どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株の世界には「青天井相場」という言葉があります。
青天井とは株価がどこまでも上がっていきそうな状態を表現していて、もし保有株がそうなれば大きな利益を期待できるでしょう。
この記事では
- 青天井の具体的な状況やチャート
- 青天井相場となる理由
- 内包されたリスクや売り時
などについて述べました。
青天井は買いのサインと思われがちですが、意外にそういうわけではありません。
株の青天井相場とは
株の青天井相場はいくつかの角度から説明できます。
まず概念としては「どこまでも上がっていきそうな株」という漠然とした状態を表していて、時価総額が小さい株に用いられることが多いでしょう。
というのも小型株ほど上昇の勢いが強く、まさに青天井と呼ぶにふさわしい相場状況だからです。
感覚的には数百億円くらいまでの時価総額ならピンポールのように跳ねる値動きとなり、保有していて気持ちが良い上昇だと思います。
ちなみに青天井相場は別名「青空相場」とも呼ばれます。
青天井のチャート例
青天井をテクニカル分析の面から説明すると、「上場来高値を抜けて新高値を更新している状態」と考えられますよね。
先ほど小型株という話が出ましたが、それ以外にも直近IPO銘柄の新高値追い局面でよく使われる表現のひとつです。
青天井のチャート例としては・・・
このように直近IPO銘柄が初値をつけたあと上昇トレンドになった場合が考えやすいでしょう。
直近IPOではロックアップが考慮されつつ1~2ヶ月ほど上昇が継続されることがあり、そういった状況で「どこまで新高値を追えるか」という意味の青天井相場があるわけです。
ただし一般的に青天井相場には「急騰」や「爆益」といった良いイメージがありますが・・・
最初のチャートの続きを見てわかるように
- 新高値から切り返さないわけではない
- 下げスピードが速いケースもある
ということを忘れてはいけません。
したがって直近IPOに限らず、「青天井を確認して買う」のではなく「事前に青天井のチャートを想像して買っておく」ということが求められます。
青天井相場と騒がれる前の安い所で買っておけば急激なボラティリティ拡大にも耐えやすく、何よりメンタル面でメリットが大きいです。
最高益更新という意味合い
青天井をファンダメンタルズ的に説明した場合、「最高益の連続的な更新」という側面があります。
例えば新高値チャートに加えて、
- 3ヶ月ごとに訪れる四半期決算で何度も過去最高益を更新
- 通期決算で何年連続の最高益更新
といった状況であれば文句なしの青天井相場です。
こういったファンダメンタルズ面で青天井相場を考えた場合、いわゆる成長株という要素が入ってくると思います。
成長株は企業実体を何年も先取りした状態で株価が推移していくことが多いので、利益確定には
- 増益率
- 今後の成長余力
などを加味したいところですね。
なぜ青天井チャートが生まれるのか
ところで、なぜ青天井と呼ばれる株が市場に生まれるのでしょうか。
色々な側面があるかと思いますが、私が考える最も大きな要因は「需給状況」です。
青天井に限らず、株価が一過性に大きく動くためには売りか買いのどちらかに大きく傾く必要があります。
例えば、何かしらの強い材料で急騰した株があったとしましょう。
それを見た新規の買い方が参入し、同時に売り方が損切り覚悟で買い戻しをしたとします。
この時には売り方と買い方どちらも
- 買い方の新規買い
- 売り方の買い戻し
という方向に舵を切っていますので、大きく株価が上昇する可能性が高いでしょう。
そこから株価が新高値更新となれば「青天井相場」となり、また新たな新規買いも見込めるかもしれません。
このように、業績や材料に信用取引規制など何かしらの要因で市場の需給状態が大きく傾いたことで株価も青天井になるのだと思います。
ただし、この裏にはリスクもあるので注意が必要です。
需給反転のリスクと売り時
株価が青天井と言われるきっかけは新高値が大きいです。
もし新高値となった過程に急騰場面があれば、通常モードから逸脱した需要が押し寄せていた可能性がありますよね。
また、新高値の裏には
- 上場来高値で利食いしようと考える投資家
- 新高値更新はやりすぎだから逆張り売りをしよう
といった色々な立場の投資家が参入してくる可能性もあります。
要するに新高値は青天井が意識される反面、需給の転換点にもなり得るわけです。
その結果、値動きが今まで以上に激しくなるケースもあり「ボラティリティの拡大」というリスクが内包されているでしょう。
経験上は株価水準がそこまで割高でなければじわじわと新高値を更新し続けて大相場となるケースもありましたが、高値圏で突如として急降下するケースももちろんありました。
例えば数年前に勉強になった銘柄はMonotaRO(モノタロウ)です。
当時のMonotaROは上場来高値更新から大きく株価を伸ばし、ある価格でもみ合いを始めました。
業績好調を背景に新高値を更新していたのでそれなりに話題にもなっていましたが、図のタイミングで高値を抜けたわけです。
この前後で「青天井相場になったと思われる」なんてニュースが多かったのに対し、むしろ新高値更新を合図に急落しました。
結果的にはそこから復活上昇をして再び新高値更新の流れに戻りましたが、
- 新高値が必ずしも絶好のエントリー場所ではない
- 青天井と騒がれたからと言って素直には上がらない
と感じたことを覚えています。
青天井の売り時は自由ですがどこで需給反転するかはチキンレースです。
怖ければ早めに売ってしまうこともひとつの手ですし、流れが読めていると自己判断できるのならホールドでも構いません。
ただし、とりあえずホールドするにしても「自分なりに目標株価を計算して売り時の目安を作っておくこと」がおすすめです。
例えば、現状のPERや増益予想からどれくらいまでの株価上昇が見込めそうか目安を持っておく人は多いと思います。
- 相場開始から30%上昇で利食い指値を入れておく
- 分割決済で手仕舞いタイミングをなるべく引き延ばす
など工夫をしながらホールドするようにしましょう。
青天井に売りなし
前述のように、青天井相場では逆張り勢が空売りを仕掛けようと考えがちです。
個人的には強い上昇局面で空売りするのは危険だと考えていて、空売りの教科書として有名な本でも「適切な空売りタイミングは天井よりもかなり先の時期」と説明されています。
ボラが拡大している局面では上にも下にも大きく動けるわけで、先ほどのMonotaRO然り
- 上がったと思ったら下がった
- 下がったと思ったらもっと上がった
ということが往々にしてあります。
下手に空売りを仕掛けても巻き込まれるのが関の山ですから、不必要な逆張り売りはしない方が良いでしょう。
また、株式投資の仕組みを考えても「現物買いでは最大損失額が決まっているが、空売りの場合は天井がない」と言えますよね。
上昇に巻き込まれれば約定価格の何倍もの損失となる可能性があり、そういったリスクを本当に取るべきタイミングかを考えた方が良いと思います。
時価総額の小さい株では連続ストップ高も考えられ、その場合は買い戻したくてもできません。
株価が移動平均線のはるか上で空中戦を繰り広げているときは注意が必要です。
大衆が強気になり始めたら終わりの合図?
ここまで個別銘柄としての目線で青天井を述べてきましたが、こういった考え方は日経平均など全体地合いにも応用できるでしょう。
日経平均株価の最高値はバブル時につけたものですが、もう長年超えることはできていません。
したがって、例えば・・・
このような日経平均株価が高値追いをしている局面は実質的な青天井相場と考えられます。
上記のように日経平均株価が「珍しく」強い値動きを見せていると
- 株って簡単だな!
- この株でこんなに儲かった!
- このまま億り人を目指すぜ!
といった強気発言がSNSにも増えてきますよね。
私を含め、株で何度も痛い目に遭ったことがある人は「どうせすぐ下がるんでしょ」と思ってしまうのですが、そういった人ばかりではないのが現実です。
全体地合いの青天井が終わりを迎えるのはこういった大衆が楽観視し始めた時だと思います。
また、よくある流れとして
- 成長株や有名テーマ株が物色される
- 段々と成長株や有名テーマ株の上値が重くなる
- 新しい物色対象として割安株やテーマの出遅れ株が話題になる
- そこまで盛り上がらずに下火になる
といったものがあります。
わけのわからない株まで上がり始めたら青天井もそろそろ終わりかなと考えられますし、その前には利食いできるものをどんどん利食いしてキャッシュ比率を高めても良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は青天井相場について考えを述べました。
一般的には「どこまでも上がっていきそうな状況」を指す言葉で、
- テクニカル的には新高値
- ファンダメンタルズ的には最高益
が考えやすいと思います。
特に小型株や直近IPOで用いられやすい表現ですが、その裏にはボラティリティ拡大による急落リスクもあるでしょう。
青天井チャートを確認して買うのはリスクが高いので、事前に予想をしてなるべく安い段階で買っておくことが求められます。
また、青天井相場で空売りを仕掛けることも同様にリスクが高いので注意が必要ですね。
青天井という言葉に踊らされず、なるべく普段通りの売買を心がけた方が良いでしょう。
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