなと感じます。
見せ板が消えたときは歩み値を見ること
もし不自然な注文に気づいて、その注文が消えると同時に株価が動いていったら「本当に約定したのか」を確認します。
約定したかどうかは歩み値を確認するのが一番確実です。
チャートで大きく出来高が増加した場合も確認できますが、歩み値の方が時系列で約定数が表示されてわかりやすいですね。
ちゃんと置かれていた注文数が約定したかどうか確認して、そこに大きな価格帯別出来高が計上されたかを考えましょう。
置かれていた注文と実際の約定数が違っている場合、見せ板だった可能性は高いです。
当然、自分の売り注文ごと食べていくケースもあるのでしょうが、見せ板をしていたことがわかれば反対ポジションを作っていた根拠にもなるわけですね。
見せ板が無くなって株価が動いた時点ではもう遅いですが、見せ板を確認した経験が今後の役に立ちます。
まとめ
いかがでしたか?今回は見せ板に関する基本的なお話をしました。
あくまで推測であり、これが事実かどうかはわかりません。
しかし、見せ板をしているなと感じるケースでは反対方向に株価が動いていくことも多いです。
機関投資家がどんなことをザラ場で行っているか妄想して、自分なりの仮説を立ててみてはいかがでしょうか?
見せ板の関連記事には「見せ板とアルゴ注文!活性化した原因は東証にあり?」がありますので。こちらもご参考ください。
また、板読みや歩み値については
がありますので、こちらもご参考下さいね。それではまた!