それ株中毒かも?依存症に当てはまるなら要注意です!

    

世の中には「中毒」や「依存症」という言葉がありますが、実はこれ株の世界にも当てはまる表現です。

株の売買が楽しくて仕方がないという人は単にハマっているのかもしれませんが、中には大損ばかりで楽しくないのに株の売買をやめられないという方もいるでしょう。

恐ろしいことですが、そういった方はいわゆる株中毒という症候群にかかっているのかもしれません。

この記事では

  1. 株中毒とはどういった症候群か
  2. 依存症が起きてしまう原因として考えられるもの
  3. 依存症から脱するためにはどうすれば良いか

といったことを考察してみました。

自分が株中毒なのか気になる、薄々感じてはいたけどどうすれば良いか悩んでいるという方はぜひご参考下さい。

    

株中毒とは

まず株中毒という言葉の定義について考えていきましょう。一般的な中毒とは

  1. 毒にあたるという意味
  2. 毒性を持つ物質を体内の許容量を超えて摂取
  3. 正常な機能が阻害される

といったことを言うようです(参照:Wikipedia|中毒)。

また、依存症とは病みつきになっているという意味が一般的なので、これらをふまえると「株中毒」とは

  1. 必要以上の株売買を行いすぎている
  2. リスクを取るスリルが快感になっている
  3. 売買における判断能力が欠如している状態
  4. 株の売買をしてなければいられない

といった状態を指すと考えられますね。

株中毒のこういった症状はいつの間にか起きているものですので、明確な原因が不明である症候群とも言えるでしょう。

症候群の例はどんなものか

では株中毒になるとどういった症候群が表れるのかお決まりの例を述べ、加えてその原因や対策を考察していきます。

ポジポジ病

まず最も多いのは「株を保有していなければ気が済まない」というものですよね。株の世界では保有することを「ポジション」と呼ぶので別名「ポジポジ病」なんて呼ばれることも多い症状です。

ポジポジ病の怖いところは持たなくても良いポジションを持ってしまうという点でしょう。株を保有するということは少なからず自分の資産をリスクにさらすという意味がありますので、無駄なポジションは不要なリスクを取っていることと同義です。

仮に株式市場の雰囲気が非常に悪くても常に株を保有し続ける。この背景には「利益機会を逃したくない」という考えがこびりついているのだと思います。

確かに株を保有しなければ市場の動きによって利益を得ることはできませんが、逆に保有しなければ市場の動きによって損することもありません。

どうしても保有し続けたいのであれば指数連動型の上場型投資信託(ETF)やインデックス型の投資信託を長期的にポジションし続ければ良いと思います。

指数連動型の商品を保有するということは株を保有していることとほぼ同義ですし、市場全体に投資しながら複利を狙うという商品の特徴としても長期投資に向いているものです。

長期投資に向いている商品を保有し続ければ利益機会の損失を気にする必要もありませんからね。

損しているのにやめられない

株中毒が投資家を悩ませるのは損をしているからです。仮にポジポジ病でも売買によって大きな利益を得ているのであれば資産は増えていくので本質的な所では悩む必要はないはずですよね。

それでも多くの方が悩むのは大きな損失を出しているからこそで、「こんなに損を出したのになぜ自分は株の売買を続けているんだ」という考えがあるでしょう。

また、株を続ける背景には「いつか大逆転して資産を何倍にも増やしてやる」という気持ちがあると思います。

ただ、ここで考えたいのは損失ばかり出す売買スキームを続けていて逆転する日はくるのかということです。個人的には

  1. まず売買をしばらく休む
  2. 自分がしてきた売買をゆっくり振り返る
  3. 何がいけないか、どこが良かったか考える
  4. 改めて売買スキームを考案して検証する

ということが必要だと思います。ちなみにここでいう検証はとりあえず過去の値動きで行っても全く問題ないでしょう。

過去の値動きに当てはめた時に勝率が高いスキームをまず見つけてから未来で実践していく方が、損失を出し続けながら続けるより大逆転の可能性は高いと思いますよ。

デイトレード依存症

株中毒でありがちなパターンにはデイトレード依存症もありますよね。

デイトレードとは当日中に保有から売却までを完結させるトレード方法を指していて、売買結果がすぐに出るという点で短期目線の投機家に人気です。しかし実際のところ、日中に本業を持っている方は多いのでデイトレードをしたくてもできないという方がほとんどでしょう。

それでも仕事中に周りの目を盗んではデイトレードをしてしまう、何度もトイレに駆け込んでは売買を繰り返してしまうという方は立派な株中毒だと思います。

こういった方はトイレトレーダーなんて揶揄されていますが、ここぞという時だけ行うならまだしも常態的にやっているとすればかなりの依存症です。

おそらくこの背景には

  1. 今日を逃すと買い場がないかも!
  2. こんなに期待値が高い銘柄は滅多にない!

といった考えを持っているのでしょうが、正直そんな銘柄は腐るほどあっていくらでも湧いてくると思いますよ。

トイレに駆け込むほど急いで売買するということはその銘柄は値動きのとっても荒い小型株ですか?

試しに日々の値動きランキングやストップ高銘柄を覗いてみてください。似たような小型株はいくらでもあるはずです。ゲーム株でもバイオ株でも毎年嫌と言うほど話題になりますし、ブームやテーマはすぐに移り変わります。

この点を認識すれば本当に勝負をかけたい銘柄など数少ないことに気がつけますし、仮にそういった銘柄に出会えた場合は素直に指値すれば良いだけです。

現代では買い指値から利食いと損切り指値まで一括で入れられますので、そういった機能をうまく使いながら株中毒から抜け出しましょう。

信用取引依存症

先ほど株中毒の定義を述べた際、その原因に「スリル」という言葉を使いました。

この言葉と結びつきやすいのは信用取引という仕組みで、要は借金をして自分の資金以上の売買を行うことを言います。

個人投資家の中には信用取引を使って常に資金の倍以上を保有しているという方もいて、どれだけ損をしてもやめないのですからこれも立派な依存症ですよね。

私の感覚というか経験では一度痛い目を見たら次からは気をつけよう、自分の身の丈に合った売買を心がけようとなるはずですが正常な判断能力を失っている場合には

  1. 次はきっと大丈夫!
  2. 次こそは爆益に間違いなし!

と感じてしまうのでしょう。

人間というのは私生活の中にどこかスリルを求めているところがあるのかもしれません。

株価が10円動くだけで万単位の変動があるという状況を怖がりながら楽しんでいるという点が背景にあって、もはや損益ではなくそのスリルを楽しむために売買をしている可能性もありそうですね。

月並みですが生活に刺激を求めるのであれば

  1. スポーツやジョギングで体を動かし汗を流す
  2. 新しいコミュニティに入り普段と違った人と話す
  3. 普段行かない場所に出かけてみる

といったことで十分リフレッシュになると思います。

株に刺激を求め、その結果また損をして、そのストレスを信用取引のスリルで解消しようとしては負の連鎖から抜け出せません。

心当たりのある方は手遅れになる前にぜひ真っ当な方法で刺激を求めてみてはいかがでしょうか。

株とギャンブル依存症

信用取引依存症の方は常に大きなポジションを持つことに対して楽しさを感じてしまっている部分があると述べました。

私はなったことがないので実際のところはわかりませんが、どちらに転ぶかわからないヒリヒリ感に楽しさを感じている点はギャンブル依存症と似たような所があるかもしれませんね。

ただし、これは勝負師とか相場師とは一線を画さなければなりません。

なぜなら以前書いた記事でも述べましたが、私は勝負師とギャンブラーの違いはあると考えているからです。

ざっくりと述べるなら勝負師とは「期待値の高い場面でのみ大きくリスクを取ることができる人」であり、どちらに転ぶかわからない勝負でもスリルを求めるギャンブル依存症とは別物でしょう。

確かに小型株の値動きは実経済の状況や思惑と結びつくことで時に全く予想もつかない展開になり興味深いです。

でもその不確定な値動きの中に資産を置き、それを楽しむということは株を始めた本来の意味合いとは少し違うかなと私は考えてしまいます。

資産形成という観点ではなるべくリスクは排除したいわけで、不確定要素は邪魔でしかありません。

まぁ株の値動きなどわからないことだらけなのですが、それでも今までの経験や過去の傾向から

  1. どうなる可能性が高いかある程度見当がつく
  2. 確度が高ければそれを再現したくなる
  3. 再現性を高められれば手法に昇華される

ということは言えるでしょう。

自分が株中毒なのかどうかはこういったある程度検証されたスキームを持っているかどうかも違いとして挙げられそうですね。

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そもそも株をやめるというのもひとつの手

ここまで株中毒について色々と述べてきましたが、ひっくるめると全て金欲の話です。

お金が欲しい、お金を稼ぎたいという気持ちが中毒や依存症を引き起こしています。お金を稼ぎたいというのは人生における永遠のテーマですのでこれをやめることはできません。

しかし、稼ぐ手段は株の他にもたくさんあるはずです。稼ぐ手段を株しかイメージできないうちは依存してしまっても無理はありませんが、それ以外の手段が目に入ってきた段階ではやめることができそうですよね。

例えば試してみたい事業を思いついた場合などはその最たるものですし、その他にも現代には色々なツールがあります。

趣味で撮りためていた自慢の写真を売れるサービスもあれば、ネットショップを開いてハンドメイド品を並べることだって気軽にできる時代です。

集客も少し工夫してSNSを使えばコストなし。いわば自分の知恵と工夫次第でいくらでも稼ぐことは可能なので思い切って株をやめることもありでしょう。

中々それができないから株中毒なのかもしれませんが、ツラくてツラくて仕方がない方はいつかスイッチが切り替わると良いですね。

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まとめ

今回は株中毒について考察してみました。ポジポジ病や信用取引依存症など株をやっていく上で弊害となりそうな症状が併発する状況であり、時には本業にも影響がありそうです。

この背景にはお金を稼ぎたいという欲が根底にありそうですが、闇雲にリスクを取るのではなくまずは枠組みを明確にすることから始めたいですね。

また、稼ぐ手段は株だけではありません。いくらやってもうまくいかず、いつの間にか株に依存してしまっているという方は違った角度からお金儲けを考えるのもひとつの手でしょう。この記事が多くの株中毒者の参考になり、そのエネルギーが良い方向に動けば幸いです。