どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資をやっていると「三角保ち合い」という言葉を聞くことがありますよね。
三角保ち合いは一般的に値動きが進むにつれて値幅が小さくなっていくことが特徴です。
しかし、三角保ち合いの中には「ブロードニングフォーメーション」といって値動きが進むにつれて値幅が拡大していくパターンもあります。
この記事では
- ブロードニングフォーメーションの形状
- ブロードニングフォーメーションの意味合い
- エントリーポイント
- 考えておきたいポイント
についてご紹介しました。
珍しいパターン分析ではありますが、なかなか興味深いものですのでぜひご参考下さい。
ブロードニングフォーメーションとは
ブロードニングフォーメーションとは以下のような値動きパターンを言います。
特徴としては
- 第1波から第5波に進むにつれて値幅が拡大していく
- 出来高が増加傾向となることもある
といったことが挙げられるでしょう。
図は真横に向かって拡大しているものとなっていますが、実際には少し上向きや下向きになっているケースもあります。
角度をつけて形成される場合はトレンドを若干保ちながら上下に振る値動きなので、おそらく多くの参加者が損切りや利食いをさせられているのではないかと推測できそうですよね。
一目均衡表の中ではY波と呼ばれているようで、個人的にはエリオット波動にも精通している考え方なのかなと考えています。
ブロードニングフォーメーション発生後は最初の値動きを巻き戻していく流れだと言われ、教科書的には反転型のパターン分析です。
ただし、
- いつ反転するのか
- 本当に反転するのか
はわからず、実際の相場で見かけても必ずしも反転はしないと思います。
これは値動きを見てわかるように「市場が迷っているから」ですね。
上なのか下なのか悩んでいて、その方向感が掴めるまではブロードニングフォーメーションを形成して保ち合うのだと考えています。
したがって明確なエントリーポイントはここだと言いづらく、基本的には値動きの方向性が決まってから入るべきでしょう。
とは言え形状的には値幅がどんどん広がって出来高も拡大傾向になるわけで、うまく入ることができれば大きな値幅を獲得出来ます。
また、ブロードニングフォーメーションから離れて大きな値動きを起こせばより大きな利益となるでしょう。
ちなみにブロードニングフォーメーションは相場の最終地点で表れやすいとも言われているので、値動きがどれくらいの期間続いてきたかも見ることにしています。
逆三尊やヘッドアンドショルダーズトップに似ている
ブロードニングフォーメーションは安値高値が少しズレれば
- 逆三尊
- ヘッドアンドショルダーズトップ
といった形状にかなり類似したものになります。
実際の相場でも、振り返るとブロードニングフォーメーションだったのか逆三尊だったのかよくわからないというケースもちらほらあるわけです。
どちらも反転型のパターン分析なので結果的には同じ方向性で売買をしていくのですが、逆三尊の方が明確なネックラインを設定できるので断然やりやすいとは思います。
また、パターン分析としての知名度が高いことからも三尊型の方が信頼性は高いのかもしれません。
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ブロードニングフォーメーションの実例
ではブロードニングフォーメーションの実例チャートを見てみましょう。
こちらをご覧下さい。
これはある駐車場関連企業の月足チャートです。
上場から業績を着実に伸ばしていて、株価もそれに合わせて順調に伸びてきました。
しかし、ここのところは売上高が伸びても営業利益が大きく伸びない状況に思えます。
月足でも調整ムードがありますし、時代の流れとしても駐車場シェアが段々と広がっているので競合が出てきてもおかしくはないかなという状況だったはずです。
そんなある日、自社よりもかなり時価総額の大きな企業が駐車場事業に参入すると発表しました。
ちょうど調整ムードが漂っている黄色丸部分で・・・
日足を拡大するとこんな感じですね。
材料が出たのはチャートのピンク枠部分で表した箇所です。
注目してほしいのは、そこからブロードニングフォーメーションが形成されたことでしょう。
ブロードニングフォーメーションは上にも下にも値幅が拡大している形状を見てわかるように、
- 買いが強いのか売りが強いのかわからない
- 市場の迷いが値動きにも表れている
といった意味合いがあります。
市場の迷いには色々な要因があると思いますが、この例で言えば「大手企業が参入してきたことで、駐車場をメイン事業としている同社の業績が今後どうなっていくのか」という意味合いでしょう。
- 早めに逃げなきゃやばいかも!
- いやいや、まだ業績には反映されないでしょ!
のどちらも考えられ、これらが値動きを上下させているのかもしれませんね。
したがって、やはりこのブロードニングフォーメーションでは積極的に売買をする局面ではないかと思うわけです。
売買は方向性が決まってからでも遅くはなく、無駄にリスクを取らないことが先決でしょう。
ただし、この銘柄は決算が近かったので大きなリスクを取ってでも無理矢理入るなら値幅が拡大している後半でしょうかね。
市場がとりあえずの決断を出すための材料として決算は注目されやすいですし、この銘柄をずっと追ってきた自信があるのなら折り返しを確認してからエントリーするのもひとつの考え方です。
ちなみに、その決算内容を受けた値動きは青枠部分の大陽線となっています。
ものすごく良い内容ではなかったように思えますが、市場としては安心感が広がった印象です。
結果的に折り返し部分で買った人は利益が出ることになりました。
まとめ
いかがでしたか?今回はブロードニングフォーメーションについてご紹介しました。
教科書的には反転パターンですが、実際には必ずしもそうなるわけではないでしょう。
エントリーよりも値動きから「市場の迷い」を感じ取ることが大事で、それがどんな意味なのかを考えるべきです。
ブロードニングフォーメーションがあれば必ずその前に材料が隠れているわけではないかもしれませんが、なぜ値幅が拡大しているのかを調べてみる姿勢は大事だと思います。
迷いが払拭されれば元の流れに戻るかもしれませんし、チャートの裏側に注目してみてはいかがでしょうか。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!