どうも、ひげづら(@higedura24)です。
個人投資家の中には信用取引をこれでもかと行い、レバレッジが常に2倍3倍という方もいらっしゃいますよね。
そういったレバレッジが高い状態で地合いが暴落すると、追証といって現金を入金する必要が出てきます。
この記事では
- 追証になる流れはどんなものか
- もし追証が払えなかった場合はどうなるのか
- 証券会社に落ち度がある追証のケース
- 追証で退場となる人が犯しがちなミス
といったことについて書きました。
全財産で株式売買をしている方はぜひご参考いただき、これを機会に資金管理を考えてみてはいかがでしょうか。
追証の流れとは
最初に追証になる流れを簡単に復習しておきます。
追証は「追加で委託保証金を払って下さい」という意味で、保証金が最低保証金率未満になることで生じるものです。
また、最低保証金率とは「信用取引をするにあたってこれだけは最低でも維持しておかなければならない担保額」のことですね。
最低保証金率は証券会社によって異なりますが、大体20~30%の間が多いでしょう。
もし追証となった場合には2営業日以内に
- 必要な金額を入金する
- 建玉決済による解消
を行わなければなりません。
例えば、
- 元本(委託保証金):100万円
- 信用取引額: 300万円(レバレッジ3倍)
- 最低保証金率:20%
で売買をした場合を考えてみます。
このときの元本100万が委託保証金にあたり、株価が下がることで元本に影響が出て保証金維持率も変化するわけです。
保証金維持率の計算式は
- 保証金維持率(%)=(元本-含み損額)÷ 信用取引で売買した合計金額 × 100
となっていて、これが証券会社ごとに定められた最低水準を下回ると追証扱いになります。
もし上記の状態から株価が連日暴落して30%下落した場合には300万の30%(90万円)が含み損となり・・・
- 保証金維持率(%)=(100万円-90万円)÷ 300万円 × 100 =約3.3%
という計算で保証金維持率が算出されますね。
これは最低保証金率を17%ほど下回っているので、この分を入金しなくてはなりません。
入金額は信用取引をした300万円の17%ですから、
- 300 × 0.17=51万円の入金額
となります。
もし建玉を維持して株価の戻りを待ちたい場合には51万円の入金が必要ということですね。
こんな金額払えないよという場合には建玉決済によって追証を解消することも可能ですが、ここで重要なポイントがあります。
証券会社によっても違ってくると思いますが、それは「建玉決済分の20%にあたる金額しか追証返済に充てられない」という点です。
外部参照リンク:楽天証券|追証とは?
つまり今回の場合なら残った210万円分の建玉を全決済しても、その20%である42万円しか補填されないということになります。
追証の解消には51万円が必要なので、
- 51万円 - 42万円 = 9万円の現金が必要
という計算です。
「もしあなたが全財産で信用取引をしていた場合はどうしますか?」というのがこの記事の趣旨となります。
最低保証金率は証券会社によって違いますが、低いほど大きくレバレッジをかけやすい(損失に耐えやすい)わけですよね。
しかし、これは裏返せば(証券会社側からすれば)「たくさんレバレッジをかけてもらった方が儲かるからどうぞできるだけかけて下さいね」ということではないでしょうか。
追証が発生したら
- お金を新しく入金するか
- 建玉を必要数決済するか
のどちらかですが、ちゃんと仕組みを考えないまま大きなレバレッジを張っている方も多いはずです。
建玉の強制決済で済めば良いですが
- 元本は大きく減る
- 強制決済では済まないこともある
と認識しなくてはなりません。
ちなみに、追証の責任発生後に株価が反発して最低保証金率を上回っても追証は解除されませんので覚えておきましょう。
追証が払えない場合はどうなるのか
では本題ですが、もし追証を解消するだけのお金を払えない場合にはどうなるのでしょうか。
追証の解消は基本的に預貯金から持ってくるわけですが、全財産を株式売買に投入していた人はどうすることもできません。
それでもどうにかしてお金を払えば良いので
- 家族
- 親戚
- 友人
などから2営業日以内に現金を調達して返すのが考えられる選択肢です。
これは平たく言えば借金をして借金を返すわけなので、返済期限が遠のいただけではあります。
その後は働いてお金を返さなければならず、つらい状況には変わりないですね。
ではどこからもお金を借りられなかった場合はどうすれば良いのでしょうか?
消費者金融という手もありますがこれは本当に本当の最終手段なので使いたくはありません。
そこで出てくる選択肢として言われているのが「証券会社に借金返済期限の交渉をする」という手ですね。
ネットやSNSでは
- 証券会社に返済計画の交渉ができる
- 分割払いによる返済ができる
といったケースがあったそうなのでまずはカスタマーセンターに問い合わせてみると良いです。
ただし、これは証券会社が公式に述べている選択肢ではないので本当かはわかりません。
また、
- 証券会社とちゃんと連絡を取り合って状況を説明する必要あり
- 応じない場合は法的措置もあり得る
といった可能性は考えられるでしょう。
根本的な問題として
- そもそも資金管理を行った上で売買しなくてはならなかった
- お金がないのに過剰な規模の売買をしてしまった
といったことは言えるので、まずは自分自身で追証を解決する必要がありますね。
証券会社のせいで追証となった場合
ところで、証券会社に責任がある場合の追証はどうなるのでしょうか。
証券会社の落ち度として考えられるのは、
- 通信障害による決済不可で追証になった
- 窓口に注文を頼んだら誤発注された
などが考えられます。
おそらく、これもカスタマーセンターに問い合わせて相談するしかないです。
例えば多くの投資家に同じ現象が生じてクレームが殺到した場合であれば、時間はかかれど追証を補填してくれる可能性もあるでしょう。
そういった「明らかに証券会社に落ち度がある」という状況下では話し合いもスムーズかもしれませんが、自分だけに生じたケースは難航しそうです。
トラブルは突然起きるものなので焦ってしまいますが、その状況下における
- 現象の詳細
- 時刻
- 株価
- 取得単価
などを詳細にメモったものを元に交渉し、追証を解消してもらう流れになるでしょう。
追証を払えない人が犯しがちなミス
普通に考えればそうそう追証を払えない状況にはならないはずですが、実際に借金となる方もいますよね。
1銘柄に全力集中売買をしている場合は論外ですが、追証で退場となった方々が犯しがちなミスをまとめたのでご参考下さい。
建玉の強制決済で済むと考えている
先ほど述べたように、追証の際には建玉決済によって返済も可能です。
しかし、実際に返済となる金額は決済の20%や30%なので解消できないケースもあるでしょう。
もし追証になっても全部ぶん投げればそれでいいやと考えていた方はこのシステムで大きく後悔することになるはずです。
追加で入金できれば良いのですが、そうできない場合はさらに苦しむことになるのでまずはお使いの証券会社の公式ホームページにてしっかりと仕組みを復習しておきましょう。
買いたい銘柄を適度に絞らない
1銘柄に全力で信用売買する方も珍しいと思いますが、そうでなくても追証となる可能性は十分にあります。
その最たる例が
- 買いたい銘柄を絞らずにあれもこれも手を出す
- しかも全てそれなりの額を買っている
というケースですね。
信用取引は合計でどれくらい売買したかによってレバレッジが変わりますし、地合いの暴落で全銘柄の株価が大きく下がれば意味がありません。
全体の含み損がどうなっているかで保証金維持率も変わるので、あれもこれも手を出して気づいたらこんなにレバレッジが膨らんでいた・・・なんてことがないようにしましょう。
保証金維持率がギリギリなのに放置した
地合いの暴落が起きたのに逃げ足が遅い人は追証になりやすいです。
例えば最初の急落で追証にならなくても、翌営業日や翌々営業日で深掘りするケースも考えられますよね。
株価が反発するか完全に読めているならまだしも、保証金維持率がギリギリであればポジション調整をしなくてはなりません。
損切り条件に達していないとしても、そもそも資金管理が出来ていないので別問題となります。
追証が解消できないような資金状況ではなおさら危ないので、早めに逃げる意識を持ちましょう。
追証対策で破産を防ごう
追証は強制決済でも話が終わらないこともあるので、そうならないためにしっかりと対策を考えておく必要があります。
考えられる対策は至ってシンプルなもので、
- 現物取引メインで売買する
- レバレッジを調整する
の2つです。
そもそも信用取引をしなければ追証には絶対になりませんし、お金が払えないという理由で退場することもありません。
また、もし信用取引をするにしても滅多なことでは行わないように気をつけておけば追証リスクを減らせます。
もし信用取引をする場合には余力に対してどれくらいのレバレッジまでなら追証とならなそうかをしっかりとイメージしてください。
明日いきなり急落したら保証金維持率がどうなるのか計算して、許容できる範囲でのみ信用取引を行いましょう。
信用取引は借金売買ですから、株初心者さんが気軽に行うものではありませんよ。
まとめ
いかがでしたか?今回は追証が強制決済でも払えないとどうなるのかを述べました。
全財産で信用取引をしている方もいるようですが、それは非常に危険なことです。
借金を借金で返すような状況になり兼ねないので、くれぐれも注意してください。
また、仕組みを理解せずに追証になるのも情けないので事前にルールを理解しておくことも大切ですね。
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