どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株で利益をあげるためには安く買って高く得る必要があります。
しかし、自分が買ったタイミングが最安値とは限らず、そこからさらに値下がりすることもあるわけです。
値下がりすればより安く買えるわけですから、買い増したいと考える方も多いことでしょう。
そういった含み損を抱えた状態で買い増ししていくことを、株の世界では「ナンピン買い」と呼んでいます。
ナンピン買いは絶対にやってはいけないという意見とやった方が良いという意見があり、賛否両論です。
この記事では
- ナンピン買いのメリットデメリット
- ナンピン買いが失敗しやすい例
- ナンピン買いを成功させるための戦略
- 平均取得単価の計算
について解説しました。
ナンピン買いは自分なりの解釈を持って使えば効果的ですが、適当に行ってはリスクが大きいです。
必ずやる必要はないのですが、1つの考え方としてぜひご参考下さい。
ナンピン買いとは
ナンピン買いとは冒頭で述べたように、含み損を抱えながら買い増しを行うことです。
具体的な話は後述しますが、取得単価よりも下で買うことでメリットデメリットを得られます。
ナンピン買いの語源とは
ナンピン買いは漢字で書くと「難平買い」と書くのはご存じでしょうか?
この語源は「難(なん)」を平らにするというもので、ここで言う難とは損失額になります。
株を下で買い増して損失額を軽くしようじゃないかということですが、必ずしもそうならないのがナンピン買いの難しいところでしょう。
買い増しするということは保有株数が増えるということなので、資産変動額は大きくなります。
ナンピン箇所から上に動いてくれればそれだけ資産回復しますが、必ずそうなるわけではないので注意が必要ですね。
メリットは取得単価が下がること
ナンピン買いのメリットはなんと言っても「平均取得単価が下がること」です。
例えば・・・
- Aで購入したあとにBまで値下がり
- Bでさらに買い増し(ナンピン買い)することで取得単価を下げる
といったことを行うわけですね。
取得単価の計算方法は
- 平均取得単価 = 購入金額の総和 ÷ 保有株数
ですので、この場合は
- ((1000円×100株)+(900円×200株))÷ 300株 = 約933円
が平均取得単価になります。
ということは、Bよりも33円ほど(900円から3.6%)値上がりしてくれればプラスマイナス0になる計算です。
Bでナンピン買いしない場合は取得単価がA(株価1000円)のままですが、ナンピン買いすることで損益分岐点が下がりましたね。
仮にCまで上昇したとしても、
- Aのみで購入:2万円の利益
- AとBで購入:約8万円の利益
と、より大きな利益を得ることが出来るでしょう。
- 同値撤退がしやすい
- 元の株価Aまで戻れば含み益になっている
- 元値より上がればさらに大きな利益
とも考えられ、これこそがナンピン買いのメリットだと言えますね。
デメリットは損失が大きくなること
ここまでの話ではナンピン買いに大きなメリットがあるように感じます。
しかし、そのメリットの裏ではリスクも増大しているとお気づきでしょうか?
もし、図のようにC地点まで値下がりした場合はどうでしょうか?
この場合の損失を計算してみると、
- Aのみで購入:3万円の損切り
- AとBで購入:約7万の損切り
と倍以上の損失まで拡大していることがわかりますね。
このように、同値撤退のしやすさや利益の底上げというメリットの裏ではリスクが増大しているということを知っておきましょう。
このデメリットを緩和するためにはいくつかコツがありますので、後述するような対策を取っていく必要があります。
ナンピン買いが失敗しやすい代表例
ナンピン買いの失敗は値下がりリスクが高い時に起こりやすいと感じますので、ここではその代表例をいくつかご紹介します。
下降トレンド銘柄
先ほどの損切り例の図を見て感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、きれいな下降トレンドを描いていましたよね。
ナンピン買いで失敗する最も代表的な例は「下降トレンドでのナンピン買い」です。
例えばこちらをご覧下さい。
こういった強い下降トレンドを描いている銘柄でナンピン買いすることは、自ら退場しようとしていることと同義でしょう。
- 中期線で毎回跳ね返され、その度に安値を割り込んでいる
- トレンド転換の根拠も何もない
- 単なる勝手な割安感でのみ購入し、ナンピン買いを続ける
といった状況では到底成功しないです。
上記のような決算発表の度に下げトレンドを継続するケースでは業績起因のことが多く、通期計画で上向いてくるような思惑が出ない限りはトレンドを変えづらいと思います。
まずはナンピン買いしようと考えている銘柄のトレンドが
- 上昇
- 保ち合い
- 下降
のどれにあたるのかを考えて下さい。
下降トレンドの場合はリスクが大きいので、ナンピン買いではなくしっかりと転換した段階で上に買い増し(買い上がり)する方が得策でしょうね。
過熱感が大きい銘柄
大きく上がった銘柄を高値掴みしてしまい、そこから雪崩に巻き込まれる初心者さんも多いです。
最悪なのはそこからナンピン買いを決行して、さらに傷口を広げて失敗するケースですね。
- 業績期待だけで実際の企業価値以上に上げ続けた
- 天井を打っているとも知らず、下げる度に買ってしまう
- 巻き戻し相場から下降トレンドに移行したのに買い続ける
といった状況はジェットコースターで地獄の底へ連れて行かれるパターンでしょう。
まずは株そのものの価値を考え、いくらなんでも上げすぎだというものにはそもそも触らないことです。
巻き戻し懸念があれば素直に損切りすることを考えて下さい。
決算発表でギャップダウンをくらう
ナンピン買いをした銘柄が決算発表直前だったというケースもありがちですね。
例えば、決算発表直前銘柄の株価が直近で下降気味になっていたとしましょう。
もしこれが株価の先見性として下げていた場合、決算発表であまり良い結果が出てこない可能性もあります。
それまでの下げ幅にもよりますが、実際に悪い数字が出たらさらなる大幅ギャップダウンが予想され・・・
こんな感じの窓開け下落で、損切りラインを大きく下抜けて寄り付く可能性があります。
この場合は当初から想定していた損失許容額を大きく超えた損切りになるでしょう。
決算前に余計なリスクを負って失敗しないように、あらかじめ決算日を調べておくべきですね。
強い信念もなくナンピン買いしてしまう
メンタル面で考えた場合、ナンピン買いしたもののビビッて投げ出すパターンは十分に考えられる失敗例ではないかと思います。
ナンピン買いは強い信念を持つことが大事で、決行したあとに少し値下がりしたくらいで撤退してはいけません。
リスクが怖ければ最初からしない方がマシで、中途半端な撤退はリスクしか残らないでしょう。
やるのであれば、
- 損切りラインに引っかかる
- 同値撤退やプラ転
のどちらかまで耐えるべきです。
ナンピン買いは自分の買い値ではなく株そのものの価値で考え、
- 現状が市場から買われる位置なのか
- 欲しいと感じられる銘柄なのか
- 需要はどこにあるのか
などを総合的に吟味して「下がっても買い」と思えるかどうかです。
下手なナンピンスカンピンという言葉もあるので覚えておきましょう。
ナンピン買いを成功させるための戦略とは
失敗例でわかるように、ナンピン買いは値下がりリスクが高い状態では行いたくありません。
ということは逆に、値下がりリスクが低そうだと感じる局面なら成功しやすいということです。
厳密に言えば、
- そもそも自分なりにリスクが低いと感じる局面でのみ売買する
- 売買プランを決めて、ここまでのリスクなら取るという線引きをする
ということですね。
ナンピン買いのリスクが低い局面とは
これは単純に上昇トレンドなら大丈夫とかそういった考えではないと思います。
上昇トレンドでしっかり上げてくれるのであればある程度のところまで買い上がりすれば良いだけですし、上がり過ぎは値下がりリスクも出てくるでしょう。
私がよく仕掛けるタイミングとしては
- 収益力が高い
- 財務も問題なし
- 業績もしっかり伸びている
といった実力のある株が様々な要因で下げている状況です。
こういった割安成長株は下げ止まり確率が濃厚ですし、将来的に株価が上がる要素も持ち合わせています。
割安成長株が下降トレンドから転換してくるタイミングはリスクが低く、時間がかかってもナンピン買いのメリットが大きいと思います。
日柄調整の下降トレンドが続いた結果、2~3割引きで買えることも多く、それが元値に戻ることもまた多いですね。
これは地合い悪化の恩恵を受ける必要があるので、多くの個人投資家が狼狽している時期こそスクリーニングに力を入れるわけです。
良い株を見つけたら継続監視をして、下降トレンドから転換してくるタイミングを逃さないようにしましょう。
売買プランを決めて損切りラインを引く
前述のような実力株が下降トレンドから転換してくると予想しても、思ったようにならないこともあります。
そのためあらかじめ売買プランを立てておき、
- どういった考えで買うのか
- どこまでのリスクを取るのか
を決めておく必要があるでしょう。
例えば、最初に株価がヨコヨコ推移するような下げ止まりを確認したのならば
- 次の決算発表で値動きが変わるかもしれない
- もしかしたらそれまでに材料が出て、エッジの効いたローソク足が出るかも
- 下げ止まり期間中のザラ場安値でどんな印象があるか見ておこう
など考えます。
そうすれば、実際に下げ止まりからすぐ反発するか安値を下げるかはわかりませんが、
- 銘柄に実力があって、上げ要素もある
- 現状で下げ止まり可能性あり
- 決算発表までの値動きを見守る中でさらに下げたら、ザラ場の動きを見る
- 結果的にナンピン買いするかも
という売買プランにはなります。
ただしナンピン買いにも限度があるので、どこまでの下げなら損切りせずに行うというラインを決めておく必要はあるでしょう。
例えば安値から何%下までと決めるだけでも不要なナンピン買いを防ぐ対策になります。
損切りラインはリスク許容度でもありナンピン買いの範囲にもなるわけです。
ちなみに、決算発表は前述のような思わぬ値下がりとなる可能性もありますから、そういったことも加味しながら保有数のプランを立てる必要もあるでしょうね。
決算発表に限らずとも、
- ナンピン買いをしても大丈夫な銘柄か
- 株価が上がる要素はあるのか
- どこまでナンピン買いをするのか
- ナンピン買いのメリットは大きいタイミングか
という点を考えることが成功させるコツです。
ナンピン買いのタイミング
もう少しだけナンピン買いのタイミングについて説明しておきます。
どうせ下げるならナンピン買いしない
ナンピン買いは短期売買より少し長めの目線で考えた方がタイミングも取りやすいです。
例えば、最初の買値から2%下げたところでナンピン買いしても大して平均取得単価は変わらないでしょう。
損切り条件にもよりますが、それなりに下がったところで少し多めに買い増しする方が取得単価は下がります。
また、現状よりも大きな下げがくる可能性が高いのであればそこではナンピン買いしない方が良いですよね。
どうせ下がる可能性が高いのであれば、
- 損切りして下で買い直す
- 様子を見て、下げ止まったらナンピン買い
と考えた方が良いでしょう。
ナンピン買いしてさらに傷口を広げるよりは、株価の流れに合わせた行動を取るべきです。
自分の売買プランが現実味を帯びてきたタイミング
ナンピン買いはそれなりにリスクがあるので、適当には行いません。
例えばデイトレでするのなら
- 板と歩み値
- 分足チャート
- 関連銘柄
などを観察して下でも買うか考えます。
スイングや中長期でも状況の変化を考慮して買い増しする必要があって、これらは「自分の売買プランが正しそうか」を考えているんですよね。
可能性が高まった時に株価が偶然下がっていればそこでも買い、それは結果的にナンピン買いと呼ばれます。
売買開始時点で下げ止まっているように見えていて、銘柄背景も良くて、業績や材料など上げ要素もあって、値動きを観察していたら少し下げたけど、やっぱり上げてきそうで・・・というタイミングで行うわけです。
見立てがあっていれば、結果的にナンピン買いのメリットを享受できることになるでしょう。
地合いの急落など事故的に株価が落ち込んだタイミング
地合いの急落は様々な理由で突然起きます。
例えば、この記事を執筆している2020年1月には新型コロナウィルスが流行しているというニュースで日経平均株価が1000円以上急落している最中です。
発端が中国なので、インバウンドや海外に拠点を持っている企業は関連銘柄と言えるでしょう。
しかし、全く関係のない銘柄もなぜか暴落してしまうケースも見受けられます。
銘柄に問題がなく、関連性が薄いのであれば中長期的に株価が戻してくる可能性も考えられるでしょう。
損切りラインがあればそれに従うべきですが、こういった急落場面で拾ってみることも1つの考え方です。
平均取得単価をエクセルで計算する方法
平均取得単価の計算式は前述の通りですが、これを簡単にシミュレーションできるようにエクセルで作っておいてはいかがでしょうか。
例えば・・・
こんな感じで
- 買値と買った株数:手入力
- 合計株数:買った株数をSUM表示
- 平均取得単価:(買値×株数の総和)÷合計株数
- 現在株価:手入力
- 損益額:現在株価-取得単価×合計株数
- 取得単価までの上昇率:取得単価-現在株価÷現在価格×100
を打てば、想定する数値を手入力するだけで自動計算してくれます。
手数料などは加味していませんが、作ったエクセルで事前計算すれば大体のイメージが掴めます。
5分くらいで完成できますし、デスクトップにでも置いておけば役立つかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?今回はナンピン買いについてお話しました。
ナンピン買いは取得単価が下がるというメリットの反面、値下がり時のリスクも大きくなります。
下降トレンドなど値下がりリスクの大きい局面は避け、売買プランを持ちながら値上がりの可能性が高まってきたタイミングで行いましょう。
取得単価の計算はエクセルで行えますので、事前にイメージを持つために活用してみてください。
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がありますのでご参考ください。それではまた!