株価暴落中のペッパーフードと鳥貴族・串カツ田中・ハイデイ日高を比較してみた!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

いきなりステーキでお馴染みのペッパーフードサービスは、2020年1月の時点で株価暴落中となっています。

あんなに勢いがあったのになぜこんなことになったのかは、過去記事でお話していますのでそちらをご参考ください。

<関連記事>

実は記事執筆時点では、飲食店を営んでいる他の会社も株価が下げ基調となっている印象があります。

そこでいくつかの会社をピックアップして、株価の明暗を分けやすいポイントを考えてみました。

今回の比較では

  1. ペッパーフードサービス(いきなりステーキ)
  2. 鳥貴族
  3. 串カツ田中
  4. ハイデイ日高(日高屋)

を対象としています。

ちなみにペッパーフードサービスはいきなりステーキ以外にも運営しているお店がありますので、実際はもう少し悪い数字かもしれません。

    

ペッパーフードサービスを他社と比較してみよう

今回比較してみたかった指標は

  1. 売上高営業利益率:どれくらい利益として残るか
  2. 売上高原価率:商品コストがどれくらい高いか
  3. 売上高販促管理費率:販売・広告コストがどれくらいか

の3つです。

ちなみに売上高営業利益率は今期予想を含めた直近5年の平均値を取りました。

売上高原価率と売上高販促管理費率に関しては直近決算資料から算出しています。

本来であれば全て平均値を取りたいところですが、ざっくり見返した感じではそこまで影響なかったです。

実際に比較してみた結果ですが、こんな感じになりました。

 

売上高営業利益率

まず売上高営業利益率についてです。

最も高いのは日高屋の11.2%で、最も低いのはペッパーフードサービスの5.3%でした。

ちなみにペッパーフードサービスは今期予想が赤字なので、4年間の平均値としています。

また、鳥貴族と串カツ田中は年々利益率が下落傾向にあるので非常に気になるところでした。

串カツ田中はROEなど収益性指標が高めなので、この営業利益率の結果は意外ですね。

鳥貴族は5年前に6%ほどだったのが、直近予想では3.8%まで落ちているので危なっかしい印象があります。

四季報には目標営業利益率8%と書いてありますが、元々の営業利益率を大きく超える策はあるのでしょうか?

店舗での串入れをやめれば数%上がるという話もあれば、逆にやめない方が良いという話もあるようです。

ハイデイ日高の日高屋は今期予想のみ9.76%まで落ちているものの、それでも他社より優秀な数字なので利益が残りやすい事業と言えそうです。

セットメニューでがっつりとした食事を提供しつつ、しっかりと原価率を抑えたスタイルがうまくいっているのでしょうか。

売上高原価率

次に売上高原価率について。

売上高が多く原価が低いほど利益が残りやすいので、原価率は低いほど優秀ということになります。

原価率で優秀なのは日高屋の27.4%で、これは非常に優秀な数値でしょう。

逆に最も成績が悪かったのは、良質(と自称している)お肉を厚切りで提供するいきなりステーキ(ペッパーフードサービス)でした。

意外だったのは鳥貴族の原価率が30%を切っていたことです。

鳥貴族の事業モデルを考えるともっと高くても納得できそうですが、数年前の32%より原価率が徐々に下がっている傾向がわかりました。

元々は50%近かったという話を聞いたことがあるので、薄利多売を既存店の増加(売上高の増加)でカバーしていったのかもしれません。

もしくはドリンクやサイドメニューなど原価率の低いものがうまくカバーしてくれているのか。

一方、串カツ田中は価格通りの原価率というイメージですね。

飲食店の原価率は25~30%前後ですが、38.9%とそれを大きく上回る数値です。

原価率を下げるには売上高を増やさねばならず、最近の「禁煙化によってファミリー層を取り込む施策」は深く関係しているかも?

ファミリー層を取り込むことに成功しましたが、禁煙化はソフトドリンクを好む客層に変化するのが一般的で客単価は落ちていきます。

この点をさらにをカバーするために値上げをした場合、お客さんがどう感じるのか・・・という問題になっていくでしょう。

鳥貴族の値上げ問題も然り、原価率の改善やそれに関係する値上げは難しいお話ですね。

売上高販促管理費率

最後に販促管理費率です。

ちなみに販促管理費には

  1. 広告費
  2. 人件費

などが含まれます。したがって

  1. たくさんコマーシャルを打つ
  2. 多く人を雇う
  3. アルバイトの給料を上げる

などの施策が関係してくる部分ですね。

販促管理費率は低いほど利益は残りますが、あまり宣伝しなかったり従業員が離れても良くないので適度に欲しいところではあります。

最も高かったのは日高屋の62.8%で、最も低かったのはペッパーフードサービスの40.9%です。

利益を出しやすい日高屋が高く、赤字になっているいきなりステーキが低い傾向なのでしょうか。

人件費という意味では、従業員1人あたりの売上高が大きめないきなりステーキの販管費は低くなりやすいとは思いますが。

ちなみにペッパーフードサービスは新株を発行し、負債返済に加えて広告費用も充足すると2019年12月末に発表していますね。

<関連記事>

コスパ重視の飲食店に大事なこととは

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、比較対象としている飲食店はすべて「安さ」を売りにしている企業ばかりです。

いきなりステーキは厚切り肉をお手頃な価格で食べられるお店。

鳥貴族はドリンクも含め全メニュー298円の一律価格で提供するお店。

串カツ田中は安くて美味しい串カツをリーズナブルに提供するお店。

日高屋は安くて美味しい中華をコスパを感じる価格で提供するお店。

どれも安いメニューが特徴となっています。

消費者からすれば「あの店は安いよね」で終わる話ですが、投資家としては「客単価が低い」と言い換えるべきお話です。

したがって、

  1. 売上高を底上げするためにどんどん出店拡大する
  2. 回転率を上げて利益を増やす
  3. 原価率を下げて利益率を上げる

といった施策が必要となります。

これはコスパ重視の飲食店における試練ですが、いきなりステーキや鳥貴族は出店拡大で失敗したと言われてしまいました。

その結果として既存店売上高が減少し、歯止めをかけようとした施策でまた叩かれるという悪循環に。

思うのですが、コスパ重視を狙うお店には何かしらの武器が必要ですよね。

例えば、いきなりステーキは高い原価率を「立ち食い店として提供して回転率を上げる」というアイディアで補っていたはずです。

それがいつの間にか座って食べるスタイルが追加され、回転率が落ちたのではないかと感じてしまいます。

鳥貴族は均一価格が強みだったのに値上げを余儀なくされ、世の中の流れ的にも均一価格だけでやっていける時代ではなくなってしまいました。

あの100円ショップですら安さだけでやっていける時代を終え、商品開発や100円以上のラインナップを出していることからも明らかです。

その点で串カツ田中やハイデイ日高は強いかもしれませんね。

まず串カツ田中は串カツ専門店という競合が少ない市場で売り上げを稼いでいて、高収益業態として有名です。

しっかりと調理マニュアルが作られていて、新人でもそこまでの期間をかけなくても同じ味を提供できるようですね。

このおかげで人手不足を解消しやすく、人件費問題にメリットがあると思います。

お店の世界観もしっかりとしていて、今後ファミリー層にどう仕掛けていくのかも気になるところです。

ハイデイ日高はやはり「高い営業利益率」と「低い原価率」が大きな武器でしょう。

がっつりとした料理をコスパ良く提供しつつ、ちょい飲みという時代にマッチしたサービスも提供できていると思います。

串カツ田中ほどの伸びはありませんが、安定した業績で自己資本比率も高い点は評価できますよね。

そんな串カツ田中とハイデイ日高の株価推移は・・・

こんな感じです。

ハイデイ日高は直近でもみ合っていますが、全体としては長いこと上昇が続いていることがわかります。

串カツ田中は2017年12月に暴落していますが、業績はまだ伸びているようですね。

禁煙化による客層変化は既存店売上高にも影響していますが、ここをクリアーすれば大きく値を戻しそうだなと思います。

まとめ

いかがでしたか?今回はいきなりステーキでおなじみのペッパーフードサービスとコスパ重視の他社を比較してみました。

コスパ重視の飲食店では高い営業利益率や原価率が低いといった強みが欲しいところです。

そういった点ではいきなりステーキに大きな強みが見つからず、安さだけが残るのかなと感じてしまいました。

新しさだけで出店拡大してきたものの、そういった弱さが株価暴落を招いたのかもしれません。

飲食店への投資は難しいですが、長期的に資金を置くのであれば串カツ田中やハイデイ日高のような強みを持った企業にしたいところです。

個人的にいきなりステーキは好きなので、残念ではありますが・・・。

関連記事には

がありますのでご参考ください。それではまた!