どうも、ひげづら(@higedura24)です。
大陽線は一般的に強さを表すローソク足で、それ単体でも買いのシグナルとなり得るものです。
しかし、中には大陽線なのに売りシグナルとなるローソク足の組み合わせも存在します。
その代表的なもののひとつが「ツタイの打ち返し」です。
今回はツタイの打ち返しの基本的な考え方や実例をご紹介します。
ツタイの打ち返しとは
まずこちらをご覧下さい。
ツタイの打ち返しとは
- 上昇トレンドの高値圏に突入
- 前日より安く引ける陰線が連続する
- その後大陽線で一気に高値更新する
という流れを指す酒田五法のことです。
ちなみに、この陰線部分が3つ連続すると「黒三兵」と呼ばれる弱いローソク足パターンが併発する状況になります。
複数の売りシグナルが重なる状況となり、天井圏の意味合いが強くなるので注意しましょう。
ツタイの打ち返しのポイントは「大陽線で無理に高値更新している」という点です。
前述のように陰線が3つ重複する状態は弱さを示します。
そしてその手前の2連続陰線はツタイ線と呼ばれる状態です。
ツタイ線が出ていて、本当であれば黒三兵になってもおかしくない天井圏なのに無理矢理買い上げる。
当然、そこから高値更新していく力はないので売り目線が妥当でしょう。
ツタイの打ち返しは「黒三兵」や「最後の抱き線」といった弱いシグナルの考え方が関わっていると私は考えています。
ツタイ線と押さえ込み線
実は「ツタイ線」や「黒三兵」と類似したローソク足の組み合わせに「押さえ込み線」というものがあります。
押さえ込み線は名前だけ聞くと売りシグナルのようですが、実は買いシグナルです。
図のように
- 上昇局面
- 窓開け上昇から陰線が2~3連続で続く
- 最後の陰線高値超え
となる状況を言います。
株価が上に行きたがっているのに、それを無理矢理押さえ込んだ状態ですね。
押さえ込めなくなり、最後の陰線高値をブレイクすると上昇に勢いがつくという考え方と言えます。
ツタイの打ち返しとも非常に似た状況ですが、陰線の位置関係によって市場心理が変わるので注意が必要です。
ツタイの打ち返しの実例紹介
ではツタイの打ち返しの実例を見てみましょう。こちらをご覧下さい。
これは初動から短期的に40%ほど上昇したチャートです。
およそ半月でこの値上がりなので、まさに急騰と言っても過言ではありません。
図の青枠部分に注目すると、先ほど紹介した「ツタイの打ち返し」が発生していますね。
一見すると2日間の適度な陰線を挟み、大陽線で高値更新しているので「まだまだ上がるな!」という印象です。
しかし実際には1つ目の陰線はかぶせ線という売りシグナルで、それに続いてツタイの打ち返しにもなっています。
かぶせ線を上抜くことは買いシグナルでもあるのですが・・・この解釈は難しいですね。
気になるその後の値動きは・・・
このように全戻しする流れになってしまいました。
ツタイの打ち返しは強そうに見えるチャートで、この下げは巻き込まれても仕方ないかなと思いがちです。
そんな時は銘柄背景を考えてみるのがおすすめ。
例えば、この例では急騰の原因となった材料は業績でもなんでもありません。
流行のテーマに関連したIRが出ただけで急騰しているので、これは根拠のない上昇です。
実際の業績も横ばいを抜け切れていませんし、進捗が良いわけでもありません。
また、天井となった価格帯は
- 500円の強い節目
- 過去の高値
- 理論株価に近い
という理由から、一旦売りが意識されてもおかしくはありませんでした。
こういった背景に重なってツタイの打ち返しが発生したことは意識するべきで、チャートだけでなくその銘柄がどんな状況なのかまで考えると意味合いが強まると感じます。
ちなみに、今回の例ではツタイの打ち返しのあと
- 翌日またかぶせ線様の大陰線
- そこから明らかに陰線割合が増えた横ばい推移
- ツタイの打ち返し(大陽線)安値を割り込む
という流れになっていますよね。
つまりここでいくらでも逃げられるわけで、その後の急落に巻き込まれても「仕方ないね」では済みません。
明らかに逃げなかった自分が悪い事例だと考えられますね。
まとめ
いかがでしたか?今回はツタイの打ち返しについてご紹介しました。
大陽線なのに売りシグナルとなるパターンのひとつです。
強い値動きに紛れ込み、ついつい反対目線で見てしまうローソク足シグナルですので注意しましょう。
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